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番外編:もしもの話※※

※片桐君がクズニートになったらの話。 【R18】 仕事を終えて、俺はスーパーへと急ぐ。 (えっと…今日何買って帰ったらいいんだっけ、ていうか何作ろう…) 素早く買い物を終えると、今度はマンションまでの道のりを急いだ。 「た、ただいま」 ぜえはあと肩で息をしながらマンションの玄関に辿り着くと、彼が壁に体をもたれながら腕組みをしてこちらを見ている。 「――遅い」 「ごめん片桐君」 超特急でカレーを作って、皿に軽いサラダも盛りつける。 夕飯を食べ終わったあとは、お風呂の準備、洗濯物の取り込み、洗い物。 ようやく全てが終わり、スーツ姿のまま、へとへとになってリビングのカーペットに身を横たえた。 最早屍のような状態だ。 何とか体を起こしてお風呂に入り、寝る準備をして寝室に向かうと。 ――今度は、彼を満足させられるまで体を自由に弄ばれる。 後ろに、何度も彼のモノが出入りして、足がぷるぷると震える。 「ぁっ片桐くん…っ はぁ、はぁ…もうそろそろ、俺…」 ベッドを背にしながら、時計をちらりと見て言うと、ナカに容赦なく突き立てられる。 「っっあ」 毎晩何時間もしているせいで、お尻の奥がおかしくなってしまっている気がする。 涙を流して見上げた先に、前髪をセンター分けした、凛々しい眉に鋭い目元が印象的な、大好きな彼の姿が映る。 「意見するのか?俺に」 向けられる鋭い眼光に、体がビクリと萎縮する。 顔が整っている分、真顔が余計に怖い。 「ち…違うよ」 「タメ口?」 「……違います…」 彼のモノを後ろでぎちぎちに咥えながら、声を震わせて言う。 「勘違いするなよ」 「あっぁっ」 「俺は気持ちよくさせてやってるんだから」 彼が前後に激しく腰を動かし、後にナカに熱いものが放たれる。 何度目か分からない感覚に、体は慣れるどころかますます敏感になっていく気がした。 「気持ちいい?」 体勢を変えて、背後から片桐君に覆いかぶさられる。先から根元まで幾度も抜き差しされる彼の感触に、涎を垂らした開きっぱなしの口で、はい…と答える。 「ナカもっと締めてくれる?」 彼の怪訝な声とともに、アソコをぎゅっと掴まれて身が浮く。 繰り返し、体の中で彼のモノが擦れる。 「ナカどろどろ。かき出して」 片桐君に言われるまま、俺はナカの精液を指でかき出す。 「…っん」 自分の指が内側に触れて、体が跳ねる。 溜まった精液をかき出したあと、また彼に腰を掴まれて、後ろから物を扱うように突かれた。 しばらくして――ようやく抜かれる感覚に安堵していると、 「“舐めて綺麗にして”」 後ろから、彼の声がかかる。 振り向くと、膝立ちになった彼の足の間から、まだ収まり切っていない大きなモノが、上に向かってそそり立っている。 俺は四つん這いになって、口を近付ける。 彼の視線を感じて、頬に熱が集まるのを感じながら、丁寧に下から上まで舌で舐めていく。 全て綺麗にし終えると、片桐君にびくびくと震える体を仰向けに押し倒された。 「何でこんなに立ってんの?」 咄嗟に隠そうとする足をグッと掴んで開かれ、目元に生理的な涙が溜まる。 「――答えて」 「い、言えない……」 彼のことを見れずに、赤くさせた顔を俯かせると、 「答えろって言ってんだよ」 不機嫌を露わにした彼の怖い目に見下ろされて、体が震える。 「や、やめて… 怒らないで」 「なら、ちゃんと答えて」 射抜くような瞳に見つめられて、2重の意味で胸がドキドキする。 「…片桐君の……出したものを…舐めて、それで…」 「それで?」 ビク 「それで、……興奮、しました」 涙で濡れた目を瞑って、握った手を震わせながら、最後まで言い切る。 彼の顔が耳傍に近づく気配に、そっと目を開ける。 「ど変態だな」 彼の冷笑するような声に、俺は瞳から涙を零す。 ぼろぼろと泣く俺の姿を見た片桐君が言う。 「俺が嫌なら、別れてやってもいいんだぜ」 「…!」 俺から体を離そうとする彼。 「いやだよ…っ!」 俺は頬に涙を伝わせながら、必死で離れようとする彼を引き止める。 「片桐君の好きに過ごしていいよ!体も…乱暴にされたって俺、文句言わないよっ!他の子よりきっと満足させられるよう、これからも頑張るよ…!」 懸命にそう声を上げると、 「どうしようかな」 口元に手を添えて考えるような仕草をする、わざとらしい片桐君の姿。 俺は後ろを指で左右に押し広げて、彼に目一杯アピールする。 「片桐君……」 両足を左右に開いた体勢で彼を見つめる。 片桐君の目が向けられると、全身がこれでもかと言うほどに火照った。 逃げるように視線を逸らしていると、 「!ぁっっ」 彼の手に太ももを掴まれて、体がベッドに倒れる。 ずぷり、再び彼が入ってくる感覚に、肌の奥が粟立つ。 「気持ちいい」 そのうち、耳に届いた彼の声に、思わずぽっと頬を染める。 ――嬉しい…。 「……かたぎりくんっ」 俺を見下ろす彼を見上げる。 「だいすき。片桐君が、だいすき……」 後ろに彼のモノを咥え込みながら、幸せに満ちた表情で言う。 「俺、明日も仕事頑張るね…!片桐くん、たくさん気持ちよくなってっ」 すき、好き。片桐君がすき。 「片桐くんっっ、だいすき……――!」 「………もう限界」 開いた俺の両足を掴んだまま、片桐君がふいに顔を伏せる。 「え?」 「…星七さんが可愛くて……もうどうにかなりそう」 悩ましげな顔をした片桐君が顔を上げる。 何かに耐えるような、余裕のない表情をした片桐君に、ドキリとする。 「もう、役から降りていい?」 片桐君の手が、そっと俺の頬に触れる。 「もっと…“優しく虐めさせて”」 え…… 優しく…? ちゅ、と片桐君の唇が、俺の唇に寄せられる。 ――その後、役を脱いだ片桐君に、甘い言葉を囁かれながら虐められ続けて、今度は俺が、どうにかなりそうになった。 終。

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