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第101話 手加減

 風呂に入り身体中、弄られた。 太郎は陸の背中のマリア観音を心ゆくまで眺めた。実際に手で触ってみた。 「綺麗だ。すごいね。痛かった?」 「ああ、痛かったよ。」  太郎が辛そうな顔をした。 「いや、うそうそ、そんなに痛くなかったよ。」 「嘘だ。こんなに広い範囲に刺青を入れると 高熱が出るって、ネットに出てた。」 「太郎も紋紋、入れるか?」  何か小さいのをワンポイントならいいか、と思った。 「うん、背中一面に入れたい。龍とか。」  龍は登龍会の看板だ。組員が入れるのは御法度だ。もしも太郎が大人になって背中に立派な昇り龍、なんか入れて組の跡目を取ったら、俺は誇らしいだろう、と想像してみた。 (何を、馬鹿な事を考えてるんだ、俺は。)  頭を振って太郎を見た。真っ直ぐに見つめて来る、太郎の瞳。  風呂上がりの少し伸びた髪をドライヤーで乾かしてやる。世話をしてやるのが楽しい。  ベッドに座って、車から持って来たバッグを開けた。ローションとゴム。いつも積んである。  いつでも、セックス出来るように。陸はそんな奴だ。  抱き合って二人のモノを兜合わせに握った。 「ああ、そんな事。」  陸が握って扱いてくれる。 「また、イッチャう!」 「いいよ、出して。」  陸が口で受け止めた。 「あ、ああ、あん。」  陸の指がローション――を纏わせて、後孔に入って来る。  ピクンッ! 太郎は違和感が快感に変わるのを感じた。  抱き合ってお互いの逸物を大切に触る。 陸の指が後孔に入って解してくる。 「なんか、変!すごい所に当たる。」  指で軽く中イキしている。時々掠める前立腺が快感を呼ぶ。 「ここが、こんなに気持ちいいんだね。」  陸は自分の挿入を躊躇している。本当にゲイのセックスを教えていいのか?、 「痛くないか?」 「うん、俺、陸の入れて欲しい。」 「いいのか?太くて大きいよ。 痛いかもしれない。」  細い腰を抱き寄せた。 「ちょっとだけ入れてみて。」  滑りのいいゴムを付けて亀頭を後孔に当てがった。頭の部分が入った。 「あ、裂ける!」

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