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19-3 ※

優成の瞳は今まで見たことがないほど真剣で、俺を逃がさないと言っているみたいだった。 優成はただ俺を見下ろしていた。 荒い呼吸だけが、静かな部屋に落ちる。 「世利」 少し呼吸が落ち着いた頃、名前を呼ばれた。 「……よく見せて。呪いが解けているのか確認したい」 耳元で囁かれたその低い声に、俺の胸がドキドキと音を立てる。 もう優成の声だけで、俺の体は簡単に反応してしまう。 「う、うん……」 優成は、ベッドに横たわる俺の足を跨いで座ると、焦らすように視線を下へと滑らせた。 そして、パンティの中で窮屈そうに震える俺のちんこに優しく手を添えた。 「世利の……下着が透けて、形が丸見えだな」 優成の太い指先が、布越しにするりと形をなぞっていく。 もどかしい刺激に、俺は小さく体をよじった。 「男の体で履くとは思ってなかったけど……」 優成は話をしながらも指を止めない。 パンティから少しだけ顔を出している先端をくるくると撫でた。 「ふあっ……そこ、触るの……っ」 待ちわびていた快感に、堪らず熱い声が溢れた。 「はぁ……かわいいな……」 漏れ出したような優成の呟きに、俺の体の奥がぎゅっと熱くなった。 優成は手のひら全体で俺の熱を包み込むと、容赦なく上下に動かし始めた。 追い込むような手の動きに、小さく水音が重なる。 「んんっ、さきっぽ……」 「……ここ、いいのか?」 低く掠れた優成の声が耳に落ちた。 指先が雁首に引っかかると、体がビクンと跳ねる。 俺の反応を確認するように、優成は執拗にそこばかりを攻め立てた。 優成の手に翻弄されて、俺は体を委ねきってしまっていた。 ──クチュクチュ 先走りを絡めた指が、水音を立て始めた。 「んんっ……くちゅくちゅ……っ、やばい……」 強すぎる刺激に、俺は無意識に優成の腕をギュッと掴んだ。 そのとき、ふと優成と目が合う。 乱れた前髪の隙間から、俺を射抜くような視線。 ヒュッと、小さく息が詰まる。 優成に、食べられちゃいそう……。 ううん、俺──優成に食べられたいんだ。 その瞳に呑み込まれそうな感覚に、ゾクゾクと体が震えた。 ──グチュグチュ…… 優成の手の動きが、さらに速さを増していく。 腕を掴む俺の指が、食い込むほど力がこもる。 優成の顔を見る余裕なんて、一欠片も残っていなかった。 「んあっ!やばいっ……やば……ちんこ、でちゃうっ……!」 浅くなる呼吸。 もう、快感に抗うことができなかった。 「あっ……イクッ……イクぅっ!!」 ──ビュッビュクッ……ピュル…… 勢い良く出た精液は、俺の太ももに落ちた。 射精が終わるまで、優成はゆっくりと手を動かし搾り取っていく。 その余韻を追うように、俺は体を震わせながら最後まで出し切った。 ようやく優成の手が止まる。 俺は浅い呼吸を繰り返し、シーツの上でぐったりと力を抜いていた。 俺はぼーっと、幸せなだるさに浸っていた。 顔の横でベッドが沈んで、優成がすぐ近くにいることに気がついた。 「大丈夫か?」 優成は、そっと俺の額に張りついた前髪を指で整えた。 その仕草があまりに優しくて、少し照れながら頷いた。 「……これで、呪いが完全に解けたって証拠になった?」 俺の問いに、優成はホッとしたように微笑んだ。 「ああ、安心した」 「よかった。俺……すぐ、出ちゃった」 「出ちゃったな、いっぱい」 そう言いながら、優成は俺の精液が付いた手を見せつける。 「見せんなよ……!」 少しイジワルな優成を、俺は足でゲシゲシと蹴りつけた。 優成は笑いながら、攻撃する俺の足首を優しく掴んでベッドの上に下ろした。 ──チュッ 俺の膝に、優成が小さくキスを落とす。 ねっとりと熱を孕んだ視線と合わさった途端、カッと顔が熱くなった。 うっ……なに、それ…… 膝にキスとか、かっこよすぎるだろ! 「膝ってキスするところなのかよ……エ、エッチだ……」 「大丈夫そうなら、続けたいんだけど?」 いつの間にか俺の両足は開かれ、その間に優成が腰を下ろした。 ──くちゅ…… 「!?」 突然パンツがずらされ、お尻の穴にくすぐったいような感覚が走った。 俺の体はビクッと固まった。 「あわわわ……ま、まじで……?」 期待していたのに、俺の口からはとぼけたような声が出てきた。 「世利、怖い? 嫌なら……………………やめる」 「や、やめないで!」 とっさに答えていた。 でも、俺の声は明らかに震えていた。 それでも、優成と繋がりたい一心で、俺は震える両手を自分の尻に添えた。 そして、グッと力を入れて自分で広げた。 「優成、お願い。俺とセックスしよう」 優成の喉が上下に揺れた。 俺は震える指でお尻を広げたまま、切実な声をあげる。 「こんな気持ちになるの、優成にだけなんだ。 だから、優成のちんこを俺のアナルに──んんぅ!?」 突然、俺の口ごと喰らうようなキスが落とされた。 気づいたときには口内に舌を入れられ、息すらも絡めとられていた。 チュパッと音を立て唇が離れたときには、俺の体はしんなりとくたびれていた。 「はぁ……世利、うるさい」 「あ…………はい」 呆れたような、けれど熱を帯びた優成の低い声に、俺は一瞬で黙らされた。 すると、優成が俺の頬を撫でた。 親指は唇の輪郭をなぞるように滑っていく。 「世利にお願いされなくても、俺のほうが……もう、我慢の限界なんだ」 優成の熱を孕んだ瞳が、あまりにも優しい。 愛おしい気持ちが、自然と込み上げてきた。 「優成……」 優成は少し身を引き、俺の足の間に座り直した。 おもむろにアダルトグッズが入っている紙袋に手を入れる。 取り出したのは、俺愛用のトロトロローションだった。 「触るぞ」 一瞬、同意を求めるように俺に視線を向けた。 そして静かに俺の後ろに指を添えた。 パンティを横にずらされる。 入り口に指先が触れ、トントンと軽くノックされる。 「っ……」 変な声出そうになって、慌てて飲み込んだ。 「俺、パンティ脱いだほうが……いい?」 「いや、このままで」 「邪魔じゃない、の……?」 「……この方が、いい」 優成は少し言いにくそうに答えた。 「優成も、スケスケ好きだったんだな」 「うん、世利が履いてるからエロい」 「…………」 真っ直ぐ飛ばされた重い言葉に、俺は口を閉じるしかなかった。 優成の独占欲に見事に射抜かれ、ただ恥ずかしさを押し殺すように見つめ返す。

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