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第4話
目を覚ますと、相変わらず部屋は暗かったけれど、小さなランプが点いていた。
僕が転んでしまうから、旦那様がつけてくれたのだろう。
ぐるりと部屋を見渡す。
与えられた自室の1/3くらいの狭さで、窓がない。
こんな部屋がお屋敷の中にあるなんて知らなかった。
部屋には、今まさに僕が乗っているベットと、その横に置かれたサイドボードしかない。
本当に…、監禁するためにあるようなお部屋だ。
空腹を感じて、僕は部屋を出ることにした。
以前までは、メイドさんを呼ぶためのベルがあったのに、この部屋にないのだから仕方がない。
ドアノブに手をかけ、開こうとした瞬間、何かが体に巻きつき、僕は縄のようなものでぐるぐる巻きにされその場に倒れこんだ。
な、何が起きたんだ?
困惑して床に転がっていると、旦那様が現れた。
「また逃げようとしたのかい?」
旦那様は怒った様子でそう言った。
誤解されている!
「違います!
お、お腹が空いたのでメイドさんを呼ぼうとしたのですが、ベルがなくて…」
こんな状況でお腹が空いているだなんて間抜けな話だけれど、本当なので仕方がない。
「ああ…。リナリアを監禁していると言ったらメイドたちが大ブーイングで、リナリアを見つけ次第、部屋から出してしまいそうだったから隠したんだ。
すまないね。
今度は私に直通のベルを置こう」
ベルがない理由がよく分からなかったけれど、誤解は解けたようだ。
「申し訳ございません、ありがとうございます」
それはそうと、紐を解いて欲しいんだけど…
そう考えていると、旦那様は僕を抱き上げてベッドに戻した。
縛られたまま…
「朝食を持ってくるから大人しく待っていなさい」と、旦那様は転移魔法で消えた。
メイドさんに居場所を知られないよう、屋敷内なのに転移しているのかも。
すぐに旦那様が戻られて、食事をたべさせてくれた。
「あの…、解いていただければ、自分で食べられるのですが…」
旦那様に食べさせていただくなんて、恐れ多い。
「…、縄が数時間は消えないように設定しているから、今すぐは解けないんだ(大嘘)。
それに、αはΩに食べさせることに喜びを感じるものなんだ」
「そう…、ですか。では、すみませんがお願いします」
僕がそう言うと「ああ、任せておくれ」と旦那様が微笑んで食事を与えてくれた。
全部食べ切ると「まだ食べるかい?」と旦那様に訊かれる。
「いえ、お腹いっぱいです。ありがとうございます」と伝えると「全部食べてえらいな」と頭をなでられた。
僕は旦那様に撫でられるのが好きで、こうされると思わず頬が緩んでしまう。
「ああ、なんて愛らしい」と旦那様が口吸いをしてくれる。
昨夜はしたくても身長差で出来なかったキスができて、僕はさらに嬉しくなった。
「嬉しいのかい?」と旦那様が驚いた顔をしていたので、昨夜はしたかったのに出来なかったという話をすると、胸を押さえて苦しみ始める。
「え、えっ、大丈夫ですか!?
お胸が…、お医者様を呼ばないと!」
と、僕が焦ると「医者は不要だよ。これは、リナリアにしか治せないんだ」と言った。
「そうなのですか?では、治し方を教えてください!どうしたら楽になれますか?」
体の自由が効かないので、うねうねすることしか出来ないんだけれど…
旦那様の手が縄に触れると、なぜか手首の縄だけが残ったまま、拘束が解けた。
「あ、あれ?手首の縄は解けるまでの時間が長いのですか?」
「え?あ、ああ、そうかもしれないね」
旦那様は歯切れ悪く返し、僕の服のボタンを外し始めた。
「え、ええっと…、これは何か…」
何か意味があるのですか?と、問おうとした。
すっかり僕の服を開き切ると、旦那様は僕の胸の飾りに吸い付いた。
「えっ!?ひゃっ…」
ぺろぺろと舐められたり、吸われたりして、僕はされるがままに喘いだ。
ヒートのたびにいじられたそこは、ちょっと刺激されただけで快感をひろい、真っ赤に充血して立ち上がるようになっている。
「あっ…、いやぁっ」
逃れようとしても、手に巻きついた縄のせいでうまく旦那様を押し返せない。
「リナリアが私の胸の痛みを取ってくれると言ったんだよ?責任をとってね」
「へ?」
こんなことが?
よく分からない。
ちゃんと考えたいのに、旦那様に与えられる刺激のせいで、思考はどろどろに溶けていた。
「こっちもすっかり立ち上がっているね」
「ひぅっ!?」
控えめながらもすっかり立ち上がった屹立を握られて、僕は腰を揺らした。
クチクチと少し擦られただけで、すぐに白濁を吐き出してしまう。
「ふふ、すぐに達してしまったね」
旦那様はボタンひとつ外していないのに…
「ご、ごめんなしゃ…、ひっ」
涙ながらに謝ろうとすると、白濁を掬い上げた旦那様の指が僕の後孔に侵入する。
「ああ…、変なものをここに咥え込んだせいで緩くなっているね」
へんなもの…?
そこで蓋がわりに入れた張り型のことを思い出して赤面する。
あんなものを入れたところを見られたのも恥ずかしいし、持っていることを知られたのも恥ずかしい。
「2度とここには私以外を入れてはいけないよ?
……、お返事は?」
「あああっ!?」
僕が返事をしなかったことに腹を立てた旦那様が、中の良いところをグリっと強く押した。
痛くはないけれど、中から押し上げられるようにしてまた射精してしまう。
「返事」
「あ、は、はい!」
もう苦しいから出したくなくて返事をした。
それから、何度もじゅぶじゅぶとそこを弄られて、何度も喘いだ。
満足するくらい吐精はしたけれど…、まだ旦那様を受け入れていない。
「旦那様?も、入ります」
「リナリアがヒートじゃないからね。
それまでは入れないよ。
リナリアが変な気を起こさないように毎日満足させてあげるから安心して」
つまり…、あと2ヶ月は挿入なし!?
いや、今までもヒートの時しか致していないけれど、イカされるだけイカされて挿入なしは辛い。
「やだ!入れてください!」
「…、だめだよ。
避妊薬だって、副作用があるんだから」
「やだぁ…、後ろ寂しいのぉ、旦那様の欲しいぃ」
甘えるようにガブガブと旦那様の腕を噛む。
手が自由にならないから、こう言うふうにしか訴えられない。
「しまった…、これはむしろ心臓が痛いな」
「旦那しゃまぁ…」
「でも、これもお仕置きだからね。
私は仕事に戻らないと」
旦那様は僕から離れて指を振る。
すると、僕の手の紐も解けた。
「やだぁ、せっくすしたいぃ」
と泣き喚く僕を置いて、旦那様は転移した。
ひどい…
しばらくはグスグスと泣いていたが、射精したのと泣き疲れで僕はすっかり眠り込んでいた。
こんなのが2ヶ月も続くだなんて…
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