196 / 256

5

 いきなり司令官になってしまった由宇は、不安げに健人を見た。 「僕、できるでしょうか」 「由宇くんなら、絶対に大丈夫だよ」  健人の優しいまなざしは、彼にとって何よりの自信につながる。  由宇は、次の瞬間には力強くうなずき、任せてくださいと胸を張った。 「この調子で、決めて行こうよ。もちろん他にも、考えがあるんだろ?」  乃亜が、身を乗り出してくる。 「俺に、何かできることはないか?」  圭吾が、協力姿勢を傾けてくる。  ようやく一つにまとまり始めたチームに、健人は嬉しくなった。 「四人で力を合わせれば、どんな難題も乗り越えられるよ」  全員がうなずき合い、身を寄せ合った。  計画を共有し、手順を決めて確かめた。 「あとは、実行あるのみ!」 「やりましょう!」 「ワクワクするね!」 「自由を勝ち取る!」  心を一つに合わせて、ついに四人は立ち上がった。

ともだちにシェアしよう!