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「作戦名は『電次元からの警告』!」 「長谷川さん、何それ! ダサい名前! 中二病っぽい!」 「電次元、って。確か、人気アニメ『伝説戦士・ガンデオン』の世界観設定にありましたよね?」 「吉井さん、高橋さん! まだ、いたの!?」  驚き慌てる健人に、美咲は唇を尖らせた。 「ひどぉい。別に、もう帰れ、って言わなかったじゃないですかぁ!」 「乗り掛かった舟。最後まで、協力する!」  電次元を美咲に笑われたことは悲しいが、今に始まったことではない。  気を取り直し、健人は説明を始めた。 「由宇くんと乃亜さんとで、可能な限り広範囲のシステム障害を起こすんだ。ただし、国内限定で」 「それくらいなら簡単だけど、なぜ国内だけ? 世界中を、大混乱に陥れようよ」 「いや、あくまでも警告にとどめるんだ。そして、声明を出す」  そうか、と圭吾がポンと手を打った。 「表向きは『電次元からの警告』として公表し、内情を知っている特別研究所とは、水面下で交渉する」  乃亜より社会情勢を知っている圭吾だけあって、呑み込みが早い。 「由宇くんと乃亜さんは、早急にハッキングを。私は、声明文を考えます」 「面白くなってきたぁ!」 「乃亜さん、急ぎましょう」  あっという間に、現場と化した、健人の家だった。

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