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第四十二章 戦闘開始
『壁にだって、大穴を開けられるぜ!』
ボディにロケットランチャーを内蔵している、CFアンドロイドは、そう言っていた。
(確かに、そう言ってたけど。これはすでに、穴じゃないよ!)
健人は、粉々に砕けた研究所内のがれきを跳び越えながら、苦笑いした。
「全く、派手にやっちゃって!」
「こんなに風通しを良くすると……ほら!」
「敵も近付きやすくなっちゃう、ってこと」
「でも、僕たちがいるから大丈夫だよ!」
「大船に乗ったつもりで、ね!」
MFとして、健人たちを護衛するポジションのアンドロイドたちが、それぞれの武器をあらわにして、身構えた。
彼らは、同時期に開発された五つ子のようなものだ。
近接戦闘に投入できるアンドロイドとして、造られた。
武器が物理的に直接届く範囲で戦う、いわば白兵戦に特化した、死なない兵士たち。
腕に、サバイバルナイフだけでなく、サブマシンガンが仕込まれた。
握り込んだ指の間から刃を出し、殴りながら突き刺すための、プッシュダガー。
しまいには、自爆用のステルス爆弾まで内蔵された。
戦うためだけに生まれてきた、アンドロイドだった。
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