6 / 8
第6話 ※
荒く呼吸を整えていると再びジワァ…と目頭が熱くなってきて、先程の涙もまだ乾ききっていないのにまた俺はグスグスと泣き出す。
今日の俺は泣いてばかりだが、男としての矜恃を今日再びこの男に打ち砕かれたのだ。情けなくて仕方が無い。
「ぅ"っ…ぐすっ…うぅ…っ。」
「だから泣くなと言ってるだろ…?」
「ぅっ、うるせぇよっ…、だれの、せいでぇっ…!」
俺の頬に当ててきた手をバシリと払い除けて涙を拭う。だが涙腺が崩壊したかのように今度の涙は次から次へと溢れてきた。
泣き顔を直視されるのが嫌で、せめてもの抵抗に顔を横に向けて視界から魔王を消す。
「私のせいだな。私のせいで泣いている。……だからこれ以上悦ばせないでくれ。傷付けたくはないんだ…。」
ハァッ…と魔王の熱い息が耳に当たって、ゾワリ、と全身が総毛立つ。
傷付けたくないだぁ?ふざけたことぬかしやがって。お前のせいで俺のプライドはズタズタなんだよ。
魔王はベッドサイドに置いてあった箱からピンクのスライムを取り出すと俺の尻にそれを乗せた。グ二グ二と動き回るそれは、暫く俺の尻の上を這い回るとやがて孔の中に入っていく。
「んっ…っ、うっ…!」
2度目と言えどこの感触には慣れない。
スライムは暫く中で動き回ってからズルリ、と排泄感と共に出てきた。
スライムが肛門周りの汚れを食べてくれて、ついでに粘液も出していくのだと言う。なんだその男性同士でやるためだけに存在するようなスライムは。
お前が作ったんじゃないだろうな。
「お前は前回もこれを嫌がっていたなぁ…。」
そう言うと魔王は出てきたスライムを見つめて床に放る。そして今度はスライムの出した粘液を指に絡めて孔を広げるように弄りだした。
「っ…んぅ……、ァッ…。」
最初は1本だけだったそれはやがて2本、3本…と増やされて、前回、嫌というほど暴かれた俺の感じる場所を掠めながら蠢いた。
「はっ…も…やだ……、いやだぁ…っ。」
「まだ始まってもないのに何を言うんだ?」
ツポ…と指が抜かれた後に、グッ…と指とは明らかに違う質量が宛てがわれたのを感じた。
「っ無理だ!入らねぇ!」
「入ったろう?前回だって美味そうに咥えて離さなかった。」
「んなわけねぇだろ!てめぇのサイズなんかどんな奴だって無理矢理皮捲られるしかないんだよ!ふざけんな!どけ!どけって……っぅ……ぁ"、あ"っ…!」
メリメリと音が聞こえそうだった。
それでも今回は魔王がよく解してくれたからなのか、血は出なかったようで、魔王はゆっくり、ゆっくり腰を進めて暫くした場所で腰を止めた。
「ぁ"…ぬ、け…苦しぃ"…。」
はっはっ、と犬みたいに短く呼吸する俺を抱きしめるように胸に収めると魔王は「大丈夫だから。深呼吸しろ。」なんて無責任なことを言ってまた腰を進める。
やっぱまだ全部入ってねーのかよ。もうほんといい加減にしろよ。
俺はガッシリと全身を抱き込まれながら自由になる手足だけをバタバタと動かしてひっくり返った亀のように無意味な抵抗を繰り返した。
ともだちにシェアしよう!

