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第124話 それでもいい
流星と風呂に入ってゆっくり身体中洗ってもらう。
「今日はおふくろに会って里心がついた。
こんな風に過ぎていくのなら、極道から足を洗ってもいいかもしれない。」
「弱気になってるね。陸らしくもない。」
「ああ、そうだな。」
流星の身体をまさぐって乱暴に上になる。
「陸はそういうのがいいよ。強い陸。
オスの顔。俺を抱き潰して。」
裸にしてベッドに押し倒す。噛み付くようなキス。流星をイカせたい。
今までも散々して来た事が、なぜか今夜は欲しくて仕方ない。
「おまえを愛してる。」
「浮気モノの陸の勘違いだよ。」
「おまえだけ、そばに置きたい。
俺が浮気しても俺のそばにいてくれ。」
「ずいぶん勝手な言い草だ。」
(それでもいいとずっと思ってた。
離したくない。陸の匂い。)
めくるめく快感の嵐。
流星の綺麗な後孔に楔を打ち込んで突き上げる。
「あ、ああ、大きい。陸!」
後ろから腰を掴んで逃がさない。首を巡らせてキスをもらう。
陸の両手が流星の腰を掴んで扱く。
「ああ、イク。」
精を飛ばした。
「俺もイクよ。」
ゴムを付けて中でイッテるのがわかる。足を広げられて恥ずかしい格好だ。
二人ともに絶頂を迎えて,向かい合わせに抱き合う。心からのくちづけ。
「陸、素敵だよ。」
肩に抱きついて、まだ腰が震える。
「流星、離さない。」
激しさではない。優しさでもない。肌を合わせて抱き合っている事が幸せだった。
裸で抱き合って眠った。無防備になって。
お互いを離さないように。
手を繋いで子どものように求め合った。
思いのほか、深く眠った。
目が覚めて、いつも隣にいてくれる人。
「流星、ずっとそばにいろ。
俺から離れるな。
俺をひとりにしないでくれ。」
流星は、ふふ、と笑ってしまった。
「いいんだ。俺の弱さを知るのはおまえだけ。」
肩に手を置いて抱きしめてくれる。
(初めて本気で愛してくれたね。)
「陸、可愛い。」
「いま、なんて?」
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