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「何か、さぁ。空気の質が新鮮!」
「乃亜は、体調に気を付けて。気分が悪くなったら、すぐに言うんだ」
「平気だよ。少し、息苦しいけど」
「研究所の、コントロールされた空間じゃないんだ。湿度が高いし、雑菌も多い」
まるで無菌室のような場所で育った乃亜の健康を、圭吾は案じていた。
一方、別の車に乗った圭吾と由宇も、今後の予定などを話していた。
「健人さん。作戦の第一段階は、成功ですね!」
「ああ。由宇くんの兄弟たちの、おかげだよ」
「でも、どうして二台に分かれたんですか?」
マイクロバスなら、一台に全員が乗れるのに。
由宇の疑問はもっともだったが、健人の返事は思ったよりハードだった。
「全滅を避けるため、だよ」
「全滅!?」
「うん。一台を攻撃されたら、それでおしまいだ。二台に分散していれば、誰かが生き残る可能性が高くなるからね」
ドライバーに、美咲と大輝を選んだことにも、ちゃんと理由があった。
一般人である彼女らが運転する自動車が、公道でテロに遭ったとなると、さすがに正規の警察や世論が黙っていない。
無力に見える美咲と大輝こそが、最強の盾となっていた。
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