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エピローグ ※
翌朝、目を覚ました俺は、隣で眠る優成の寝顔をぼんやりと見つめていた。
昨日は、あのあとご飯を食べたり、風呂に入ったり、二人でまったり過ごした。
ベッドの中でキスを交わして眠りにつけたのが、とんでもなく幸せな時間だった。
それでも、昨日の激しいキスや優しい指先を思い出すだけで、顔が熱くなる。
体のあちこちが気だるいのに、胸の奥はふわふわしていて、俺は人生初の“朝チュン”を噛み締めていた。
ふと、少し痛みを感じる後ろの穴が気になり、そっと手を当てた。
昨日あれだけ優成にほぐしてもらったんだから、俺のお尻って今どれくらい入るようになってるんだろう。
……試してみたい。
突如、そんな好奇心がむくむくと湧いてきた。
俺は、ベッドの脇に置いていたアナルビーズをこっそり手に取る。
優成を起こさないようにそろそろとズボンを下げて、ローションを少しだけ指先につけた。
──いつもより、柔らかい。
早速、俺はアナルビーズをあてがった。
「んっ……」
緩くなったアナルに、ニュル……と先端が呑み込まれる。
昨日まで苦しかったのが嘘みたいに、するすると入っていった。
「おお……すご……」
調子に乗った俺は、そのまま少しずつ押し込んでいく。
一粒、二粒、三粒……。
なんか、ちょっと楽しくなってきた。
「え、待って、これ……どこまで……」
──にゅるっ
「あれ?」
手元の感触が急に軽くなった。
慌てて後ろに回した手で探った。
けれど、そこにさっきまで指で摘んでいたはずの持ち手が──なかった。
「…………」
頭が、真っ白になる。
「ええええええええええええ???!」
俺の絶叫に、隣で寝ていた優成がビクッと飛び起きた。
ボサボサ頭のまま、般若みたいな顔で俺を睨みつける。
「……あ?」
「優成!大変なんだ!」
「朝からうるせぇ……」
「とにかく、俺のアナルを見てくれ!!!!」
「…………は?」
「アナルでビーズが消えた!!!」
「何言ってんだ?」
数秒の沈黙のあと、優成は深いため息をつき、俺のアナルを覗いた。
そのまま指を穴に入れると、探るように確認した。
顔を上げた優成の眉間には、マリアナ海溝並のシワができていた。
そして、淡々と告げられる。
「おし、病院行くぞ」
あまりにも軽い調子で言われて、俺の思考が一瞬止まる。
次の瞬間、現実が一気に押し寄せてきた。
「病院……」
その単語が頭の中でぐるぐる回る。
無理だ。
絶対無理だ。
いろんな意味で終わる。
俺の一生の汚点になる未来しか見えない!
「……なんでっ!?嫌だ!恥ずかしい!死ぬ!!!」
「んなこと言ってらんねーだろ」
「なんだよ!ちんこ消えたときは病院行かなかったくせに!!!」
「ちんこがまんこに変化する患者なんか来られても、医者が困るだけだわ!」
「嘘だろ、優成……嘘だって言ってくれ!!」
「全部現実だ、バカ。諦めて支度しろ」
そう言って優成は小さく笑い、ベッドから降りてさっさと着替え始めた。
俺は優成の背中を恨めしく睨みながら頭を抱えた。
「うあぁぁ……!」
俺は、ベッドに両手をつき項垂れた。
絶望的だ……。
幸せな朝だったはずなのに……普通、こんな地獄みたいな展開になるか!?
もう無理だ。
──祈るしかない!
「神様、仏様、宇宙人様!誰でもいいから、誰か俺のお尻治してくれぇぇぇーー!!」
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