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『明日空いてる?』 『ごめんバイトあって』 『明後日は?』 『少しの間試験勉強で遊べないんだ、ごめん晶』 『わかった!試験勉強無理しない程度にがんばれ!』 「ありがとう、と…」 文字を打って、再びベッドに転がる。あの日以来晶には会っていない。お金は返さなきゃならないからいつかは会わなきゃなんだけど、今は彼と会う気は起こらなかった。 確かに俺はベータにしては小柄で、でもそれなりに普通体系のはず。もし貧相だと思われているなら翔のようばアルファと付き合えばいいし、太っていて醜いから気に入らないならオメガと話せばいい。そもそも俺のことが気に入らないなら関わらなければいい話だ。なぜ晶は俺と付き合うのか。…こんな奴とでも付き合える俺はすごい、と思われたい?いや、晶はそんな人物じゃないとここ数ヶ月付き合っていて知っていた。 以前ヒロさんと会ったとき、晶はベータたらしと言っていた。それとなにか関係があるのだろうか。たとえば、俺のことが好きだから誰にも会わせない、とか…。 「いや、ないない」 俺のどこに好かれる要素があるというのだろう。自分で言うのもあれだけど、俺はベータにしては小柄で…と、また同じ思考に戻って行く。 ため息をついて、暇をつぶすために携帯を取り出した。俺、晶がいないと遊ぶ時間ことすらないんだなと若干落ち込み…こんなことではいけない!と優をブロックしてから使っていなかったマッチングアプリを開いた。すると一件の通知が来ていたことに気づく。 『初めまして。プロフィール見させていただきました。僕もベータでお互い気の合う部分があるなと思いメッセージさせていただきました。予定を合わせて会いませんか』 この時俺は晶の謎行動に頭を悩ませていて疲れていたんだ。だからよく知りもしない、まともにメッセージをしたことのない相手と会おうと言ってしまったんだと思う。 相手はサチと言い、会社員をしているらしい。明日の夕方飲みに行こうと言われ、優のことがあったのに俺は警戒もせず返信してしまった。 次の日、俺は晶に勉強で会えないと言ってしまったのにマッチングアプリの相手とは会うという罪悪感に苛まれながら待ち合わせの公園に立った。どうしたって晶のことを考えてしまう。晶とばかり遊んでいるからだめなんだ。今回の相手ともしだめだったとしても友達にはなれないかと聞いてみよう。もしそれもだめそうならアプリでほかの人に声をかけてみて…。 時計をちらりと見る。相手は少し遅れているようで、待ち合わせ時間から二十分ほど経っていた。どうしたんだろう、そう思ってアプリを開いた時だった。 「!?」 携帯を持っていた手を捻りあげられた。

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