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第14話

 どうして、こうなったんだろう……。  ほんの数時間前まで家にいたのに、気が付くと、本場のうどんを食べに、こんなに遠くの地へ来ていた。 「はるの部屋付きのメイドだよ」  改めて、陽太から山霧をそう紹介された。そんな大層なもの、自分には勿体ないと思ったけれど、本当は嬉しかった。仲良くなった山霧が部屋に来てくれる事は、春陽にとっても楽しみの一つになるだろうから。 「ありがとう!」と伝えると、陽太も「喜んでくれて良かった」と笑った。  だから、今日も山霧は春陽の部屋を整えて、そのまま一緒にお茶をしてくれていた。  会話が弾む中で、ふと聞こえてきた羽音。小さな頃に聞き覚えがあったことを思い出し、春陽は窓に駆け寄った。そのまま、ヘリコプターのホバリングを確認した時には、すでに駆け出していた。  子供のようだと言われても、気にならないくらい全力で屋敷を駆け抜けて、外へ飛び出る。  着陸したヘリの側に、父の姿が見えた。 「お父さん!」  声を張り上げると、春陽の姿に気付いた翔が視線を向けた。鮮やかな金糸の髪が風に揺れて、優しい瞳が春陽を映す。 「はる!」  大きく広げられた両手の中に飛び込む。全力でぶつかっても、しっかりと受け止めてくれたその強さに、春陽は涙がこぼれた。 「……おかえり、はる」 「ただいま……!」  ぐしゃぐしゃな笑顔で告げると、翔は春陽の涙を指先で拭った。 「辛い思いをさせてごめんね……。無事で良かった」  愛しそうな声色に、離れていても、大切に思われていたんだと実感する。 「お父さんも、元気そうで良かった。……お仕事、終わったの?」  聞くと、ちょっとこっちで用事があって、と翔は笑う。 「だけど、俺の用事はひなが代わってくれたから無くなっちゃった。はる、時間あるよね? 一緒に出かけようか」  え? と疑問符を浮かべたけれど、次の瞬間には、ひょいと翔に抱き抱えられ、ヘリコプターに乗せられた。  あれよあれよという間に、空へ。見慣れた陽月の車を目下に確認したのが最後、プライベートジェットに乗り換えて、連れて来られたのがここだ。 「本場のうどん、食べてみたかったんだよねー」  満足! と伸びをする翔の背中について歩く。うどんなんて街に出ればいくらでも食べられるのに……。翔にしてみれば、どうしても本場が良かったのだろう。 「美味しかったね」  そう言われたので、「うん」と春陽も返事をした。確かに、街のうどん屋よりコシがあって、ダシだって美味しかった。  どうしてこんなところに来たのだろう、と確かに思うけれど、たまには悪くないかもしれない。  自分が急にいなくなって、陽月と陽太は心配しないだろうか……と、ふと思った。けれど、携帯電話を部屋に置いてきたので、連絡の手段もない。  ……まぁいいか。お父さんと一緒なら大丈夫だよね。と、春陽は楽天的に結論付けた。現在進行系で二人の胃をキリキリさせていることなど、知る由もない。  潮風を浴びながら、整備された海岸沿いを歩く。海に向けて突き出したテラスへ行こうと、翔が階段を降りて行く。  春陽もそれに続くように階段を降りる。すっ、と目の前に翔の手が差し出された。 「どうぞ」なんて、まるでお姫様扱いみたいだと思う。陽太のように穏やかな笑みで、陽月のように上品に、エスコートしてくれる。  翔の手を取って、とんとん、と階段を降りる。最下に着くと、翔はにこりと微笑んだ。 「どう? 二人みたいだったでしょ?」 「え?」 「ひなとひいの真似っ子。格好良かった?」 「かっ……! ……あのねぇ、普通、息子にそういうことする?」  