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第7話
「ふふふっ…まず…外泊しちゃおー!!リエルー!」
悪戯を思いついた幼い子供みたいにニヤニヤしながら美作がリエルさんを呼んだ
「今日さ天使ちゃ…熾くんお泊りしてもいいよね?」
「うちは構わないけど?親御さん心配するでしょ?せめて連絡はしようか?」
「だって!どうする?」
悪いことってお泊り?僕はこれまで友人の家にお泊まりってしたことなくて…それを考えると悪いことかも…泊まりたいかもってちょっとワクワクしてしまってる…
…まぁ…そういう行為も含めかもだけど…美作なら上手そうだし初めての相手は上手い人の方がいいし…。その時はその時で元々おっさんにやってもらおうとしてたことだから…いいかな…なんて…思ったりもして…
「電話してみます」
両親はすぐにOKを出してくれて今日はお泊りすることになった。
リエルさんに挨拶をして家に上がった。
「ここが俺たちの家だよ!そんでこっちが俺の部屋!よしっ!じゃあ早速…」
美作は部屋のベッドに腰掛けて僕を手招きした。思ったより展開が早い。やっぱりそういうことかぁ…いざそうなると緊張してしまう。そんでやっぱ美作の美貌にほーっと息を吐いた
「熾くん?って呼んでもいい?」
ベッドに腰掛けるとそう問われた。行為中の呼び方かな?別に構わないけど?
「いいよ。僕は…なんて呼んだらいい?」
「呼びやすいようにどうぞー」
まぁ行為中にきっと名前を呼びたい時があるかもだしその時でいっか…
「わかった」
「熾くん。おいで」
美作は色気増し増しにして笑うと体の向きを変えて両手を広げた。
不思議なものでその声に誘われるようにして抵抗なく飛び込んでいた。
美作の少しだけ早い心音がトクトクと響いて心地良い。美作でも緊張するんだなぁ。…美作の人間らしさに嬉しくなった。
美作を初めてみたときは本当に美しすぎていつも柔らかく笑ってて多くの人に囲まれていて。この人が本物の天使なんじゃないかって思ったことをふっと思い出した。
それから少ししてその柔らかく美しい笑みは僕には向けられないものだと知って…何で僕だけにはそんな風に優しく笑いかけてくれないのかな?ってちょっとだけ寂しくて。それから彼を避けるように生活してた。
それなのに目が合えば長い脚を優雅に動かして僕のとこにやってきて毎度毎度頭を撫でてあのふざけた声で「天使ちゃーん。今日も可愛いねぇ。」ってニヤけながら他の人には聞こえない位の声で囁くのだ。
それが鬱陶しくて仕方なかった。
それを見兼ねて間に入ってくれていたのがあの彼だったんだ。美作がきっかけで彼と仲良くなって告白されて…まぁ盛大に振られたんだけどさ。
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