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第3話*

「んぁっ・・・ふぁあ・・・っ」 「璃都(りと)、眠かったら寝ちゃってもいいからね。璃都が眠っても、朝までずっと愛してあげるから、安心して?」 「んっ・・・ぅ・・・ぅあ"・・・っ!」 朝まで、ずっと? それ、俺死ぬじゃん・・・。 でも・・・。 「んぅっ・・・ぃい、シて・・・ちゃんと、起きてぅ・・・からぁ・・・っ」 「ほんと?起きてられる?」 「がっこ・・・でぇ・・・ひぁっ・・・んっ・・・ねたぁ・・・ぁうっ」 「勉強大好きな璃都が学校で居眠りしたの?イオに動画撮らせれば良かったな・・・っ」 「ぁあんっ!」 俺だって、まさか講義中に居眠りするなんて思わなかったよ。 ニクスにカイが出張行ってる事話してたから、気を遣ってそっとしといてくれて・・・。 俺、ニクスにもカイがいないとダメなやつって知られたのかも・・・。 「ひぅ・・・っ、も、や・・・そこ、やら・・・っ」 「どうして?子宮犯されるの好きでしょ?ずっとイきっぱなしだし」 だからやだって言ってんの! 奥とんとんすんなっ! 「ぃき・・・ぱ・・・つら・・・ぃい"っ!」 ぐぽ・・・っと1番弱いトコを犯されて、つま先にぎゅっと力が入る。 「ナカ痙攣すご・・・っ」 「・・・あ"───っ!」 カイが俺の肩にがぶっと噛み付いて、奥に熱を叩き付けられた。 お腹、熱い・・・きもち・・・。 「カイ・・・かぃ・・・っ」 「ちゅーする?舌もっと出して?そう、上手」 俺、本当に、カイに身体作り変えられたのかな。 1年前なら、もおやだ抜いてって泣いてたのに。 「いて・・・ずっと、ナカに・・・いてぇ」 「もちろんそのつもりだよ。朝まで抜かないからね。朝になって怒っても、謝らないよ?」 「おこ・・・ないっ・・・すき・・・カイ、好きぃっ」 「可愛い・・・っ」 俺はわかってなかった。 気持ちがどんなに昂っていても、感情のまま求めちゃいけないって事を。 ─────── 「あ、おはよー・・・って、ちょりと死んでない?」 「璃都が死んだら俺も死んでる」 「そっか、ならまだ生きてるな」 りっくん、俺、ほんとに生きてる? 指1本動かせない状態なんだけど? 11時過ぎに起きて、()れっぱなしにされてたカイの抜いてもらって、身体はがくがく。 ざっとシャワー浴びせられて、1階に下りて来た。 「玲央(れお)と一緒にソファ(そっち)座らせとけよ。カイザル(お前)はこっち手伝え」 「ああ」 ダイニングに置いてあるソファにそっと下ろされ、ちゅっと額にキスされて、俺はぐったりしながら隣に座ってる玲央を(うかが)う。 ・・・え、こっちも瀕死じゃん。 「玲央・・・はよ・・・」 「・・・はょ」 「生きてる・・・?」 「・・・死んでる」 いつもなら笑うとこだけど、その気力も残ってないや。 キッチンの方を見ると、スパダリオオカミ獣人たちが手際良くブランチ作ってる。 ・・・なんでそんな元気なんだよ。 「昨日はごめん、迷惑かけて」 「義従弟(おとうと)の面倒見るくらい、迷惑でもなんでもねぇよ。これに懲りたらその甘えベタを直せ」 「はい・・・」 お義従兄(にい)ちゃんと並んでぐったりしてたら、ダイニングテーブルに食事を並べ終えた旦那たちが迎えに来た。 抱っこされ、俺も玲央もダイニングチェアに座った番の膝上に座る。 ブランチはプレーンワッフル、ポテトとベーコンのチーズオムレツ、オニオンスープ。 カイがオムレツを俺に食べさせ、咀嚼してる隙にワッフルのトッピングをする。 今の俺の気分はたっぷりの生クリームとチョコソースだ。 「チョコがいいかな。あ、生クリームも欲しそう」 なぜわかる? 目配せもしなかったはずなのに。 「玲央の気分はバナナと蜂蜜・・・あ、キャラメルソースの方か」 あ、りっくんもわかるんだ。 番って凄いな。 いや、ハイイロオオカミ獣人が凄いのか? 消耗が激しいのか、玲央が悪態もつかず大人しくもぐもぐしてる。 ・・・なんか可愛いな。 「璃都、俺の事だけ見て?」 「んぐっ」 顎を掴まれ、カイの方を向かされる。 嫉妬オオカミめ・・・。 「お義従兄(にい)ちゃんの元気がないから心配してただけ」 「そっか、優しいね。