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番外編:媚薬1※

【R18】 ―― 「星七さん、“欲しい?”」 期待を含んだ表情で、片桐君が見下ろしてくる。 「うぅ…」 俺はぬるぬるとした液体をほぼ全身に纏いながら、体を火照らせ、片桐君を懇願するように見つめていた。 *** 「星七さん、媚薬使ったことありますか」 夕飯を食べたあと、片桐君がソファに長い足を組んで腰掛けながら言う。 び、媚薬? 「えっと…逆に俺が使ったことあると思う?」 食器を流しに置きながら、片眉を寄せて聞き返す。 片桐君って、突然変なことを言うな…と思いながら、スポンジを手に取って泡を立てる。 「すごく気持ちいいらしいですよ」 ソファから立ち上がった片桐君が、カウンター越しにこちらへ歩み寄り、話を続けてくる。 ちらっと目線を上げた先にある、口角を軽く上げて笑う彼は、テレビに映る誰よりも整った魅惑的な顔をしていて、思わずため息をつきたくなるほど。 「そうなんだ。俺、あんまりよく分からないや」 「興味無いんですか」 「うーん…。何となく、ファンタジーの世界のイメージがある」 非現実的な単語というか。 媚薬か…。 本当によく知らないな。そもそも実在するんだろうか、てレベルで。 そんなことより、 「片桐君、明日も朝早いんでしょ?早くお風呂に入って寝る準備した方がいいよ」 時計をちらりと見ながら言うと、目の前に立つ片桐君は何やら不満そう。 「洗い物なんて放っておいていいって言ってるのに」 「ううん。これくらいはさせてよ」 「俺が一緒に住みたいって言い出したんだし、気にしないでください。それに星七さん、朝の送迎も帰りの迎えも嫌がるし」 「…それは当然だから」 片桐君みたいな人に送られてるってバレたら、後々面倒くさいことになるのは目に見えている…。 片桐君は不服そうな顔つきをして、俺のそばから立ち去っていく。 彼の不機嫌になるポイントって、普通の人よりズレていると感じてしまうのは、俺だけなのか…? あんなにカッコいい見た目してるのに、ちょっと他の人の話しただけですぐ機嫌損ねるし…(しかもキレたら別人級に怖いし)。 …片桐君って、分からない。 *** あれから。 寝る準備をして寝室に向かった俺は、片桐君にいつものように襲われていた。 部屋の灯りは落とされ、カーテンの隙間から月の光だけが差し込んでいる。 「ぁっ……かたぎりくん」 ベッドの上に膝立ちをした体勢で、後ろから片桐君に乳首を弄られ、俺は口を開けて身を震わせる。 「ちゃんと服手で上げて、落ちてきてる」 言われるまま、手で服を捲りあげながら、片桐君の手に胸の突起を自由に弄ばれる。 下は、足首の辺りまで中途半端にズボンとパンツを下ろした状態になっている。 つまり、ほぼ裸だ。 「星七さん、そのままですよ」 ふいに片桐君がそう言って、一度手を離す。 なんだ…?と思いながら待っていると、すぐに後ろから再び片桐君の両手が胸元に触れる。 その瞬間、 「―ひっ…」 ヒヤリとしたジェルのような感触が肌に当たって、思わず体がビクついた。 なんか、すごいぬるぬるしてる…。ローション…? 「気持ちいい?」 背後から、肩に顎を乗せて訊ねられる。 「気持ちいいって言うか、冷たくて……―って!あっ……、まっ…まって片桐君、それは」 ぬるりとした片桐君の手が、続けざま、そそり立つ俺のモノを優しく握り動く。 「気持ちいいですか?」 彼に同じ質問をされる。 片桐君に胸の突起とアソコを同時に触られて、俺は何やら、体が熱く疼くような感覚がした。 いつも気持ちいいけど、今日はなんか、それ以上に感じてるというか、気を抜くと大きな声が出そうな…… 「っあっぁ」 やばい。 頑張って声抑えてるのに、勝手に漏れ出てる… 「星七さん、腰震えてますよ」 片桐君にアソコを握って扱かれ、あっという間に絶頂へと達する。 「――…っっあ…っ」 強過ぎる快感に真っ赤になって口元を震わせていると、「服全部脱いで」と言われる。 言われたとおりに服を全て脱ぐと、片桐君にベッドの上に押し倒される。 「実は、これ媚薬なんですよ」 上から俺を艶めいた表情で見つめながら、片桐君が手に小さな瓶のようなものを持って言う。 え……びや……く……? 「星七さん、ファンタジーじゃないんですよ。今星七さんが実体験してる最中なんです」 そう言うと、片桐君は悪戯っぽく笑い、俺の体に瓶ごと傾ける。 とろっとしたジェルが体に流れ落ちてきて、俺は冷たいそれに過敏に反応する。 「かっ片桐くんっ」 ひんやりとした透明の液体を、乳首だけでなく腹部の辺りにまで広げてくる片桐君に、俺は赤面しながら声を上げる。 「大丈夫ですよ、体に害はありません。ちょっと気持ちよくなるだけです」 縋るように見つめた先で、片桐君がにこ、とえっちな時に見せる笑顔を浮かべて俺を見る。 そのうち、アソコにもとろりとかけられ、片桐君の手に握られながらたっぷりと塗りたくられる。 イったばかりのモノがあつい熱を持って立ち上がる感覚に恐怖する。 「ぁあっっ かたぎりく、や、やめて」 思わずシーツを強く握りながら怯えた目をして言うと。 「星七さん、すごく可愛い」 媚薬を塗りたくられた俺を見つめ、嬉々とした顔を見せる片桐君。 「俺も使うの初めてで」 「…え」 初めて…? 「だけど、こんなに感じるものなんですね」 片桐君にじっと見つめられる視線にどきん、と胸が鳴る。 …初めて、なんだ。 ……嬉しい。 「す、好きにしていいよ」 怖いけど…。どうなるのか分からなくて、怖すぎるけど…! そっと目線を上にあげると、 「やりぃ」 そこには、意地悪げに傲慢に口角を上げる片桐君がいた。

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