わざわざ言葉にされると、一瞬でもときめいた自分がバカみたいだと、悪態混じりに春陽は返す。あはは、と翔は笑った。 「だって、はるは好きでしょ? ひなの要素も、ひいの要素も、俺なら一人で持ってるもんね〜」 「な、なんでそんなに自慢気なの!? そういうこと二人に言ったら、二人とも怒るよ?」 「だって事実だし」 「もう……。喧嘩しないで、仲良くしてほしいよ」  照れた顔を隠さず、唇を尖らせて言う。翔は軽く苦笑をこぼした。 「本当に、はるには劣等ばかり継がせちゃったね……ごめんね」  なぜ謝られるのか、春陽は分からなかった。だから、素直に首を傾げる。 「俺がそうだったからかな……。陽太と陽月には、強い方が遺伝しちゃった」 「……どういうこと?」  気になって聞き返す。翔は少しだけ困ったように眉を寄せたけれど、すぐにいつもの笑顔に戻る。 「……それぞれ、本物だったんだよ。璃々子とも、優実とも」  本物、と聞いて、春陽の心臓がとくんと高鳴る。 「親の恋話なんてつまらないよね。でも……聞いてくれる?」 「聞いてもいいの?」 「良いよ。むしろ、はるには知っていてもらいたいかな」  そう言って、翔は静かに話し始めた。  陽太の母、璃々子は翔の幼なじみだった。璃々子はαだったけれど、翔はそれに疑問を持っていた。自分と同じαとするならば、璃々子は少し、弱かったのだ。  もちろん、女型だったから、そのせいもあるかもしれないとは思っていた。  中学に上がる時にダイナミクスの検査した。そして、璃々子がSub性を持っていることを知った。 「お父さんを落胆させちゃう……。どうしよう……」  そう言って、ぽろぽろと涙をこぼす璃々子を、抱き寄せて、落ち着かせた。その時、翔は気付いたのだ。璃々子とは、ダイナミクス性の相性が、とても良いと。  璃々子との婚約の話が持ち上がった時も、あまり驚きはしなかった。なんとなく、そうなるんじゃないかと、お互い思っていたから。  ただ、おかしな点はあった。璃々子は女性であってもαだ。正直、世継ぎを残せるような体の構造ではないはず。けれど、彼女は普通の女性と同じように、子供を授かれる体だった。 「私ね、おかしいの」  悲しそうに、璃々子は告げた。 「αなのに、生理が来るんだよ……? 変だよね」  苦笑混じりのそれが痛かった。きっと、璃々子自身も気付いていたのだ。本当は、αではないことに。  いつから、なんて聞くことは出来なかった。小さい頃から、翔はそれに気付いていたから。  結婚して陽太が生まれた。けれど、αとしての出産が負担になったのか、精神的にも肉体的にも、璃々子は限界が来るのが早かった。  璃々子亡き後、翔は璃々子の診療カルテを手に入れた。そこに残されていた事実に、翔は憤りを覚えずにはいられなかった。  胎児の時に、璃々子がαではないと分かった丈之助は、その遺伝子を操作していたのだ。一般的には公にされていない、βがαのような性質を持つことが出来るようになる禁忌薬を、胎児の璃々子に使用して……。  璃々子は、何もおかしくはなかった。おかしくしたのは、父の、丈之助だったのだ。  春陽はその話を、ただ静かに聞いていた。「ひなにはナイショね」と言われたけれど、口が裂けても言うことは出来ない。それだけ、悲しい話だった。 「だからね……。怖かったんだ、はるがΩだって知った時、お義父さんが何をするのか……」 「えっ……」 「もしかしたら、はるのことも、いじっちゃうんじゃないかなって……」 「……っ!」  翔のその言葉にゾッとした。あの祖父の事だ、そんなことするはず無い、とは言い切れなかった。むしろ、手を出す事の方が信憑性がある。  璃々子だけではない。