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第150話 ショータイム
ジュネ恒例のショータイムになった。
ランウェイを半裸のウォーキングダンサーたちが練り歩く。みんなすごい身体をしていてイケメンだ。取り巻きの一人がゲイで、ダンサーから目が離せない。タレントの女性たちが大喜びだ。
但馬は明日のことを考えて、舌なめずりしている。ゲイはマトモだ。ロリコンの変態は反吐が出る。
零士は、事前に情報を掴んでいた陸から、明日の話を聞いて警戒している。
「キャア、みんなイケメン!」
女性タレントがダンサーに手を伸ばす。その身体に触りたいのだ。
「お触りはご遠慮ください。」
やんわりと叱られた。
隣に座った蓮が
「後で席によびますか?」
「呼んでよ。あたし、あの人がいいわ。
筋肉のすごい、顔の可愛い彼。」
ソムチャイをご所望だ。
「ショータイムが終わったら呼びますね。」
「あなたたちは脱がないの?」
シンに抱きついて身体を触る。
「僕は痩せてるから。」
「シンには、痩せた男が好きなファンがたくさんいるんですよ。」
「わあっ、筋肉もいいけど痩せてるのもアリね。」
(この人、欲求不満かな。なら仕方ないな。)
「蓮くんも素敵よ。脱ぐとすごいの?」
「さあ、秘密です。二人きりになったら見られるかも。」
「きゃあ、二人きりだって!
今すぐ二人になりたいわぁ。」
「もうすぐストリップが始まりますよ。
アレックス、綺麗なフランス人です。」
ステージが暗くなった。スポットライトに浮かび上がる金髪碧眼の綺麗な男。
逞しい筋肉が伺える、薄いコスチュームで踊る。セクシーだ。
奥から店の中を見ているのは、陸と吉田。
「あいつが明日のメインゲストか?」
但馬を指差している。
「光町の別荘だったな。多分秋吉が影にいるな。」
「秋吉だけで出来ないだろう?
裏にいるのは誰だ?」
「別荘は誰の持ち物なんだよ。」
「それが、おかしいんだよ。
幽霊だ。持ち主は、いない。」
深夜遅くタクシーがタレントの女性たちを送って行った。お持ち帰りしたくて、ガッカリしていた。
男たちは近くの旅館に泊まった。
オークションに備えてウズウズしている。
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