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第34話 流星
流星は、いつも陸のそばにいる。陸も流星には何も隠さない。
堂島孝平が脅しにかかっているのも知った。
何よりも胸糞悪い商売を始めようというのだ。
陸が矢面に立たされる。汚い仕事を押し付けられる。堂島のやり方だ。
子供たちはマンションの空き部屋をあてがわれた。
「今夜はゆっくり眠れ。
明日はきっといい日になる。」
組の若いもんに子供たちを託した。
束の札を渡して、
「この子たちを夢の国へ連れて行ってやれ。
一日楽しい思い出を作ってやってくれ。」
翌日新しい服を着せてもらってあのネズミのテーマパークに連れて行った。通訳がわりのグエンとソムチャイも一緒だ。
組のもんには妻帯者もいて、家族一緒に喜んで出かけた。賑やかな御一行様だった。
「せっかく日本に来たんだ。幸せな思い出を作ってやりたい。
「あの堂島孝平を潰す。でも、裏についてる顧客名簿を手に入れてからだ。日本の中枢にいるゴミを掃除する。」
考えを巡らせている陸を惚れ惚れと見ている流星。陸の子供時代を知ってから、愛しさが募る。
流星は平凡な家庭で育ったと、改めて親に感謝した。
「俺が陸の家族だ。絶対に離れない。」
陸の孤独を思うと切ない。天の采配か、陸は類稀な美貌と肉体を持っている。
その端正な横顔に惚れた。ストイックな筋トレ生活にも。浮気するのが玉に瑕、だが。
「流星、俺を抱いて。」
この先の出入りに、逸る気持ちか、いつもより激しく求める。
「流星、愛してる。」
「えっ?」
そんな事を言う陸は初めてだ。ソファに座って肩に頭を乗せて来る。
「はあ、おまえ、どうにかしないと、な。
祝言あげるか?」
「男同士ですよ。」
「かまわねぇだろ。俺だけのものにしてぇんだ。」
胸に抱き込まれて不思議だ。
「おまえの中に俺を刻みたい。」
まだスーツを着て仕事をしていた流星だった。
優しく上着を脱がせてネクタイを外す。
首に噛みつくようなキスをされた。顎を掴まれて激しいくちづけ。流星もストリップをやるくらい綺麗な顔とスタイルをしている。
美しい二人の男。陸が甲斐甲斐しく流星を脱がせる。
シャツを脱がせて脇腹を舐める。そこから舌が上がって来る。
「くすぐったいよ。」
「愛していればくすぐったくないって言うけどな。」
「そうなの?陸も舐めさせて。」
胸を探って突起を口に含む。
「ああ、ダメだ。握ってくれ。」
ギンギンになった陸を握らせる。
口に含んで扱く。
「いきなりだなぁ。気持ちいいよ。」
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