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第195話 チャイマ
チャイマを洗ってみる。
「こりゃ、広域暴力団も真っ青だな。いつのまにか蔓延ってやがる。」
錦○町のチャイマの組織は新宿に次いで、デカい。そこの幹部だと言う王天尊は中々のやり手のようだった。
秋吉の知る所となった。ドラゴンの張さんにお伺いを立てた。
「何か、シノギがありそうですね。」
張さんの紹介ですぐにアポイントが取れた。
思ったのと違うタイプの男が現れた。
「あんたが児童ポルノでパクられた秋吉さんか?」
故国の情報は入ってくるらしい。
「いやあ、お手伝いしただけですよ。
子供の手配が大変なんです。
生ものですからね。」
チャイマはガキばかりかと思った。落ち着いた奴もいる。
「張さんはC国の党員なの?」
「いや、大きな声では言えないなぁ。
ドラゴンはC国でも認められている。必要悪として?
それで汚れた仕事を引き受けてだな。
C国の裏の一面だ。」
秋吉は昔から張さんに懐いて信頼してきた。
困った時は頼っている。秋吉自身、思想も信仰心もない。ただ、好きなものはある。
C国4千年の歴史。尊敬すべきものはある。
水墨画のような山々を愛して来た。
「私もこの国の文化を愛して止まないんだよ。
毛○東が台無しにした。そして共○党が蔑ろにして来たこの国のの文化。守りたいのだよ。」
秋吉が好むC国の文化を、張大兄も大切に思っていた事がうれしかった。
秋吉はサイコパスなんかじゃない。人の心を持っているのだ。
だれも理解してくれない。そんな少年時代だった。
「張大兄、この国はどうなってしまうのでしょうか?」
臓器売買のことを思うと,何とも言えない気持ちになる。犬や猫を食べる事と同じようにいやな気持ちになる。
矛盾じゃないか?
ウシや豚は食べているのに。
ひつじややぎも食べているのに。憐れみは犬と猫にだった。秋吉はずっと葛藤して来た。未だ、正解は見つからない。
あのふわふわの毛並みに顔を埋めたい。ずっとペットロスを抱えていた。
「私は年をとった。この年令で一人ぼっちになってしまった。親はいる。しかし愛情を感じないのだ,
「人間じゃダメだ。犬と猫の無償の愛。」
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