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第179話 秋吉少年
若い頃から少年が好きだった。それも容姿にこだわりがある。美しい少年を好む。
秋吉は、人を操る事を調べ学んだ。心理学、精神医学に興味を持った。
資産家の一人息子で、親の期待は大きかった。
親の資産はC国で築き上げたものだった。
文化大革命以前からC国で商売をしていた父親は、C国人の女性と結婚して、秋吉が生まれた。
戦後、日本人の子供として生まれた秋吉は、生き延びるためには「反日」のフリをするしかなかった。敗戦国日本の子供は生きづらかっただろう。小日本(シャオリーベン)日本鬼子(リーベングイツ)と迫害された。
秋吉の生まれる前、1958年毛○東の「大躍進政策」が失敗に終わり、C国人は飢饉に喘いでいた。商才にに長けた父親は、飢饉の中でも財力を蓄えた。日本人の勤勉さでC国の人と上手くやっていた。妻はC国人。父親の人柄で商売は繁盛した。
「稼がせてもらってるんだ。
感謝して利益を還元しよう。」
町に惜しみなく、協力をして、激動の時代を生き延びた。それも文革までだった。
毛○東が劉○奇を倒して頭角を現した。毛の個人崇拝を利用して若者を扇動する。
文化財破壊や知識人の迫害。秋吉の父は,高等教育を受けており、莫大な資産を築いていたから、吊し上げ、に合った。
1970年、文革の最中に生まれた秋吉のために、資産をスイスの銀行に移した。
1980年には、家族で日本に引き上げて来た。
1976年、毛○東は死んだ。1980年のC国では文革それ自体がタブーになっていた。
物心ついた頃の秋吉は、自分の屈折した性質に戸惑っていた。この頃の体験が今の自分を作ったのだ、とも思える。
裕福な暮らしと乞食のような暮らしが交互に来るような不安定な生活。
これで身についたのは下手なC国語だった。父親のおかげで生きるのに必要な金はあった。
その時の経験が今の秋吉を形成している。
(私は、憐れみと言う感情を持たないで生まれて来たらしい。)
孤独な子供時代だった.迫害されて仲間には入れず、いつも遠巻きに見ているだけだった。
(自分は人間の中に出来た異物だ。
邪魔なガンみたいなものか?)
「自己憐憫は嫌われる。
日本人の謙譲の美徳、は死語だ。」
いつも誰かの足を掬う事ばかり考えていた。
学校でのあだ名はサイコパス。
そんな秋吉にも初体験はある。15才。
初めてセックスをしたのはのは男だった。
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