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第2話 そんなことされても
りぃかは、自分自身のブースを飾り付けると、深い吐息をもらした。
ちらっと周りを見渡すと、違う区画に少しだけ遠くに、だが視界に捕えることは出来る程度にみえる凛斗の姿があった。
恐らく、目が合ったのだろう。
凛斗がわざとらしく、りぃかに手を振ってきた。
ブースと言う場所的にも、無視することができず、軽く会釈する。
その瞬間に、グンッとりぃかの最奥を刺激する振動を感じる。
りぃかは、声が出そうになるのを寸前で唇をかみ締めて止めると、必要以上に丁寧にポップをテーブルに置いて息を飲む。
その間にも振動は強弱を付けて押し上げるように動くのだ。
「嫌だって……。」
「昨日、集中させるって言いましたよね?」
ラブホをチェックアウトする少し前、りぃかは凛斗に後ろから押し倒されたかと思えば、ボトムスをずり下げられていた。
「りぃかの集中力、全部ココに集中させますから。」
りぃかは、凛斗のことをギリギリ目の端で捉えることが出来る程度に、振り返った。
その間も、りぃかは、嫌だやめろ的な言葉を発しているが、凛斗はりぃかのボトムスを太ももまでずらしてしまう。
「ほんっと、作品と違って、悪趣味……凛斗さんは……!」
「作品は褒めていただきありがとうございます。」
後ろ手でに凛斗は、りぃかの腕を固定すると、りぃかの片足を凛斗は足を微かに広げて固定する。
「りぃか、可愛い格好になっちゃいましたね?」
「煩……止めてって優しく言ってるうちにやめろ。」
「ダメですよ……。夜にまたたっぷりグズグズにしてあげますからね?」
その、凛斗の当たり前だと言わんばかりの言い方にはりぃかは目を見開いた。
「俺の仕事分かってるでしょ?」
「うん。敏腕恋愛専門占い師ですよね。」
「だったら、占いに集中させて。」
「そんな……ジャラジャラ俺の作ったアクセサリーばっかつけて?俺を思い出さないんですか?」
「っ───!!」
りぃかの抵抗する動きが止まった。
確かに自分は、凛斗のハンドメイドアクセサリーで、全身を着飾っている。
そう、着飾っていれば、ふとした拍子に、凛斗のことを思い出すことはあった。
「だから、これも俺だとおもってくださいねっ──!」
「ん、アッ……!ンンンあっ!!」
凛斗は、羽交い締めしたりぃかの拘束を取らないでいると、一気にピンクローターを、りぃかの奥深くへ埋め込む。
ゆるく振動されているソレは、昨日の激しい行為のせいで、甘く、ぎゅうっと奥を締め付けてしまう。
「りぃか、めっちゃいい反応して……感じてるんんじゃないですか?」
「やめ……!抜け……!」
ハァハァと、息が上がって、拒む言葉も弱々しくなる。
「そんなふうに感じてないとか言うなら、これも入れちゃいますね。」
「え?」
りぃかには、確かめられなかった。
凛斗の手に何が握られているのか、確認できなかったのだ。
それでも、危機感を覚えたりぃかが、もがいていくが、凛斗の方が強かった。
「はい、今日はこれに集中してね?」
そう言うと、凛斗は、りぃかの蕾に、一応コンドームを付けてボコボコとした突起物のある、細身ながらも奥深くまで届いてしまうほど長いディルドをローターを押し上げるようにして、一気に突き上げた。
りぃかが中途半端なことが出来ないよう、一気に根元まで。
「や、ん、あっ……!くあっ!!」
りぃかの動きが弱まり、肩で呼吸をしている。
「ま、さか、このまま……?」
「今日、りぃかは半日出店ですよね?頑張って、イカないようにしてくださいね。」
そういうと、凛斗は、りぃかが反応できないまま下着でディルドを固定し、りぃかの服装を整える。
「ほら、りぃか。時間ないですー。」
「ん、ふ……。」
凛斗は、丁寧にりぃかの荷物をとると、部屋の外に出す。
もう、りぃかは、後戻り出来なかった。
下半身を刺激してくるローターとディルドが、体を直ぐに熱くする。
息を飲むのがやっとだ。
