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第19話

やってしまった。ことの重大さはよくわかっているつもりだ。 俺は下半身にだけ衣服を身につけ、ベッドに横たわる雪を眺める。雪は顔を少し赤めながら、しかしゆっくりと呼吸し眠りについていた。 どうすればよかったんだろう。突然発情期になった雪を冷たくあしらって家から追い出せばよかったのか、それともこうして抱いてやるのが正しかったのか。 俺は頭の整理がつかないまま、自室をそっと出る。 「っ、」 テレビがついていて、その前にぼーっとそれを見ている悠がいた。リビングが真っ暗なせいでその異質さは際立ち俺は思わず息を呑む。 「晶」 俺に気づいたのか、悠が俺の名前を呼ぶ。でも目線はテレビに釘付けなままだった。 「悠…」 「お疲れ様。どうだった?」 「どうって、なに…」 「俺に言わせるの?なにしてたかくらい声聞いてればわかるよ」 ボソボソと喋る悠の表情は、ここからではわからない。でもきっと、おそらく、酷い表情をしているのはわかった。だから俺は、どう弁ぱくすればいいのかも思いつかないまま悠に手を伸ばした。 瞬間、弾かれる手。 「触るな!」 悠が立ち上がりながらこちらを見る。 泣き腫らした目元、荒い息。 俺を睨むその瞳は、今まで見たことがない。 「俺は、アルファもオメガも大嫌いだ!!」

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