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いきなり司令官になってしまった由宇は、不安げに健人を見た。
「僕、できるでしょうか」
「由宇くんなら、絶対に大丈夫だよ」
健人の優しいまなざしは、彼にとって何よりの自信につながる。
由宇は、次の瞬間には力強くうなずき、任せてくださいと胸を張った。
「この調子で、決めて行こうよ。もちろん他にも、考えがあるんだろ?」
乃亜が、身を乗り出してくる。
「俺に、何かできることはないか?」
圭吾が、協力姿勢を傾けてくる。
ようやく一つにまとまり始めたチームに、健人は嬉しくなった。
「四人で力を合わせれば、どんな難題も乗り越えられるよ」
全員がうなずき合い、身を寄せ合った。
計画を共有し、手順を決めて確かめた。
「あとは、実行あるのみ!」
「やりましょう!」
「ワクワクするね!」
「自由を勝ち取る!」
心を一つに合わせて、ついに四人は立ち上がった。
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