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第2話 挙動不審になるのは俺じゃなくてお前な気がする(side保)

ところが。 ところがだ! 「見ましたよね、保先輩」 「な、何を? お前のシコってるところなら少ーし見たけど、俺のハズイところの方が沢山見られてるから気にすんな!」 そうだ、俺の恥ずかしいところなんて沢山見られてる。 サークルの勧誘席で、新入生だったこいつと対局したらボロ負けしたとか。 ちょっと気になるこいつの女友達に彼氏がいるって知らずに声掛けたら、秒でフラレたとか。 新歓で新入生より先に俺が潰れたとか。 バイト先に遊びに来たこいつに奢ってやるよとか先輩風吹かせたのに財布忘れたとか。 財布忘れたと思ってたら財布無くしてて、金借りた上に探すのまで散々付き合わせたりとか。 とにかく色々、俺のやらかしはこいつに見せている。 だからさっさと視界から消えてやろうとしたのに。 ずいと、無駄にデカい修平の身体が、部屋から退散しようとする俺の行く手を阻んだ。 身体がデカイとちんこもデカイっていうのは本当だった……ってことは、俺の胸に閉まっておくからさ。 頼む、そこを退いてくれ。 「どんな姿だって、保先輩なら可愛いですから問題ないです。それよりも、これです」 「……」 俺の目の前に、修平はズイと自分の手にしていたものを突き付けた。 だから、思わず反応してしまう。 「やめろ、変なもん見せんな」 「変なもん……酷いですね」 修平の若干傷ついたようなニュアンスに、自分が言い方を間違えたことに気付く。 「あ、いや違う。その、形の話じゃなくて……ええと、他人のオナグッズを見たい奴はいないって話で」 「俺は、保先輩のオナグッズに興味あるんで見たいですが」 「……」 俺のお供はいつもスマホと右手だから、そんなものは持っていない。 「いや、何も持ってない」 「じゃあ、使ってみます?」 修平は、視線を反らした俺の目の前に、再びズズイとそれを差し出す。 いやだから! わざと視界に入れるなってば! 「……遠慮しとく」 「裏返せば簡単に綺麗になるんで」 「いや……いいって」 ああ、もう駄目だ。 「手とはまた違って気持ちイイですよ?」 「そういう問題じゃなくて……っっ!!」 俺は半泣きになった。 この後輩、使用しているオナホが何かオカシイって気付かないフリさせてくれない。 だって。 だってだ。 目の前にズズイと差し出されたそれは── 「それ、普通のオナホとは思えないから!!」 なんで! シコるだけのオナホに! 睾丸とちんこがくっついてんだよ!!

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