恐る恐る踏み出していくと、奥深くに突き上げられて固定されてしまったローターは、偶然にもりぃかの性感帯に推し当たり、歩く度に、ディルドの突起がゴリゴリと内壁をこすってくる。
「凛斗さん……お願いだから、手、貸して……。」
「でしょうね。ちょっとゴムに痒くなる薬も仕込んだので頑張ってくださいね。」
「な……最悪……。」
凛斗はあまり冗談を言うことは無い。
本気でストレートに、真っ直ぐに良くないことを平気でやる。
りぃかに対しては、特に容赦なかった。
だから、震える手のりぃかのナカには今、凛斗が自由にりぃかを操れる道具が入っているのだ。
りぃかは立ち上がっても座っても絶えず刺激されてくる前立腺に震えるしか無かった。
どうやらローターは遠隔リモコン式なようで、時折ブンッと強い刺激を与えられる。
その度に、りぃかは息を飲んだ。
「すみません、占いいいですか?」
ちょっとだけ、凛斗が刺激を弱めた時、ふと若い女性に声をかけられた。
清楚系だが、表情はあまり明るくない。
明らかに悩んでます風の女性だった。
刺激が弱い時に声をかけられたこともあって、りぃかは「どうぞ。」と小さく声をかけた。
女性の話を聞いていると、また強い刺激が来るかと思っていたが、凛斗の客の対応をしていたからか、振動は来ない。
しかし、振動が来ないと、痒くなる薬を塗ったというのが分かるように、ナカをジンジンと熱が集まり、突き上げて欲しくなる。
(話はしやすい、けど……集中できないって……。)
はぁ、と熱っぽい息を吐くが、客はりぃかの様子が可笑しいことには気付いていないようだ。
カードを優しく一枚一枚開いていく。
「そうですね、この先は対話を大切にすると上手く、いく───!!」
そこまで話したところで大きな声が出そうになったのを寸前で声を耐えた。
いきなり、ナカのローターが強く刺激し出したのだ。
(まだ、終わってないのに……凛斗さんのやつ……。)
相手からりぃかが、まだ接客中なのは見ていれば分かるだろう。
大きく振動したり、緩やかになったりを繰り返しながら、振動がりぃかを追い詰めていく。
客と会話しながからも、りぃかはどんどん熱が自分自身に集まっていることがわかっていた。
「なるほど、分かりました。ありがとうございました。」
声を何度もりぃかは、上げそうになりながら耐える中、とりあえず今の占いは終わりそうだった。
ホッと胸をなでおろしたところに、いきなり今日最高に最強の強さでローターが動き始めた。
「ン…………!っ、く、ありがとう、ご、ざいました。」
りぃかがなんとか、客にむかって言葉をかけることが出来ていたが、目の前はしろくチカチカし、ビクンビクンと、腰と足がはね続ける。
完全に客が去った後、りぃかはいったんスペースを「CLOSE」して、床にへたりこんだ。
達しているというのに、まだローターは強く振動している。
汗で、頬にまとわりつく髪が、うっとおしかった。
「大丈夫ですか?」
降ってきた声に、りぃかは固まった。
それは、何度か顔を合わせたことがある、占い師仲間だった。
自分が行ける範囲に、マルシェはあまりない為、顔見知りになっていくのだ。
「顔色悪いですね、お水どうぞ。」
その会話中、段々とローターの動きが弱まってきて、少しりぃかは、ほっとする。
「ちょっと休んだ方が良いですよ?」
「ありがとうござい───っ!!」
りぃかがにこりと微笑んで、その知り合いから水を受け取ろうとした途端、また一気にローターが強く振動する。
思わず体に力が入るが、それがいけなかった。
グリグリグリグリと、前立腺を強く擦られる状態になり、達したばかりのりぃかにはその刺激は限界だった。
「ふ、く……ん……!」
声を挙げなかっただけマシだった。
ただ、りぃかの羞恥心は限界だった。
(知り合いの、前で、イッてしまった……。)
水を貰いながら、少し前かがみになり、声を出すことは何とか耐えたものの、再び達してしまう。
「りぃか、ちょっといいですか?」
もう、勘弁してくれ、とりぃかは思っていた。
その声の主は、りぃかは嫌な程わかっていた。
