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チュンチュン…… 翌朝の日曜日は、スズメの声で目が覚めた。 目覚まし時計はまだ鳴らない時間だ。 俺は起き上がり、カーテンを開ける。 もうすぐ9月だというのに、まだまだ夏を感じさせる晴天だった。 今朝は俺の股間問題が解決して、清々しい気持ちで朝を迎えられた。 俺は踊りだすような足取りでいつものようにトイレに向かった。 ──ショロロ…… あれ? なんか違う…… 恐る恐る自分の股間をのぞき込んだ。 おい…… おい、おい…… 嘘だろ? 「ピンポーン」 そして俺は、今朝も優成の家のインターホンを押している。 もはや、毎朝の日課になってきている。 「ピンポーン」 もう3日目。 さすがの俺もサンダルを履き違えるほどの動揺はない。 ただ、このおかしな現象に昨日より気持ちがざわついている。 それにしても……アイツ、全く出て来ない!! 「ピンポンピンポンピンポーン」 ──ガチャ 「うるさ……」 「もう!早く出ろよおおお!!!」 優成に腕を引っ張られ、玄関に無理やり入れられた。 「あのね、今何時だと思ってんの……」 「6時です……」 「日曜の6時にピンポンピンポンピンポン……テメーは目覚まし時計か!!!」 俺は優成のツッコミを完全に無視して、サンダルも脱がずにすがりついた。 「優成……」 「俺、お前の次のセリフ、なんかわかる気がするわ……」 優成の眉間のシワが、渓谷のように深くなっている。 それでも俺は気にしない。 そんなことよりも、とにかく…… 「俺のちんこを見てくれ!!!」 「……だろーな」 俺たちは今日もお馴染みのソファに座り、お馴染みのコーヒーを飲んでいた。 優成がハァ……と、ため息をついてから確認を始める。 「つまり、また戻ったってこと?」 「うん」 「……女に?」 「うん……しかも、また無毛」 何故かまんこになるとパイパン仕様になる、俺の股間。 いったい何が起きてるんだ? 宇宙人の気まぐれに弄ばれてる? ──もう絶対にUFOダサいなんて思わないので、ちんこと陰毛を返してください。 俺は天井に向かって神に祈るように、宇宙人にお願いをした。 ──それから、返すときは少し大きめのちんこに変えて戻してください。こんなに弄んだんだ。ちょっとは誠意を見せてください。 俺が強気のお祈りをしている横で、優成も静かに下を向いて考えているようだった。 俺が頼れるのはお前だけなんだ……。 なんとかしてくれ。 「世利、今日予定はある?」 「ないけど……?」 「じゃあ、一緒に出かけるぞ」 優成はそう言って、立ち上がった。 何かを決意したような真剣な顔をして……。 俺は茶化すこともしないで、頷いた。 優成の行動に、何か解決の糸口があるような気がしたんだ。

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