167 / 198
第167話 会いたい
この所,流星と陸の蜜月が続いている。
「陸、会いに行ったら?」
ソファに並んで座って不安そうに言う流星。
「ずっと俺が独占してるもんな。」
陸はこの前、車から見かけた高校生の顔をした太郎に,迂闊に手を出せなくなっていた。
「あの年令らしい青春って奴を謳歌して欲しいんだ。俺が近寄ったら壊してしまう。」
珍しく、自制的な陸に本気を感じる。
その日、店の営業前に美弦が太郎を連れて来た。学校帰りか、竹刀の入ったスポーツバッグを持っている。
「高校の制服か?カッコいいなぁ。」
「やだよ、いかにもって感じでガキっぽい。」
「今日は何時までいられる?」
「帰らない。美弦、徹司に言っておいて。
陸とデートだから帰らないって。」
「言えるわけないだろ、店が始まる前に帰れよ。」
「イヤだ!やっと会えたんだ。」
陸が間に入って
「徹司には俺から言うよ。美弦は気にしないで。」
「スマホ出して。徹司にかけて。」
太郎が差し出したスマホを受け取ると
「あ、徹ちゃん、俺、陸だけど、今は太郎が来てる。今夜は帰さない。明日は土曜日だろ。
日曜の夜、送って行くよ。」
勝手に通話を切った。
「出かけよう。」
流星に軽くキスして出て来た。諦めた顔で流星はレクサスのカギを渡した。
車でずいぶん走った。
この世の果てのような断崖を越えて,たどり着いた海辺のホテル。
部屋に入って太郎は立ったまま、自分のシャツを脱いだ。
「太郎の身体を見たい。」
陸の言葉に答えた。
綺麗な身体。腰履きの制服のズボン。ボクサーブリーフのロゴが覗く。綺麗な稜線を描く腰のライン。思わず見つめてしまう。
ゆるく結んだ首に残ったネクタイを外す。
「いい身体になったね。」
その腰に手を当てて臍をなぞる。
引き締まった腹筋がピクッと震える。
スーツを着たままの陸に抱きしめられる。
「すごいな、そそる身体だ。」
汗ばんで光る腹を撫でる。ベルトを外してズボンを落とした。もう膨らんでいるブリーフのロゴを撫でて行く。
「陸、陸、俺、会いたかった。」
「俺もだ。」
背が高くなった太郎の下着に手を入れる。
ともだちにシェアしよう!

