144 / 198

第144話 初体験

 一緒に風呂に入った。温泉だから何だかヌルヌルする。面白がって抱き合った。  陸の大きな身体にすっぽり抱き込まれて、ドキドキが聞かれそうだ。 (セックスってこんなことするんだ。お尻なんて 親にも見せたことないのに。)  赤ん坊の時は別だが普通そんな所は曝け出さない。陸の手で暴かれるのは快感だった。  身体中にキスされる。恥ずかしいのに抵抗できない。大きなタオルに抱きとられて布団に連れて行かれる。もう床が延べてある。  こんな硬い身体を優しく愛撫してくれる。 「初めてなんだね?女の子も知らないのか?」 「うん、女は嫌いだ。煩いんだ。」 「キスで静かにさせるんだよ。今度試してご覧。」 「イヤだよ。陸はいいの?俺が女としても?」 「一度は経験してもいいよ。」 「イヤだ。そんなこと言う陸はイヤだ。」 泣きそうな太郎に陸は慌てる。 「ごめんよ。太郎を抱くのは俺が初めてだね。 いいのか?」  抱きついて激しいキス。陸のものを初めて口でした。お互いに口でした。感動だった。 うしろめたい気持ちも吹っ飛んだ。陸が慣れている。すごく上手に解されて陸の屹立が入って来た。背の高いしっかりした体格の太郎は、怯まない。初めて受け入れた陸の男。 「あ、壊れる。」 「大丈夫だよ。柔らかくなってる。 どうだ?気持ちいい所に当たったかい?」 「うん、初めての感じ。こんな所が気持ちいいんだね。」 「ああ、太郎が気持ち良くなって欲しいんだよ。 俺も気持ちいい。」 (すごい圧迫がある。こんな風にされるんだ。) 「太郎と一つになれたよ。可愛い。」 「陸、陸、おかしくなる! イク。出ちゃうよ。」 抱きしめて二人で絶頂に上り詰めた。  夢のような旅行だった。 陸は日頃の嫌な案件を忘れて太郎と過ごしたハネムーンのような一晩だった。  約束通り、最後まではしないつもりだったが、限界だった。 「ずっと愛して行くよ。離さないから。」  太郎は流星の事を思った。 イケメンで心根もいい人だ。流星と争うのはイヤだ。太郎は甘えていたい。甘やかされたいのは陸に、だ。    徹司の顔がまともに見られない。

ともだちにシェアしよう!