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第37話 子供を買う

「先生、またフィリピンに行ったのですか? お好きですねぇ。」  先生と呼ばれた男は売り出し中のコメンテーターだ。くだらない情報番組で、局の思惑通りの御用コメントを発信してそれなりに重宝されている。いわゆる有識者、だ。知識など皆無だが。 「イヤー、可愛い子がいたんだよ。ボク、マニラに通っちゃってるんだ。もっと近くにあるといいのにね。日本に出来ないかな。」 (この変態は、子供が好きだ、特に泣き叫ぶ子供を無理矢理犯すのが好きだ、と言っていた。) 「ある程度は金、出すよ。 足のつかない子供、いないかね。 出来れば日本人がいい。」 「ちょっと心当たりがありますよ。 しばらくお待ちください。」 秋吉はほくそ笑んだ。  秋吉には刑務所で知り合ったヤバい奴がいた。 いつもそんな話をしている。 「俺がフィリピンにいた時、日本人がガキ買いに来たんだ。」  そいつは手近なガキを無理やり斡旋した。 泣き叫ぶ子供の声が止んで、バラック小屋から出て来た日本人は大金をくれた。  小屋を覗くと気絶した子供がいた。下半身を血だらけにして倒れている。 (やべぇ、死んじまったか?)  揺り起こすと目を開けた。涙で腫れた瞼で 「お金ちょうだい。おじさんにもらえ、ってさっきの人が。」  札を2枚渡した。客は10枚置いていった。 客が置いていったのは1000ペソ紙幣10枚。 1ペソは約2.5円だから約2万5千円だった。  ガキには5千円分が渡ったことになる。この国では大金だ。物価は日本の3分の1くらいだ。 「良かったよ。また、別の子頼む、な。」  客はニコニコして帰っていった。 ガキに金を渡しながら、何をされたのか、聞いてみた。 「オレのペニスを擦って無理やり大きくしたんだ。そして、自分のも擦って舐めろって言った。  オレ一生懸命舐めたんだ。そしたらなんか変な棒を取り出した。ペニスに似た形。  それにヌルヌルしたクリームを塗ってオレのお尻に入れた。キツくて痛くていやだったんだ。  グリグリされて今度は棒の代わりにおじさんのペニスを入れられた。  無理だと思った。大きくて怖い。 お尻が裂けて血だらけになったら、すごく興奮したおじさんが白いのを撒き散らしてオレにかけたんだ。ベタベタになって血だらけになって、おじさんは、汚ねえなって怒ったんだ。怖かった。」  ガキは8才だと言った。まだ小さい子供だった。  鈴木康夫と名乗る男が秋吉に語った事だ。 「俺は胸糞悪くなったけど、これは金になるって気を取り直したんだよ。」  秋吉はこの男を利用させてもらうことにした。パシリにちょうどいい。

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