でもまだそんな余裕があったなら、昨夜(ゆうべ)もっと虐めても良かったかな」 「無理!ほんとに死んじゃう!ごめんなさいむりっ!!」 「ふふ」 笑ってるし・・・。 「あ、その状態ならホテルから脱走する心配もないんじゃない?」 「・・・その手もアリだな」 「ないっ!」 こっちのお義従兄(にい)ちゃんはろくな事言わないな。 ブランチ食べて少しゆっくりしてから、ローが迎えに来てりっくんと玲央は帰って行った。 因みにローはシグマんとこ泊まってたらしい。 ローにも余計な世話かけさせちゃったな・・・。 玄関で2人を見送って、俺たちは2階に移った。 書斎に行って、居眠りした講義の復習をしようとしたら、カイに捕まってリビングへ。 「遊ぼ」 「・・・いーよ。なにして?」 「璃都吸い」 「俺吸われてるだけで遊べないんだが?」 「俺の耳を貸してあげる」 ソファに横になり、俺の胸元に顔を(うず)めるカイ。 なにが楽しいんだか・・・まあ、オオカ耳もふるのは楽しいけど。 オオカ耳もふったり、さらさらの髪を撫でたりしながら、ぼんやりと考える。 出張の途中で無理やり帰ってきちゃって、仕事ちゃんと終わってなかったらどうしよう。 カイはCEOで、責任ある立場なのに、俺のせいで・・・。 「璃都、オオカ耳に集中できてないみたいだけど、どうしたの?」 「・・・ぇ?・・・ぃや」 ぐるぐる考えてるの、気付かれた。 やめよう、カイがわざわざ帰ってきてくれたのに。 「なんでもな・・・」 「くないよね?また不安になっちゃった?俺がいるのに」 「な・・・っ」 なんでわかるんだよぉ。 カイが俺を抱き上げてソファに座った。 俺は向かい合わせで膝上に。 「もう1回聞くよ?どうしたの?」 これは・・・観念して考えてた事言った方が良さそうだな。 「・・・その・・・俺のせいで・・・仕事の邪魔しちゃって・・・迷惑かけ・・・」 「さてここで問題です」 「・・・はい?」 なんで急に問題? カイは穏やかな笑顔で、冗談を言ってるのか怒ってるのか、よくわからない。 「俺は今まで何回、璃都が邪魔だなんて言ったでしょう?」 え・・・。 そんなの、問題になってない・・・。 「・・・ぃ、1回も、言って、ない」 「正解」 ちゅ、と唇に優しいキス。 もう・・・なんなの、このスパダリオオカミ。 胸がきゅってなって、苦しくて、カイに抱き付いた。 「俺の旦那が優しい・・・」 「俺の奥さんは可愛い」 よしよしと、頭を撫でられる。 あー、だめだ、俺ほんとに・・・。 「ダメ人間になっちゃった・・・」 「まだ足りないかな」 「・・・えっ?」 分離不安起こして仕事の途中で帰って来させたのに? これ以上どうダメになれと? 「一晩、服なんかで我慢したりしないで、すぐ呼んでくれなきゃ」 「あっ・・・あれは、もう、忘れて・・・」 ほんと、あの時の俺はどうかしてた。 なんであんな事したんだ・・・。 「ねえ、俺が脱いでった服でナニしてたの?」 一昨日の夜、隠しておいたカイの部屋着やスーツやコートをベッドに持ち込んで・・・。 「べっ・・・つに、なにも・・・」 「匂い嗅いでた?」 「んな・・・っ!」 ねえ、寝室に監視カメラとかないよね? 庭だけだよね? 「嗅いでただけじゃなさそう・・・着てた?」 「・・・っ!」 頼むから、その先は言わないでくれ。 言ったらマジで寝室にカメラがないか真剣に探す! 「ここ、触った?」 「触ってないっ!」 俺の急所を撫でたカイに、正直に答えた。 ソコは触ってない。 良かった、寝室に監視カメラはないみたいだ。 さすがの変態オオカミもそこまでしないよな。 「ああ、そうか、こっちか。璃都はお尻じゃなきゃイけないんだったね」 「ひうっ!?」 カイが両手で俺のお尻を掴んだ。 ・・・監視カメラじゃない、単にこのオオカミの勘がいいだけだ。 動揺するな俺、落ち着いて・・・。 「そんな事してません」 「璃都はわかりやすくて可愛いな」 「シてないってば!汚しちゃうじゃん!我慢し・・・ちが、そうじゃなくて・・・っ」 「ふはっ」 結局俺は、カイの部屋着着てベッドの上で悶々としながら参考書読んでました、と白状させられる事になった。

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