14 / 198
第14話 習い事
一通りマイクラで遊んだ。5才には少し難しいかも知れない。美弦と一緒にやるからおもしろいのだが、疲れるらしい。ブロックを積み上げるだけで、いっぱいいっぱいのようだ。
「たろは、ピアノ弾きたい。」
「ああ、習ってるんだな。
弾いてごらん、美弦に聞かせて。」
ゲームを片付けて、ピアノの前に座っだ。得意そうに「チューリップ」を弾いてくれた。
「みっちゃんも弾ける?」
ちょっと照れくさい。子供の好きな曲なんて弾きたくない。
いきなり「乙女の祈り」を弾いて見せた。
「わあー!みっちゃん、すごい!
先生みたい。」
大人げなく、自慢してしまった。
徹司も来て
「ピアノの先生の旦那さんがやってる店があるんだよ。今度行こう。」
「たろもいく!」
「ああ、早い時間なら大丈夫かな。
ホントは子供は入れないんだよ。」
「いやだ、いく!」
涙目になった太郎を抱きしめた。
「みっちゃん、ピアノ弾くんだね。」
「美咲と一緒に6才から始めたんです。
田舎は6さいから習い事始めるから。
俺はまだ5才だったけど、美咲と一緒にやりたがったって。」
「ああ、6才の6月6日って言うね。
俺もお習字とか、やったなぁ。」
「たろも5才だ。みっちゃんと同じ。」
「太郎は合気道も習ってるんだよ。」
「あ、検見川道場だね。俺と美咲も小学校の頃、通ったよ。
零士くんと一緒だったけど、メチャ強くて、差が付いた。
零士くんは黒帯、有段者だよ。」
零士の父は、その世界では有名な師範なんだそうだ。
「なんかみっちゃんは何でも知ってるんだね。
つまんないなぁ。自慢しようと思ったのに。」
「合気道はコツコツ練習する格闘技だから、続けるのが大事だよ。」
みんなでご飯を食べに行った。徹司のアウディで、国道のファミレス。
テーブルでタブレットで注文すると、ネコ型ロボットが運んできた。
「かわいい!」
みっちゃんが
「たろのほうが可愛いよ。」
「やだ、僕はかっこいいの。かわいくないよ。」
「おー、男らしさが芽生えてきたな。」
ともだちにシェアしよう!

