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19-4 ※

──プツッ 「……あっ」 不意に、優成の指先がローションで濡れた中へ押し込まれてきた。 パンティの隙間から太い指先が、俺の窄まりをこじ開けていく。 「うあ……」 体がビクンッと跳ねる。 無意識に逃げる腰を、優成ががっしりと掴んで離さない。 「柔らかい……もしかして、中の準備もしたのか?」 優成は、少し深いところで確かめるように指を動かす。 「っん……さっき、綺麗にしてきた」 実は、優成が帰ってくる前にお風呂で準備していた。 改めて聞かれてると気恥ずかしくて、頬が少し熱くなる。 「…………今度、俺にやらせて」 低く強請るような声は、俺の体をこわばらせた。  世話焼きとは違う、はっきりと熱を帯びた言葉に心臓がどくんと跳ねる。 「指、増やすぞ」 俺の様子をうかがいながら、優成はもう一本指をあてがった。 指先に力が入ると、ぐっと圧迫感が強くなる。 「ぐっ……うぅ……」 喉に詰まるような声が漏れた。 いつの間にか、呼吸が短く跳ねていた。 「世利、力抜け」 そう言われても、うまく力を抜くことができない。 開かれていく奥に意識が集中してしまう。 あまりの異物感に、俺はシーツをぐしゃっと掴んで耐えた。 呼吸がうまく続かない。 浅く途切れながら、胸の奥で何かが震えている。 「……」 俺の反応を見て、優成は一瞬動きを止めた。 わずかな間を置いてから、ゆっくりと指を抜いていく。 「あっ!優成、抜かないで!」 抜けていく感覚に、思わず声が弾けた。 俺は上体を少し起こし、慌てたように優成の腕を掴む。 「世利、このディルドは使ったのか?」 優成の落ち着いた声につられて、俺は床に転がる漆黒の棒へと視線を向けた。 「実は……まだその極太は入れられてないんだ」 何故か言い訳じみた声になってしまい、わずかに視線を逸した。 「そうか……何使った?」 優成に淡々と問いかけられ、追い詰められるような感覚になる。 ごまかしなんて効かない空気に、俺は小さく息を吐いた。 「この細いアナルプラグと、アナルビーズを少しだけ……」 俺の言葉のあと、少しの間沈黙が落ちた。 今度は優成が小さく息を吐いた。 ──ま、まずい! セックスを中断させられそうな空気を感じて、俺は慌てて言葉を続けた。 「待って。この間、優成に中触ってもらったじゃん?あのとき、すごく気持ちよかったんだ。 だから、ちんこだって頑張れば入ると思うんだ!」 笑顔を作っているつもりなのに、どうも口元が引きつっていた。 早口になった自分の声が、妙に必死に響く。 言えば言うほど退けなくなるのに、それでも止められなかった。 「ちょっと、まだ……キツそうだ」 俺の必死な説得に効果はなく、優成は確実に現実を伝えてきた。 このまま終わってしまいそうな言い方に、胸がざわつく。 ──あんなに頑張ったのに、3日の準備じゃ足りなかったのか!? 「……やだ!」 気づけば、わがままみたいに叫んでいた。 「やだよ、俺。絶対に優成と繋がりたいんだ! そうじゃなきゃ……そうじゃなきゃ──優成を、不安にさせちゃうじゃん!」 俺の本音が、そのまま零れていた。 言葉にした瞬間、自分でも気づいていなかった焦りが胸を締め付ける。 「世利……」 名前を呼ばれたその声は、驚くほどやわらかかった。 声を聞いた途端、胸の奥が震えた。 「ありがとう」 優成の手が、そっと俺の頬に触れる。 確かめるように、慈しむように。 「でもな、俺だってお前を傷つけたくないんだ」 優しく諭すような響きが、まっすぐ心に落ちてくる。 「世利は、俺にとっての宝物なんだ。 大切にさせてくれ」 ──宝物 言われて、唖然とした。 体の動きが止まった。 俺を宝物だと思ってくれていたことが、嬉しくて、同時に切なくて、胸に込み上げるものがあった。 俺、すごく大事にされてるんだ。 優成……大好き。 それでも、俺……俺は…………。 「やだったらやだ!挿れてよ!」 「おい、情緒台無しだな? 今ので納得しろよ……そりゃ俺だって挿れたいけど……」 眉根を下げ、肩を落とす優成。 俺は頬に触れる優成の手を力強く掴んだ。 「俺がいいって言ってるんだから大丈夫だよ!ほらっ!」 「うわっ……!」 掴んでいた優成の手を、そのまま俺の後ろに無理やり持っていく。 俺が掴んだ優成の手を離さずにいると、向こうも拒むように固まったまま動かない。 しばらく、お互いを見合う時間が過ぎた。 「………………ふぅ。いや、今日は」 「もうっ、頑固だな! 俺のアナルでちんこズポズポしてってば!」 「ゔっ……!!お前……」 優成は呻きながら、床に転がる何かを拾い上げた。 「だから──煽んなっつってんだろうがっ!」 怒鳴り散らかした優成は、それを俺の入り口に容赦なく挿入した。 ──ズプッ 「ほあっ!?こ、これは……」 アナルビーズ……! しかも、細い方のやつだ! 「お、おしりっ!入ってくるうぅぅ!!」

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