「凛斗さん……。」
りぃかの口元が引き攣る。
何をしてくるか分からない恐怖と、事情を全部知られている安心感があった。
「着いてきてください。」
りぃかは、逆らうことも逃げることも叶わなかった。
何故なら、ナカには、しっかり埋め込まれているものがある。
凛斗の腕を頼るように歩いてついて行くと、本日の催事とは一番離れていて、人気のないトイレに連れ込まれた。
「な、に……する気……。」
「辛そうだから、一旦解放してあげようと思いまして。」
「───へ?」
凛斗が、無条件にそんなことするとはりぃかも思ってなかった。
思わずでたりぃかの変な声を無視し、凛斗は後ろからりぃかのことを抱きしめる。
「まあ、りぃかがここで声を出さずにいれたらですけど。」
「凛斗さん?どういう意味?」
りぃかは、震える小声で話しながらも凛斗のからだを引き話せないでいた。
それに気を良くした凛斗は、慣れた手つきで淡々とりぃかのボトムスの前を開いていく。
「あーあ、グチョグチョ。」
凛斗の手が下着の上からりぃか自身に触れてくると、先程達した二回分の白濁液が絡みついている。
誰のせいだと言いたげにりぃかは、凛斗のことを睨むが、凛斗は全く気にしていない。
目を細めて優しく笑いながら下着のゴムを引っ張ると、ねとっと白濁液が糸を引く。
「いっぱい出しましたね。垂れちゃいそう。」
「うるさ……。」
凛斗の声は、必然的にりぃかの耳元で話され、息がかかる度に、りぃかは体が震えた。
「誰にもバレませんでした?お客さんにも?」
「う、んん……バレて、ない……!」
「まあ、バレてても言う人はいないと思いますけどね。」
その言葉と同時に、凛斗はりぃかのボトムスを床にストンと落とした。
低い、ヴヴヴヴという音が響いている。
「静かなとこだと、ローターの音分かりますね。誰か来ないかな。」
「来ない方が、良い、だろ……。」
「なんでですか。りぃかが声をさらに我慢するでしょ?」
りぃかは呆気にとられていると、凛斗はりぃかの下着を膝まで下ろした。
まだ勃ち上がったままの、りぃか自身が自分の白濁液でヌメヌメと光りながら顔を出す。
りぃかは、やめろと言いたいはずなのに、言えなかった。
つい、その先を期待してしまっている自分がいるのだ。
「ねえ、りぃか。これ、どうでした?」
「ふ、んん……!」
りぃかの喉がゴクリと鳴る。
凛斗は、りぃかに埋め込まれたディルドをゆっくり小刻みに抜き差しし始めた。
「あ、は、あっ!」
りぃかは、凛斗を拒もうと心では思うのに、手を出すことも出来ず、声を耐えるために、ドアに手を着いた。
膝がガクガク震える中、口をドアに着いた手に押し付ける。
「感じてます?りぃか。」
「んん、ち、が……ん、ふ……!」
凛斗は、ズルりとギリギリまでディルドを引き出すと、そこで止めた。
ナカでは、ローターの跳ねる音がしている。
「これで、ローター押し込まれたいんじゃないですか?」
りぃかは、フルフルと弱々しく首を横に振り振った。
今、そんなことをされたら、どうなるか分からないと、りぃかは思っていた。
「まあ、拒否権は無いですけど、ねっ!」
「ああああああ!!つ、ん……!」
凛斗が一気にディルドをねじりながら根元までローターを奥深くに追いやるように埋め込んで行く。
しん、と静かなトイレにりぃかの声が響いた。
「こら、ダメじゃないですか。それとも、見られたいんですか?」
凛斗は、全く慌ててないが、しっ、と言うようにりぃかの耳元で囁く。
「そんなに、気持ちいいんですね……玩具なのに。」
「ふ、う……んん……。」
凛斗のその言葉に、羞恥と快感でりぃかの目に涙が浮かぶ。
「まあ、でも、気持ちいいなら何してもいいですよね。」
そう言うと、凛斗は、何度も何度もりぃかのナカを壊すかのようにガンガンとローターをぶつけるようにディルドを抜き差ししていく。
グチョグチョ、グチャ、グチョと、イヤらしい音が響いて、りぃかの頬は真っ赤に染まる。
「や、ん、も……!イク……!」
りぃかは、快感にも刺激にももう耐えきれなかった。
激しい動きにブルブル震える。
