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Aria of Echoes 48
このΩが自分の体の下にいるのならどうでも良かった。
自分の匂いを纏い、自分の匂いで発情し、自分の匂いで絶頂する。
自分に向けてとろけるような瞳を向けるなら、凪は全てのことがくだらないと思った。
「まだ、挿れてもないのに?」
「ぅん……なぁくんの匂い、が、いっぱいで、溺れそう」
そういう汐音はかき集めた凪の身につけていたものにしがみついて正気を失っているように見えた。
熱に浮かされて揺れる瞳は凪を見ているようで焦点が合わず、ふらりふらりとフェロモンを追いかけているように惑う。
「オレの匂い、好き?」
「んっ」
普段は凪よりも一回り年上だと気にしている汐音が、小さな子供のようにこくりと頷く姿に、凪は仄暗い笑みを零しながら胸を満たす感覚に酔いしれる。
「オレも汐音の匂い好き」
「ンぁっ」
ぶる と体が震え、ぐっしょり濡れた汐音の股間が跳ねる。
「今、イッた?」
「わか……んな、でも、なぁくんに好きって言われると、いつだっていっぱい感じちゃう、よ?」
吐き出した精液でドロドロと濡れた下着を握りしめ、汐音は恥ずかしそうに秘密を告げた。
「体、おかしくなってるなって……思うもん。こんなふうに、ずっとムラムラしてて……」
自分自身の体の変化に気持ちがついていかないと、汐音は涙を滲ませながら訴える。その縋るような姿が愛おしくて、凪は思わず力の限り細い体を抱きしめた。
腕の中で嬌声が上がり、ひくりと体が跳ねる。
「っ、ぁ、っ!」
「また?」
「ぅ……意地悪」
息がかかる距離でヒソヒソと、潜める必要もないのに潜めながら言葉を交わす。
まるでこれが悪戯をしていて見つかったらまずいのだというような行動に、お互いくすくすと笑い合う。
「誰に遠慮してるの?」
「わかんね」
「んふふ……じゃあ、遠慮いらないなら、ね?」
ぐっしょりと濡れた下着を脱ぎさり、汐音はすらりとした足を凪に絡めるように動かす。扇情的なその動きは、普段の汐音ならばしないような動きで……
「えっろ」
「ン……なんだか最近、すごくエッチな気分になる……なぁくんのせいだ」
「ちがっ……それは……」
「ヒートが来るからかも? いつもならもう来てるはずなんだけど……」
僕はずれないタチなんだけど と呟く汐音の言葉に、凪は自分がここに駆け込んできた理由を思い出す……けれど、艶かしくすり寄せられる汐音の腰に、中止の言葉を紡げないまま口を閉じる。
理性を焼き切りそうなほどの発情を示すフェロモンの香り。
それに抗う術など凪は持っていなかった。
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