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第10話

「俺さ。美人じゃん?しかも最上級じゃん?凄い優良物件だと思うよ?」 自分で言ったら世話ないけど…まぁ事実だし頷く 「俺ね元々人に嫌われることなんて皆無なんだけどさやっぱさぁ誰にも嫌われたくはない訳。だからね、常に周りに寄ってくる人たちが俺に何を求めているのか考えて彼らの思う通りの動きをしてきたの。お陰でモテたよ。けどみんなの思う通りの動くのって結構大変なんだよね。そんな時君の噂を耳にしたんだ。天使がいるってね。もしかしてその子も俺みたいな悩みでもあるかなぁ?なんて思って気になって見に行ったんだ」 「そうだったの?」 「うん。噂の人はさ本当に天使みたいに綺麗だった。だけどさ思っていたのと違うなぁって。確かに誰より天使なんだけど…ちゃんと自分を持っててはっきりしてて凄いなぁって感心したんだよね。仲良くなりたくて近付いたけど作った俺じゃだめだなって思ったから始めから熾くんにだけは作らない自分で近付いたんだよ」 「美作は僕にだけ笑顔を向けてくれた事なかったから僕のこと嫌いなのかなぁって思ってた…美作を初めてみたときは本当に美し過ぎていつも柔らかく笑ってて多くの人に囲まれていて本当の天使は美作じゃないかって思ってたんだ。けど…それから少ししてその柔らかく美しい笑みは僕には向けられないものだと知って…何で僕だけにはそんな風に優しく笑いかけてくれないのかな?って。だから嫌われてるって思ってて」 まさか仲良くしたいなんて思われてるなんて知らなかった。 「…あの…美作」 「ん?」 「今まで…ごめんね?仲良くなりたいって思われてるなんて思ってなくて…あの…避けたり…嫌がったりしてごめん」 「ううん。懐かない子猫ちゃんみたいで可愛かったよ。そんなとこにも惹かれたんだけどね」 美作が優しく撫でながら真っ直ぐ慈しむような目で見詰めてくれる。綺麗な人にそんな顔されたら頬が熱くなってしまう。自分でも胸が高鳴るのが分かる 「俺は天使熾くんが好きです。俺に嫌悪感丸出しだったのもみんなに平等で誠実なとこも勿論天使みたいなとこも一杯一杯言葉に出来ないくらい大好きです。だから…俺じゃだめ?俺こう見えて一途だよ?」 あんだけ人に囲まれてて誰にも手を付けてないことはないと思うんだけどな… 「…あ…今すっげー失礼なこと思われてる気配がしたんだけど?俺さぁ…言っちゃうけど…誰かと手を繋ぐのも頭撫でるのも抱きしめるのもぜーんぶぜーんぶ熾くんが初めてなんだからね?勿論キスだってセックスだってしたことないんだよ?」 そんな馬鹿な…そんなはずは…いやいやないでしょ?だってあの美作だよ?  「おーい!黙ってないでなんか言ってよぉ!俺の最大の秘密教えたのにぃ!」 美作が叫んでいる…なんか…可愛いなぁ…って思ってクシャリと髪を撫でる 「ふぇっ?なっ…なに?熾くん」 「なんか可愛いなぁって思って」 「失礼な!かっこいいでしょ?」 なんだかおかしくて2人で顔を見合わせて笑った

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