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第100話 初めて

 裸足で歩き回る。フカフカの絨毯。 「すごいね。海から繋がってるみたい。」  陸が歩いて来て肩を抱かれた。振り向いて熱いキス。きちんと向き合って首に手を回す。 (太郎はキスの受け方が慣れてるなぁ。) 陸はちょっとジェラシー?  初めて、を奪うつもりが、少し心配になって来た。今時の中学生は進んでいるかも。  太郎はいつも妄想していた、陸の身体を直に触れて夢のようだ。いつも頭の中で考えていた事を実際に出来るのだ。陸の身体に触れたい、という夢が叶った。  ソファに並んで座って抱き寄せながら、聞いてみる。 「俺としたいか?何をするのか分かるか?」 「うん、大体わかるよ。 友達の家でアダルトビデオ見たから。 ゲイビデオもあった。あんな事するのかって怖かったけど、陸になら、して欲しいって思った。」  二人で気まずく赤くなった。 ヤクザにこんな顔させやがって。  陸は愛しさが溢れてきた。 膝に抱き上げて髪を撫でながら 「初めてが、男でよかったのか?」 「うん、俺、女嫌いなんだ。」 「ははは、可愛いな。」  抱きしめられた。陸が制服の上着を脱がせてハンガーにかけてくれた。ネクタイも外してかける。自分のスーツも脱いでかける。意外ときちんとしている。ガチャガチャベルトを外す音。ズボンを脱いでいる。シワにならないように丁寧にかける。太郎もズボンを脱がされてかけてくれた。 「制服だろ。明日も着るんだろ。」 「ううん、明日は休みだ。土曜日。」 「じゃあ、ゆっくり出来るかな?」 「あ、徹司に言ってない。」  嫌な事を思い出してしまった。 「俺から連絡しようか?」 「ダメ、絶対に怒っちゃうよ。」  気持ちが萎えそうだ。 「楽しい事だけ考えよう。 一緒にホテルなんかに来てよかったの?」 「良いわけない。けど俺、もう我慢の限界だった。会いたかった。会ってその先を見たかった。」 「いいのか?」  ゆっくりシャツのボタンを外していく。 露わになった肩にキス。首にもキス。 「可愛いなぁ、太郎の全部を見せてくれ。」  太郎が手を伸ばして陸のシャツを脱がせる。 お互いに裸の半身で抱き合った。両手を陸の肩に回して抱きつく。 「風呂に入ろう。」  手を引かれて下着だけになって風呂に行く。 ボクサーブリーフを下ろされて、ぶるんっと勢いよく太郎のペニスが飛び出した。  陸の口で愛してくれる。 「恥ずかしいよ。陸もパンツ脱いで。」

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