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第15話 テレセ **
「そ、それで俺はこれから、どうしたらいいわけ……?」
俺はベッドの上からパソコンの画面に向かって、そう尋ねた。
『そうだなあ、じゃあまず……俺が渡した道具の中からローションを取り出して、普段通りに乳首弄って』
「……わかった」
俺は飾音の家から持って来た段ボールの中から、大量に入っていたローションの一本を手に取る。
ローションの蓋を開けたところで、飾音からストップが入った。
『ちょっと彬良。まさか、服を着たままする気?』
「え……」
『きちんと裸になって、俺に見せながらやるんだよ。そうじゃないと、意味ないだろ?』
「う……はい」
俺は飾音に言われた通り、パジャマを脱いだ。
『寒くはない?』
「うん、平気」
俺が風邪をひかないように気遣ってくれるところだけは、今まで通り優しい。
『じゃあ、パンツも脱いで』
「う……ん」
『彬良』
「……はい」
顔が熱い。
画面越しの飾音から視線を逸らしつつ、恥ずかしすぎて顔から火を噴きそうになりながらもパンツを脱いで、裸になる。
しかしつい、女の子のように足を閉じてしまう。
そしてそれを、許すような飾音ではない。
『彬良、開脚』
「……っ」
俺は、パソコン画面に向かって、ベッドの上で両足を開いてみせた。
――三カ月の間、飾音と会えない。
そこで飾音から提案されたのが、俺の感度アップの自主練を兼ねたテレフォンセックスだ。
電話じゃなくてビデオ通話だから想像力で補い合うようなやり方ではないけれども、逆にお互いの姿が見える分、やたら生々しく感じて興奮する。
毎週金曜日、こうして飾音から色々指示を受ける。
そして、俺は毎日それを実行する。
そこで渡されたのが、色々なアダルトグッズの入った段ボールだ。
飾音はわざわざ俺の家まで自分でそれを運んで、簡単にそれぞれの使い方だけ説明して、帰っていった。
帰る前に指示されたのが、毎日ローションを使って乳首を可愛がること。
そして、勝手に自慰をしないことを約束させられた。
『もう半勃ちだね。期待してんの?可愛い』
「……っ」
飾音に指摘されて、かあ、と顔が熱くなる。
それと同時に俺の息子が、ふるん、と揺れた。
『それじゃあ、俺にされたことを思い出しながら、一週間頑張ったチクニ―を見せて』
「はい……」
俺は今度こそローションを手にすると、両手で広げて伸ばして、温める。
「ん……っ」
真っ平な胸を、両手で揉んだ。
目を瞑って、飾音の顔を思い出す。
パソコン画面の向こう側にいる飾音はスーツ姿だけど、耳元で囁かれた色っぽい声色も、首筋にかかった熱い吐息も、俺を見つめる優しい眼差しも、全部覚えている。
「あ……はぁ……っ」
『きちんと乳首への直接的な刺激は避けてて、偉いね』
「う、ん……」
なにも感じないと思っていた乳首だったが、こうして揉み続けていると、徐々に先端が尖って刺激を求めてくるのだ。
『うん、最初よりずっと、乳首が勃つのが早くなってるね。赤く熟れて、美味しそう』
「ぁ……、飾音、もう、触りたい……」
『いいよ』
薄く開いた瞳の向こうで、飾音が表情を崩さないままこくりと頷く。
画面越しだからわかりにくいが、恐らくかなりテンションが上がっているようだ。
好きな奴じゃなくて、俺の裸でもこうして興奮してくれることを少し不思議に思いながら、俺は期待に勃ち上がった乳首をきゅう、と摘まんだ。
「ああ……っ♡♡」
『摘まんだだけで、そんなに気持ち良いんだ?』
「うん……っっ♡♡」
飾音に教えて貰えなければ、きっと一生知ることはなかっただろう。
俺は飾音に見られていることを意識しながらも、摘まんで、引っ張って、捏ねて、潰して、自分の乳首を弄り倒した。
「あ♡ あぁ♡♡」
『いいね、彬良。乳首でしっかり感じられて、イイ子』
飾音に褒められ嬉しくなり、つい笑みを漏らした。
『彬良、今の顔、反則。……傍にいられないのが物凄く辛い』
「え?」
『ううん。じゃあね、一度ローションを拭いて、乳首吸引機を装着してくれる?』
「あ、うん……」
俺はジンジンと痺れを訴える乳首から手を離すとタオルで手と胸を拭い、段ボールの中から男女共有の乳首攻めグッズを取り出した。
高品質シリコンで出来ているからハードな攻めタイプのものではなく、初心者でも安心して扱えるものらしい。
「こう……?」
『痛くはない?』
「うん」
両乳首に装着すると、手を離してもぐっと引っ張られる感覚が続く。
吸引機の中で、乳首がびんびんに勃ち上がっているのがわかる。
『どんな感じ?』
「うーん……ずっと引っ張られてる感じがする」
『一緒にいたら、それを外した後に頑張った乳首を舐めてあげられるんだけど』
「う、うん」
飾音に乳首を舐められるところを想像してしまって、息子が反応してしまう。
『じゃあ次ね。アナルプラグを出して』
俺が言われた物を取り出すと、飾音に『それじゃないよ』と言われた。
『それはアナルビーズね。ええとね、ヘッドが二、三センチのやつで、矢じりみたいな形のオモチャで……ああ、そうそうそれそれ』
俺は他の黒いオモチャを手にして、確認のために飾音に見せる。
飾音は頷きながら、情欲を含んだギラギラとした瞳でこちらを見ていた。
お尻の穴が、期待できゅぅ♡ と締まったのを感じた。
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