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第164話 制服ナイト
店の営業時間だ。姫たちが続々と入って来た。
「いらっしゃいませ。」
「テレビで見たわよ。
大活躍だったじゃない、タケル。」
今夜はタケルに指名が多い。
「カッコいいわ。テレビに映ってた、特攻服っていうの?ここでも着ればいいのに。」
「ミサは制服フェチなのよ。」
「いいですねぇ。制服ナイトとかって企画しましょうか?」
姫たちがキャーキャー言っている。
「男でも、JKの制服にそそられるから、
その企画いいね。」
姫たちに制服の種類をリサーチしてみた。
「やっぱり、自衛隊の制服!」
「私は夏服がいいわ。海軍,じゃなかった海上自衛隊のセーラー服。可愛いのよ。白い帽子と。」
「うん、工場の作業服が好き。」
「変わってるね、どこにでもいるじゃん。」
「それがいいのよ。埃っぽい匂い。」
「汗臭いのもいい。ただしイケメンに限る。」
姫たちのリクエストで制服ナイトという企画が実現した。
あのウォーキングダンサーたちがそれぞれ、自分の国の軍服を模した衣装を用意した。
日頃体を鍛えている彼らは、カッチリした軍服がとてもよく似合っていた。
みんなお客さんの席に着いて大人気だ。
ホストたちも趣向を凝らした制服姿で接待する。
「いらっしゃいませ。」
旧日本軍のカーキ色の軍服姿の零士が敬礼で出迎える。帽子もかっこいい。
「226事件の時の、若き将校が着ていた軍服だそうよ。」
「零士の綺麗な顔に似合うわぁ!」
「戦争はダメだけど、軍服はかっこいいなぁ。」
中には学ラン姿の者もいた。
「わあっ、詰め襟。俺はブレザーだったから、詰め襟,憧れたなぁ。」
「おまえ、ずいぶん改造してんじゃね?」
ボンタンに長ランの奴もいた。
「だんだんツッパリスタイルになってきた。」
それはそれで姫たちに大受けだった。
飛行機のパイロットの制服が年配の姫のお気に入りのようだ。意外と警察官の制服は嫌われている。
「あんまり感じ良くないから。」
「よく見るから新鮮味がない。」
「私はお医者さんの白衣がいいわ。」
白衣のホストが
「姫、ボクが診察いたしましょう。」
「お医者さんごっこ、いいわね。」
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