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従属(じゅうぞく)

※性描写を含みます。愛はありますが糖度少なめです。苦手な方はご注意ください。 ────── 「……最近、やたら威勢が良かったのもあるしな……寧ろ良い機会だ」 低く冷たい声が耳を刺す。匠は唇を震わせ、それでも何かを言おうとするが、もう先程までの威勢は無い。 「……っ、や……やだってばっ……!」 逃げようとした瞬間、遙の手が素早く腕を掴む。指先が食い込むほど強く、痛みが伴う。思わず顔を顰めた。 「逃げられると思うな」 淡々とした一言。その声だけで、匠の身体は力が抜けて膝から崩れ落ちる。 「観念しろ。それとも、今日の事をちゃんと俺に話すか?」 「っ、や……絶対、言わねぇっ……!」 「慈悲を与えてやったというのに……馬鹿だな」 鋭い低声が耳の奥に突き刺さる。腕を引っ張られ無理やり立たされると遙の右手は顎を掴み、上を向かされる。琥珀の目には涙が滲んでいた。 「……っ、いや……っ、お願いだからもう……やめろよっ」 「諄いぞ。同じ事ばかり言って、お前には学習能力が無いのか?」 遙は表情を怒りに歪める。普段の理知的な雰囲気は見えず、こんなにも感情を剥き出しな様子は珍しい。 「良いか……お前は俺だけのものだ。何をしても、どれだけ泣いても……今夜は許さない」 匠の顎を掴んだ指を、汗と涙で濡れた頬にゆっくりと辿らせる。首筋に落ちるキスは甘く、だがその甘さが逆に恐怖を煽る。 「……やだ……いやだ……」 「もう良い……もう話さなくて良いぞ」 低い囁きと同時に、遙がまた腕を引いて匠はその場に座り込んだ。目の前の支配者は優雅にソファに身を沈ませる。脚を組み、肘掛けに置いた腕で頬杖をつき、その切れ長の青灰の瞳で匠を冷たく射抜く。 「今日はどうしてやろうか……お前はどうされたい?」 言葉と共に、遙の指が服の上から乳首を撫でる。すぐに敏感に反応した匠の口から小さな嬌声が漏れる。 「……や……あっ……!」 「ただ犯すだけでは意味が無い。お前にとっても、それではただの褒美にしかならないしな……」 淡々とした声なのに、匠には冷た過ぎて鳥肌が止まらない。心臓を凍らせる勢い。必死に手で押し返すが、遙にはまるで羽のようにしか感じられない。 「好き……好きだから……やめて……」 遙の動きが一瞬止まる。しかし、その瞳は嬉しそうに細められ、次の瞬間には更に執拗に布越しで弄る。 「……便利だな、それ。お前にとっては、魔法の言葉か?」 「……っ、ひあ……っ、や、やぁ……っ」 声が溢れ、涙が零れる。首筋を噛まれ、痛みに顔を歪める事しか出来ない。 「今夜は、口で奉仕して貰う……」 「……っ、いや……っ!」 「……お前に拒否権が有ると思うのか?」 遙の声が甘く、そして残酷に響く。耳元で何度も「頑張れ」と囁かれ、匠の視界は涙で歪む。 「……やだ……むり……」 「俺の質問には何も答えないくせに、否定の言葉ばかり言う、そんな口は……塞いでやる」 不意に、黒のスラックスのジッパーを引き下ろす音が重く響く。灼けるような熱を露わにした遙は、恐怖に震える匠の頭を乱暴に掴んだ。抵抗する暇も与えず、強引に口をこじ開ける。 「んぐぅっ……っ、ぐぶっ……!んんっ……っ!」 いきなり喉奥まで容赦無く突き込まれ、思考が追い付かない。空気が奪われ、視界が霞む。肩を震わせながら頭を押さえつける手を退かそうとするが、びくともしない。呻きは遙自身に押し潰され、苦痛の声すら上げられない。 「ふふ……苦しいか?しかし良い表情だ……」 遙はそんな匠を愉悦に浸りながら静かに見下ろし、唇の端をゆっくりと吊り上げる。 「……さぁ、奉仕しろ。その減らず口を使ってな」 匠の肩は依然、怯えたように震えている。涙が頬を流れ、ソファの革張りにポタリと落ちる音がやけに響く。 「んっ……んぅ……っ」 息が詰まり、声にならない吐息が鼻から漏れる。遙の大きな陰茎を咥えたままの匠は、どうしていいか分からず、涙で濡れた琥珀色の目で見上げる。 「どうした、早くしろ」 遙の手が、ゆっくりと頬を撫でる。指先が汗と涙に濡れた肌を這うたび、匠の身体がビクビクと跳ねた。 「……おい、聞いているのか?」 低い声。その一言に匠の睫毛が震え、ぼやけた視界が遙を捉える。 「んぐっ……ぅ……っ」 「咥えただけで、俺が射精出来る訳が無いだろう」 匠の目が見開かれる。思わず首を振ろうとするが、遙の手が後頭部を押さえつける。 「んっ……んんん……!」 「俺は口を使えと言ったんだ。歯は立てず、舌も使え。ほら、分かったらさっさと動け」 遙の抗えない命令に、目を固く閉じる。意を決して、熱で膨張した棒を口の中から舌を這わせ、不器用に動かし始めた。