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「みんな、来てくれたんだね!」 「由宇! 君はホントに、存在したのか!」 「マジで、乃亜さんそっくり!」 「さぁ、こんなところ、早く出ようぜ!」  イレギュラーのアンドロイドが、我々の仲間にいる。  そんな情報は共有していたが、実際に乃亜から回答をもらったわけではない。  ミッシングとして、記憶回路の片隅にあるだけだった、由宇。  その彼と、初めて対面できたのだ。  兄弟たちは、大いに張り切った。  健人は、仲間たちに囲まれて嬉しそうな由宇の肩を、抱き寄せた。  そして、満面の笑みで彼らに挨拶を始めた。 「皆さん! 本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます!」 「健人さん?」 「この脱出作戦が成功した暁には、私から盛大にご馳走させていただきますから!」 「ちょ、健人さん……」 「寿司、焼肉、鰻、何でも振舞います!」  太っ腹な健人の言葉に、アンドロイドたちはさらに盛り上がった。 「俺、すき焼きがいいな!」 「私は、スッポン鍋を」 「僕はね、ステーキ! ミディアムレアで!」  うん、と大きくうなずき、健人はこぶしを振り上げた。 「では、作戦開始です!」  由宇の兄弟たちは、一斉に持ち場について動き始めた。

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