あの人は、自分自身ですら変えていたのだから……。  恐怖から、ばくばくと、心拍が暴れ出す。  春陽の持つ、二つの性質のどちらか一つでも変わってしまったら……どちらかとは、繋がれなくなってしまう……。  オメガ性が変わってしまったら……陽月とは……。 「ごめん、怖がらせたね」  震える春陽の体を、翔はそっと抱きしめる。大丈夫だよ、とあやすように背中を叩かれて、少しずつ落ち着きを取り戻していく。 「だからね……俺が優実に頼んだんだ。はるを家から連れ出して、って。お義父さんの手が届かないところへ。瀬野家の人間だって分からないように、はるを隠してって」  春陽は、何も言葉が出なかった。母と自分は、追い出された訳ではなかったのだ。  祖父に追い出されたと見せかけて、本当は、翔と優実はそこから逃してくれたのだ。春陽を守るために……。 「もちろん、優実には十分な金銭支援をしてたんだけど、どこから自分たちの事を嗅ぎつけられるか分からないから、ほとんどそれには手を付けなかったんだよね。引き出す場所も、支店も、毎回違ってた。驚いたよ、優実の真面目さには」  母は、春陽から見れば強い人だった。行政を頼る事も、あまりしなかった。 「だってバカにされてるみたいじゃない! Ωだって、ちゃんと自立して生きれるんだぞって、見せてやりたいのよ!」  母はそう言っていたけれど、事実はどうだったのだろう……。素性を隠すために、敢えて頼らなかったのかもしれない……。 「けどね、ある時から、通帳が一切動かなくなったんだ……。最後に引き出された支店の側を探しても見つからなくて、俺は完全にはるたちの行方を見失ってしまった。……ひながはるを見つけてくれるまで、生きた心地がしなかったよ……。最悪のケースだってもちろん考えた……。もしそうなったら、ひなとひいには、顔見世出来ないなって……思った」  翔の声が震えている気がする。  きっと、翔が春陽たちを見失ったのは、春陽が中学生の頃だ。不幸にも、二人が住んでいたアパートが火事に遭い、持ち物がすべて焼失してしまったのだ。  それから、春陽は母が若い頃を過ごしたという、この街に帰ってきた。  しかしながら、その頃から、母は少しずつ変わって来ていた。何かに怯えるような、そんな表情をしていたこともあった。 「……優実が松前に脅され始めたのも、その頃だったと思う」 「えっ……?」 「優実はきっと、自分たちが瀬野家の人間だってバレたら、俺たちに迷惑がかかると思ってたんだろうね。……どれだけ探しても見つからないなんて、まるでステルス機能でも搭載してたみたい」  苦笑混じりに翔は告げる。  ずっと一緒にいた春陽でさえ、自分の出生については一切知らなかった。父も亡くなったと、勝手に思い込んでいた。  今になって、母がどれだけ上手に、真実を隠していたのかが分かる。 「だから、優実はこの街に帰って来たのかもしれないね……。仮に知れたとしても、瀬野の目の届く範疇なら、ひなやひいが見つけて、何とかしてくれるかもしれないって、思ったのかな……?」  それは、ただの翔の推測にすぎない。  けれど、春陽も同じ事を思う。  現に、陽太も陽月も、ちゃんと春陽を見つけてくれた。迎えに来てくれたのだから。  ともすれば、こんなにも大切にされていたのに、自分は、母に何かしてあげれていたのだろうか……。 「ごめん……俺、母さんを守れなかった……。俺が、そばにいたのに……」 「はるのせいじゃないよ。悪いのは、俺だから」 「でもっ」  後悔を口にしようとすると、翔の指先がそれを止めた。優しく、春陽の唇の前に指先が添えられる。 「はる、俺のお願い、聞いてくれる?」 「お願い?」 「そう。大事なお願い。