小さく掠れた息を漏らす遙に、匠の背筋には電流のような震えが走る。 「……んっ……んぐ……ぅ」 「っ……少々もどかしいが、まぁ良い。続けろ」 匠の頭から手を離し、懸命に奉仕する様を見つめる。喉の奥で声が溶け、じわりじわりと迫り上がる快感。 「……っ、んっ……んん……っ」 「口淫は初めてか……それなら仕方ないな。これを機に、学ぶと良い」 低音の声が、熱い脈動と共に匠の耳に注がれる。逃げ場の無い支配が、何度も何度も尊厳を削ぎ落とす。 「……っ、いや……もう、あごが……っ」 「誰が止めて良いと言った?勝手に喋るな、お前が今すべき事は、俺への奉仕だろう」 遙の指が震える顎を固定し、喉奥を責める。苦痛の波が止まらず、匠の瞳からは新たな涙が溢れ出した。 「んぐっ……っ、んんんっ……!ぐっ……んむぅ……っ!」 「……もう良い、俺が動く。お前はただ、喉を締めて俺を悦ばせろ」 囁きと同時に、再び匠の頭を力強く掴み、呻き声ごと深く打ち込む。 「んっ……ぅ……っ、ぅぐ……っ!んっ……!」 「良いか。幾らお前が可愛くても、あんなやり方では埒が明かん。もっと激しくしないと俺は満足しない」 遙の口角が、また上がっていく。茶色の髪を撫でる指の動きすら、優しさではなく支配の証。 「……っ、んんっ……んーっ!」 「ふふ……躾の前に、先ずは口淫のやり方を教えた方が良い様だな……」 「んぐ……っ、ん……んぅ……っ!」 「一回出すぞ、全部受け止めろ。決して一滴も零すな……」 最後の突き上げが、全てを破壊するように深く、重く沈む。匠の背中が弓のように反り、声が喉奥で千切れる。 「んんんーっ!!んっ、んぐ……っ!!」 遙の白い欲が、匠の口内に吐き出された。口を必死に窄め、唇を震わせながら耐える。呼吸は小刻みになり、胸が波打ち、涙に濡れた睫毛が影を落とす。 「……良い子だ。なら、次はその精液を良く噛んでみろ。ゆっくりと味わえ」 遙は、そっと匠を解放すると額に口付けし、耳元で甘く囁いた。その言葉は狂おしいほど残酷。 「……んぐっ、ぅ……んっ……」 何とも言えない生臭さと、吐き気を催す味が匠の口の中を満たす。とても咀嚼する事が出来ない。かといって、飲み込むのも躊躇う。 「……どうした。出来ないのか」 遙の低い音が耳元に落ちる。その声に混じるのは、冷えた怒りの気配。 「いや、出来なくてもやれ。零したり、吐き出したらまたもう一度だ」 表情は笑っているが、恐ろしく冷徹な視線。 「……んっ、んむっ……!」 首を振ろうとする匠の顎を、遙の手が強く掴む。痛みと共に視線を無理やり合わせられた。 「咀嚼して飲み込め。早くしろ」 「……っ、や……あ……っ……!」 えずきながら噛む。吐き出してしまいたいと思いながら目を閉じ、ひたすら口を動かした。しかし、その必死の努力は遙には届かない。 「美味いか?ふふ……可愛いな、匠」 そんな匠を見て、遙は嘲笑う。この男に慈悲は無い。有るのは支配欲、執着心、独占欲。 「良し、もう飲み込んで良いぞ……」 すると突然、匠から喉を裂くような悲鳴と、口の中の液体が迸る。 「……っ、うぇっ……あ……っ、うぅ……っ!」 「……何だ、吐いてしまったのか」 低く、冷酷な声が頭を支配する。涙が滲み、視界が白く霞んでいく。 「あっ……や……ご、ごめんなさ……うえぇっ……!」 「……そうか。残念だ」 言葉を吐き捨てるように呟く。匠は下を向き、身体を揺らしながら白濁の液を嘔吐する。苦しそうに喘ぐ姿に、遙は妖しく微笑んだ。 「や……っ、ご、ごめん……なさい……」 「謝れば許して貰える……そう思っているのか?」 どこまでも冷たい低音。笑顔の遙の青灰の瞳は笑っていなかった。内側では燃え上がるような怒りが渦巻いている。 「……俺も舐められたものだな。さて、もう一度だ」 「いや……もう、いや!!」 「お前の意思など関係無い。ほら、口を開けろ」 再度強く、深く、更に喉を抉る。匠の拒絶は声と共に塞がれ、震える手が虚空を掴む。琥珀色の目から、とめどなく涙が流れ落ち、その一粒一粒を遙は指でゆっくりと掬い取った。 「んっ……んんっ……ぅ……っ!」 「……これは躾だ。愛故の……な」 喉の奥まで押し込まれ、身も心も限界を超える。理性、羞恥、尊厳すら全て、遙の熱で溶けていく。 「……っ、んぶ……んぁ……」 「まだまだ終わらせない。徹底的に躾ける……」 深く支配的な一突きが咽頭を貫く。匠の全てが痙攣し、声にならない喘ぎが部屋に散る。込み上げる嘔気に耐えつつ、遙の為に必死に舌を使う。 「……お前は俺のものだ」 その囁きは優しくもあり、呪いのように重く響いた。

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