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第8話

こ?コ?子って何だ? 子って…、こども…か……? 「なに…、言って……、?」 言葉を出すのがやっとな俺に魔王はクッと額を合わせるようにして顔を向かい合わせ、赤い瞳で俺の瞳を覗き込む。 「ここに、私の子種を注いだ。」 あーーーー…。 それはつまりあれだろ?精子のことだろ?バカだなぁ。男は卵子も子宮も無いから子供ができないんだぞ。そんなことも知らないのか?魔族は…。 「魔族は繁殖力が高くてな。精を受けた肉体は男女問わず妊娠する体に作り替わる。子種が母体を自分たちで用意するんだ。」 「………………。」 俺はもう驚きすぎて言葉が出なくて、その間、魔王は腸壁がなんたらだの、子宮がどーたらだの説明していたが、そんなの微塵も頭に入ってこなかった。 「なんで…そんな、妊娠してるなんて…んなもん分からねぇだろ…!前回だって嫌ってほど出されたけど何も無かった!!」 「前回とは使用したスライムが違う。前回のは緑で、今回はピンクだったろう?ピンクのスライムが男性妊娠用だ。」 「っ…!」 正直スライムの色なんて覚えてない。 けど魔王がここまで落ち着いて話をするのだから本当なんじゃないかと思えてきてしまう。 「なんでだよ…。」 「私と居てくれと言ったろう?それなのにお前はまたどこかに行こうとする。」 「それが俺の仕事だ……。」 「だから仕事に出れないようにするんだ。これからはその足を、私と子供と出掛けるために使おう?何1つ不自由はさせないし、後悔はさせないと誓おう。」 お前と居ることが後悔でしかねーんだよ。 ふざけんなよ。 あまりのショックに呆然とする俺にまた魔王はキスを強請るが、そんなもの応じるわけないだろ。 サッと顔を遠ざけた俺に魔王はさすがに不穏な空気を感じ取ったのかしょんぼりした顔をして見せる。 いくらお前の顔が美しくても、この状況じゃ何の慰めにもならねーよ。 「このイカレくそサイコパスが…っ!俺の…俺の人生、お前なんかにめちゃくちゃにされてたまるか…!」 怒りなのか悲しみなのか分からないがまた涙が溢れた。 「どけよ!」と言ってまだ腹の中にある魔王のそれを抜こうとするが魔王は嫌がって、「城を出て行くことは許さない。」なんて言ってまた俺を犯した。 魔王は俺の体力なんてお構い無しで、前回に引き続き今回も日が昇ったって俺から離れなかったらしい。 俺は朦朧とする意識の中でただただ『これが終わったら出ていくんだ』と繰り返し堅く誓っていた。 お前の許しなんて無くたって俺はどこへだって行けるんだ。 俺にはこの2本の足があるんだから…。 そう思って次に目を覚ました時、俺の足には見慣れない模様が刻まれていた。

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