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番外編:猫※※
【R18】※激甘注意。読み切り、パラレル。
――
それは突然起きた。
「片桐君大変っ!」
俺は寝室のドアを開けて、リビングにいる片桐君の元まで走った。
「どうしたんですか、星七さん」
キッチンテーブルの席につき、コーヒーを片手にする片桐君が振り向く。
「それが……朝起きたら、猫耳みたいなのが生えてて」
俺は頭に生えているフワフワとした感触の耳を触りながら言う。
「それに…お尻の上辺りに猫の尻尾みたいなものまで生えてて」
軽く体を捩らせて尻尾を見せると、片桐君にじっと見つめられる視線を感じて、わずかに顔を赤らめる。
「……どうしよう」
そっと目線を上げると、片桐君が固まったままこちらを見ていた。
「片桐君?」
声をかけると、我に返ったように片桐君が俺を見る。
「ああ…。えっと、どうしたんですかね。これは」
片桐君が俺の傍へ近寄り、片手でそっと猫耳に触れる。
瞬間、ビクッと思わず体が揺れた。
また片桐君が固まって俺を見つめている。
「あ…なんか触られると、くすぐったいっていうか、勝手に体が反応しちゃって」
「…」
「俺もよく、分からないんだけど」
すると、黙り込む片桐君が俺の尻尾に触れる。
「ひゃっ」
すぐに声を出して過敏に反応すると、
「…俺にも何が起きてるのか、今よく理解できてないんですけど」
言いながら、片桐君がおもむろに俺の尻尾を掴む手に力を込める。
!?
「いたっ…」
迫ってくる影に気付き、俺は恐る恐る顔を上げる。
「とりあえず、1回襲ってもいいですか」
爛々とした片桐君の目つきに気付き、猫耳と尻尾の毛が逆立つほどの恐怖を覚えた。
***
「ふう。これでひとまず冷静になれそうです」
ベッドに腰掛け涼し気な顔で言う片桐君の後ろで、俺はお尻を上げた体勢のまま、ナカから溢れ出てくる感触にビクビクと体を震わせる。
し…死ぬかと思った………
「ネットで調べてみても、突然猫耳が生えたなんて情報は載ってませんね」
片桐君がスマホをつつきながら言う。
「不思議ですね。そもそも、ありえないんですけどね」
くたりとベッドに横たわる俺の尻尾に、片桐君の手が触れる。
「ひっ… か、片桐くん、変な触り方しないでって」
「変?尻尾をただ触ってるだけです」
片手でアソコを擦るような動きで触ってくる片桐君の手つきに、言い様のないゾクゾクとした感覚が押し寄せてくる。
「クス。星七さん、また挿れて欲しそうな顔してる」
片桐君に顔を覗き込まれる。
突然尻尾をぐっと掴んで引っ張られ、堪らず悲鳴のような声が出る。
涙を流して片桐君を見上げると、ちゅ、ちゅ、と顔にキスをされた。
「動物虐待みたいで最初ちょっと戸惑ったんですけど…耳と尻尾生えてるだけで体は前と同じみたいだし、多分酷いことしても大丈夫そうです」
俺は全裸でベッドに倒れ込んだまま、意地悪げに微笑む片桐君を様子を伺うように見上げる。
「そんなに怯えなくても大丈夫ですよ。星七さん、起きて」
片桐君に言われるまま、ゆっくりと体勢を起こす。
「ただのカチューシャかと思ったけど、本当に生えてるんですもんね」
猫耳を指でぐりぐりと弄られて、思わず片桐君の胸に体をもたれる。
「どうしたんですか?」
頭上から聞こえる優しい声だけで、体がおかしくなる気がした。
「…変な声、出そうで」
「出せばいいじゃないですか。星七さんいつも我慢してますよね」
う…だって、恥ずかしいんだよ……声出すの。
「星七さん……あの」
片桐君の体に身を預けていると、ふと声をかけられて顔を上げる。
見上げた先にある、どこかうずうずとした表情の片桐君に気付き、困惑した面持ちでいると――猫耳をがぶりと噛み付かれた。
「ひっ」
微かな痛みにビクリとして、途端に尻尾がぴんっと張る。
片桐君が猫耳を甘噛みしながら、緊張状態の俺の尻尾をガシッと掴む。
「ぁぁ…片桐君…」
やめて、の意味で声をかけるが、片桐君は俺を胸に抱いたまま、尻尾の根元あたりを手で掴んで上下に擦り出す。
途端に這い上がってくる快感に、口元がかくかくと震え出す。
「気持ちいい?」
片桐君に聞かれ、それだけで体がビクンッと揺れる。
「顔上げて」
言われるままそっと顔を上げると、読み取れない表情をした片桐君に見つめられ、キスをされる。
「星七さん、ここすごく立ってますよ」
唇をはなすと、片桐君が抱きつく俺の体を少し離して、俺の膨らむ胸の突起を見る。
指で軽く弄られた後、ちゅうっと片桐君に口に含まれて吸われ、体が反りすぎるほどに仰け反った。
はぁはぁと赤い顔で息をしていると、既に掴まれていた尻尾に加えて、アソコも掴まれた。
「手が足らない」
楽しげな様子の片桐君に、胸の突起やアソコを弄られて、いつの間にか絶頂を迎える。
息絶え絶えになる体を片桐君に後ろ向きにされ、腰を持ち上げられる。
後ろに軽く指が数本抜き差しされた直後、ずぶっと彼のモノが挿れられた。
「あっっ」
了承の許可なく、激しく奥まで突かれ、意識が飛び飛びになる。
時折猫耳を噛み付かれながら、片桐君の下でだらしなく涎を垂れ流す。
やがて、奥に熱いものが注ぎ込まれると、彼のモノが抜かれた。
ふぅふぅとベッドに顔を付けて息をしていると、猫耳の生えた頭を片桐君に軽く撫でられる。
「まだして欲しいです?」
俺を見下ろす、穏やな笑顔を浮かべた片桐君を見つめ、
「い、いいです……」
そう伝えたつもりが。
なぜか片桐君の手に体を起こされ、そのまま日が暮れるまで抱き潰される俺だった。
***
「あれ?星七さん」
ベッドに裸の体を起こし、ぜぇはぁとひとり肩で息をしていると、息ひとつ乱していない片桐君が、まるで何事もなかったかのように話しかけてくる。
「猫耳と尻尾なくなってますね」
「えっ」
片桐君の言葉を確認するように、頭と後ろに触れてみる。
「ほんとだ…」
呟くと、端正な顔に悪い笑みを浮かべた片桐君が俺を見てくる。
「もしかして、“ヤリまくったら消えるのが条件”だったりして」
え、えぇ……。
それからしばらくの間。
猫耳が気に入ったのか、片桐君に猫耳をつけられて襲われる日が、連日続くのであった。
終。
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