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「健人さんからの報告は?」 「うん。もうすぐ映ると思うけど」  圭吾と乃亜がモニターを見ていると、端の方からその健人が、大きく手を振って来た。 『圭吾さん! ガンデオンの新作映画が発表される、ってホント!?』 『ちょっと、健人さん! ちゃんと報告をしなきゃ!』 『乃亜さん! 早く、モビルギャリア造ってね! 私は、ガンデオンに乗りたいんだ!』 『健人さん、ガンデオンに乗って、何するんですか?』 『もちろん、電次元との戦いに備えるんだよ!』  皆でわあわあ言いながら、賑やかな通信は終わった。  乃亜は爆笑し、圭吾は額を押さえている。 「大丈夫かな。あんな人たちに、火星開発を頼んじゃったけど!」 「あんな人たちにしか、務まらんだろう」  それもそうだね、と乃亜は再びマグカップに手を伸ばした。  そんな彼を見ながら、圭吾は封書を二通差し出した。 「手紙が来てるぞ。美咲さんと、瑞紀さんから」  それぞれの封筒には『藤崎 乃亜さま』と、宛名が書かれている。  乃亜は圭吾と結婚し、念願の姓名を手に入れた。  記号的に『乃亜』と呼ばれるだけだった彼は今、圭吾と共に人として生きているのだ。

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