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第四十三章 約束と希望と
由宇たちを強襲して来た特殊部隊は、あっという間に制圧された。
たった3人の、アンドロイドの手によって、だ。
地面に転がった隊員たちを横に見ながら、由宇は心配そうな表情だ。
「ねえ。殺したり、してないよね? 約束したよね?」
「気絶してるだけだよ。安心して」
「約束したもんね。由宇と」
「良い人も、いたしね」
フル装備のSWATたちを、気絶させる。
それは、単に殺傷するより難しそうだ。
「さすがは、MFくん。見事なお手並みだよ」
「健人さんも、約束は守ってよね」
「約束? 君たちと、何か約束したっけ?」
「もう! とぼけないでよ!」
「特選和牛の!」
「シャトーブリアンを!」
「ミディアムレアで!」
「ご馳走するって言った!」
解った解った、と健人は頭を掻いた。
「そのことか。覚えてるよ、ちゃんと」
特選和牛とか、シャトーブリアンとか、いつの間にやらリクエストが増えてはいるが。
「よし! 特選和牛のシャトーブリアンを、ミディアムレアでご馳走する!」
「やったね!」
ご褒美の確約に、5人のアンドロイドたちはピョンピョン跳ねた。
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