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第135話 零士や陸を見てごらん
「零士や陸を見てごらん。」
そう言われて帰って来た。
(男の色気ってなんだ?)
左千夫は今までセックスをそんな風に考えた事は無かった。確かにハンサムな人たちだ。でも、色気ってなんだ?
左千夫は女の人の露出の多い服装とかが,色気だと思った。
確かにみんなセクシーだ。
時間になるとランウェイに現れる半裸の男たち。
小さな布で包まれたペニスが揺れるのはセクシーだ。キチンとしたスーツのホストたちもセクシーだ。
(俺はどうだ?セクシーではないな。
どこが違うんだろう?
露出の問題でもなさそうだ。)
悩んでしまった。それでも店の中でホストたちをじっと観察するようになった。
あのアレックスのストリップが始まった。
ステージが浮かび上がる。アレックスが
「誰か僕を慰めて。
ここに上がって来て僕を抱いて。」
そんな事を臆面もなく言ってしまう男に驚く。
客席から姫が立候補した。
「可愛い姫が僕のお相手をしてくれるの?」
ストリップだから、着ているものを一枚一枚脱いでいく手伝いをしている。
肩から薄衣を落とす。アレックスが姫をハグして肩を触らせている。男だが上半身も限りなくエロい。姫の耳に何か囁いてキスした。
立ち上がって姫を送り出した。
「ありがとう。ジュテーム。」
緩やかに踊りながら、肩から布を落として、穿いているズボンを脱いだ。
「きゃあー。」
歓声がすごい。アレックスの綺麗な下半身が見えた。Tバックの下着をつけている。
腰のところに結び目が見える。引っ張れば脱げてしまうだろう。
筋肉のついた綺麗な身体。
(背が高いからカッコいいんだな。
ちゃんと筋トレしてる身体だ。)
思わず見惚れてしまった。
ステージが終わってアレックスがそばに来た。
「健ちゃんから聞いたよ。
明日から一緒に筋トレしよう。
僕が鍛えてあげるよ。
左千夫を美しい男にしてあげる。」
「えっ?」
俺がアレックスみたいになれるわけないよ。
無理無理!
左千夫は、自分が今まで何かを頑張った事がないのをわかっている。
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