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第152話 オークション
「みなさん、顔出しでかまいませんか?
それでは、じっくり檻の中を観察してください。
本日は粒揃い。年令も5才から12才まで、色々います。お気に召す子がいましたら、お買い上げ願います。
クレジットカードを受け付けますから、こちらへどうぞ。カードリーダーはこちらです。」
しばらく観察タイムだった。ほとんど男の子だ。二人ほど女の子もいる。
話し言葉が日本語ではない。C国語か?
生意気な口を聞く子供は、情け容赦なく棒で突かれる。ギャンギャンうるさく泣いていた子供が吐くほど棒で突かれた。
「うっ!」
のけぞって倒れ込む子供。誰も助けない。
サドッ気の強い芸人の竹山が
「俺にも棒、貸してよ。面白そうだ。
生意気に睨んでるよ、こいつ。」
嫌がる子供を突き回す。この男を棒で突き殺したい。
カンカンッ!ハンマーの乾いた音がひびいた。
「それでは、競りを始めます。
100ないか、100。」
「100」
「はい、100。上ないか?」
「110!」
「前回より安いな。
前回来ていて捕まらなかった男が言った。
今日は15人。みんな300万前後で売れた。
4500万ほどの儲けだ。
連れて帰るもよし。他の部屋で楽しむもよし。
万が一、買った商品が壊れてしまった時は、後始末をする人間が待機していた。
壊れるとは死なせてしまう事。ここではよくある事だった。闇から闇へ葬られる。
連れて帰るリスクを考えると、みんなここで楽しむようだ。
全く胸の悪くなることを考えつく。
秋吉は会場を仕切るスタッフに話をしている。
全部C国語だ。里菜は言葉はわからないが、分け前をもらって帰ると言った。
奥に連れて行かれて,首を絞められ,アッサリ死んだ。死体は建物の裏手の森に捨てられた。
「山犬いるよ。死体食べるね。骨残る。1週間くらいしたら拾って砕いてトイレに流して。
後知らない。大丈夫。捕まるの日本人だけね。」
里菜を殺したC国人が言った。
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