「ダメです。」
もう、あと一突き。
それで達する、という時に、凛斗は動きを止めた。
「え、、、は、やだ……。」
思わず、凛斗に強請るような目を向けてしまう。
凛斗は、しっと、りぃかに言うと、直ぐに複数の足音が聞こえてきた。
「やっぱり、こっちは空いてるよ。」
「イベントあると混むからな。」
バタンバタン、バタバタ……二人、ないし三人だと思う足音と、ドアを開ける音が響く。
凛斗は、りぃかの耳に舌を這わせた。
「今、イキます?」
りぃかは小さく首を横に振った。
声を我慢できるとは、思えなかった。
「いいんですよ?イカせてあげるから。」
凛斗は音が立たないように、耳元に口付けるとディルドを小刻みに動かす。
りぃかは、凛斗を信じられないと言った顔で見るも、直ぐに甘い快感に飲まれていく。
「く、う……。ん……。」
「ん?なんか話した?」
りぃかの必死に我慢する声が聞こえたのかもしれない。
先程入ってきたのであろう男性の声がする。
「いや、なんも聞こえなかったじゃん。」
がた、バタン……トントントン……
今、トイレに来たのであろう複数の足音が去っていくと、ふう、と息をついたのは凛斗だった。
りぃかは、血の気が引く思いだった。
ばれる、ギリギリだったと思った。
「も、やめ……よ?」
「何言ってるんですか。こんなにしてるのに?」
凛斗はディルドを床に転がすと、りぃか自身をゆるく握りしめ、上下に手を動かした。
「ふ、あ、あ、あ……。」
「こんなにガチガチじゃないですか。ほら、オネダリしてみてください。」
「や、や……ん、ふ……!」
嫌と言いながらも震えてぎゅうっと手を握りしめる。
「じゃ、これも抜いておきますね。」
凛斗は、ローターを最大限に震わせながらズルりと一気に抜き去る。
「あ!ンンッ! 」
それだけで、りぃかはイキそうなほど、目の前がチカチカした。
残ったのは、じりじりこがれるような痒みだった。
もう、目から涙が零れ、頬は上気し、息は上がって、唾液が零れていた。
限界だった。
「凛斗さんの……。」
「ん?」
「凛斗さんので、イキたい……。」
凛斗は、優しく笑みを浮かべた。
「何が欲しいか、触って教えてください。」
「は……これ……。」
りぃかは、もう自分を止められないことが分かっていた。
後ろ手で何とか、凛斗自身を触る。
「りぃかは、いつもそれくらい素直だと可愛いと思うんですけどね。」
凛斗は、りぃかの行動に優しく体を抱きしめた。
「特別。」
凛斗のその声が聞こえると、カチャカチャとベルトを外す音がした。
その音だけでも、ジンと熱が集まるのが分かる。
グッとりぃかは腰を引かれて、短く息を飲んだ。
「たっぷり感じてくださいね。」
凛斗の声が、りぃかに降ってきたのと同時に熱い塊がりぃかの内壁を掻き分けて、押し広げていく。
「は、あ……!」
「ほら、分かりますか?ココまで入ってるの。」
凛斗が、りぃかの下腹部を触る。
それだけで、りぃかは奥深くに凛斗が来ているのだと分かるのだ。
「も、っと……あ、動いて……。」
「オネダリ上手ですね……りぃか。」
りぃかも、自分から腰を押し付けるようにして凛斗の動きを助長させるように動かす。
凛斗は、ニヤと笑うと、りぃかの首筋に噛み付いた。
そしてそのまま、りぃかのことを乱暴に押し上げ続ける。
ぐちゅぐちゅと響く水音にりぃかは涙を零した。
「気持ち、いい……!」
「もう、声も我慢出来ないんですね。」
「ふあ……!だってぇ……!あっあっ!」
とろけそうな熱に、りぃかの頭は真っ白になった。
「最悪……。」
りぃかは、一人便座に腰を下ろしてボーとしていた。
凛斗は、りぃかを着替えさせ、丁寧に体を拭いてくれた。
「気持ちよすぎた……。」
誰かにバレてないとも言えない。
ただ、それを上回る快感がそこには、あった。
「ほんと、最悪……。」
今日は、お互いまた顔を夜合わせる。
それに、りぃかはため息をついた。
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