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第43話 みんな解散

 誰が通報したのか、パトカーが続々とやって来る。隠れていた孝平がチャカを手に出て来た。  今まで、奥の隠れ部屋にいたようだ。 「おうっ、陸、テメェのした事、わかってんだろうな。」  陸めがけて撃ってきた。 ヒョロヒョロ弾は頬を掠めて行った。 「両手でしっかり持たないと銃弾がブレますよ。」  孝平は片手で何かを抱えている。もう片方の手先だけで撃ってきた。反動で銃が跳ね上がる。  指を骨折したようだ。陸が近づいて銃と手に持っていた物を取り上げた。指の骨折が痛むようだ。 「ううー、助けろ。手が,手がっ。」  平気で若い奴のエンコ(小指)を叩き切る孝平が骨折くらいで泣きを入れている。 「ホント、むかつく伯父貴だ。 スジモンの恥ですね。一思いにあの世に送りますか?」 「ヒィー助けてくれ。 これを持っていけば金になるから。」 持っていた帳簿を差し出す。 「これが顧客名簿ですか?」  世に出していいものか?  陸のレクサスは、元暴走族の護衛のおかげで無事に北関東の陸の店まで送り届けられた。  運転しているのは、鉄平会長の息のかかった組員だ。 「陸さんはまだ探し物があるって、残ってます。 ドンパチにはならなかったけど、心配だ。  戻りますよ、レクサス持ってかなくちゃ。」  ジュネの前から引き返そうとしていると、そこに走ってきたのは流星と零士。 「俺たちも乗せてって。 陸さんは無事ですか?」 「そうだな。多分警察が家宅捜索やると思うよ。 陸さんも事情聴取されるでしょう。 すぐには放免といかないでしょう。」 「警察にも行きます。」  駆けつけた流星は、頬から血を流している陸を見た。 「陸!生きてて良かった。」 抱きついて離さない。 「見せつけるねぇ。元セフレの前で。」  零士が苦笑いだ。

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