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48.ぬくもりに触れる夜
ジェイスがラスヴァンに抱きついたあと、ラスヴァンはずっとジェイスを襲わないように耐えていた。その姿は、微動だにしない木彫りのトーテムポール。
しかし、それも限界だった。
褐色の何かが温泉の湯面にちらつく。
「あれ?何か浮いてる?…お風呂の栓、抜けちゃったかな?」
ラスヴァンの目がかっぴらく!
「だめだ、ジェイス!さわったら爆発するぞ!」
「ば、爆発!??」
「分かり合えて嬉しかった…ジェイス…ここはオレが食い止める。早く風呂から出るんだ!」
「でも、でもぉ、ラスヴァンがぁ…!!」
「いいから、早く行くんだ!髪はちゃんと拭いて、湯冷めに気をつけるんだぞ!」
「わ、わかった…じゃあ、先に行くね…」
ジェイスはラスヴァンの気持ちを汲んで、湯で染まった桃色のおしりをぷるぷる揺らしながら、お風呂から出る。
「あ……ジェイス」
「え、なに?」
ジェイスがバスタオルで身体を隠して振り返る。
「一緒に寝たいから、布団温めといてくれ……」
「……うん」
ジェイスはやはりぷるぷるさせながら、風呂場を出た。
そしてラスヴァンは、自分の心と向き合い、ぶるん棒を振るった。
―――
戦いはやや長引いたが、無事に終わった。
ラスヴァンはふらつきながらジェイスの元へと辿り着くと、
「すー…すー……」
ジェイスはお布団の中ですっかり寝息を立てていた。
「色々あったから疲れたよな…」
ジェイスの体温で温まった布団に潜り込もうとするが、寝相の悪さで速攻蹴り出される。
「ぬおおーーここで引いてなるものかっ!!」
蹴りが出ていたジェイスの足を自分の足で押さえ込み、これ以上寝相が暴れないよう上半身を腕で抱きしめ、ラスヴァンは少し息切れしながら布団に入り込むことに成功した。
「……ぁ、らしゅ、ばん…?……おれぇ……」
ラスヴァンに気づき、とろんとした目をして、一生懸命起きようとするジェイス。
ラスヴァンは瞼に軽くキスをして、
「おやすみ、また明日話そう」
ジェイスのぷにぷにほっぺに頬ずりした。
「…ぅん、おやしゅみぃ……だいしゅきぃ…」
ジェイスは安心したように眠った。
そしてラスヴァンも―――
「ああ…俺も大好きだよ」
優しく微笑んで瞼を閉じた。
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