……二度と俺が……俺たちが失敗しないように」  俺たちとは……つまり、翔と陽太と陽月と……三人の事を言っているのだと、春陽は理解する。こくり、と頷くと、翔は優しく言った。 「頼ってね、俺たちを。困ったこと、して欲しいこと、何でも言って」 「……それだけ?」 「それだけでも十分なんだよ。あのね、俺たちは、力はあるんだ」  翔は春陽の目の前で、拳を握って言った。 「はるを助ける力も、幸せにする力も、俺たちは持ってる。だけど、気付く力がないんだ。力が有るのが当然だから、ない人の事は、よくわからない。……だから、言ってくれないと助けられない。言ってくれたら、助ける事が出来るんだよ」 「あ……」 「素直に頼って、甘えてほしい。本当は俺よりも、陽太や陽月に。だって、はるは二人の“本物”なんだから」  翔の瞳が揺らぐ。後悔を乗せた涙がその頬をゆっくりと伝った。 「ごめんね。これは完全に俺のエゴなんだけど……、陽太と陽月に、俺と同じ思いはしてほしくないんだよ。俺は……璃々子にも、優実にも、何もしてやれなかったから。力だけあったって、気付けなければ、それは無力と同じなんだよ」  翔の辛さが、春陽にも痛いほどに伝わってくる。明るくて気丈な父が、こんなにも後悔を抱えていること……それから、たくさんの愛情を自分たちに掛けてくれていること。それが春陽は嬉しかった。弱々しく震える翔の手を優しく両手で包み、春陽は微笑んだ。 「……分かった。ちゃんと言う……。だから、もう自分を責めないで……」 「春陽……」 「少なくとも、母さんは父さんを、無力だとは思っていないよ。みんなのことが大切だから、頑張ってたんだと思う」  真意は分からない。けれど、同じ立場なら、春陽もそうするだろう。  そして、誰を恨むことなく、いつか再会出来たら……そう願うに違いないから。  ありがとう、と翔は笑った。春陽も、笑い返す。 「本当、はるは強くなったなぁ。あんなに泣き虫だったのに」 「あはは……。今も泣き虫なのは変わらないよ」 「ねぇはる。もし、ひなにもひいにも言えない事があったら、俺に連絡して。それか、颯真に」 「そうま……さん?」 「俺の執事だった子。雅明の弟だよ。瀬野家の執事長として、連れ帰って来たから。……って言うのは半分建前で、本当は俺の内通者として置いておくから」 「えっ!?」 「だって、ひなもひいも、俺に隠し事が多すぎるんだもん。はるが帰って来たことだって、俺が聞いたから分かったんだよ!」  ひどいよね、と拗ねる。それに関しては春陽も知らない話だから、何も言えない。 「大体、みんなの俺のこと何だと思ってんだろう? 帰って来ただけで怒るしさぁ〜」 「……怒るっていうより、驚いてるんじゃないの? いつも突然帰って来るから……」 「ちゃんと連絡してるよ。今から帰るよって。……今回も…………ん?」  はた、と翔は動きを止める。少しだけ考え込んで、ああ! と声を上げた。 「今回は帰るって言ってないや!」  あはは、と翔は無責任に笑う。春陽は思わずため息をついた。 「ほらぁ〜! だから、ひな兄もひいも怒るんだよ」 「まあいいや。はるとデートしに帰ってきたって事にしておこう!」  けろり、と翔は言い切った。羨ましいくらいの前向きさだなと、春陽は思う。  そんな二人の側に、ヘリコプターが近づいて来る。あ、と翔が空を見上げた。 「お迎えだ。帰らなきゃ」  ホバリングを始めたヘリから、スルスルとはしごが降りてくる。開いた扉から、翔の執事である寿津彦が顔を覗かせていた。 「翔様、時間ですよ」 「はいはーい! ……じゃあね、はる。また帰るから、元気で」 「うん。お父さんも、気を付けて」  別れ際にハグをして、翔ははしごを掴むと、空へ舞い上がる。 「そうだ、はる! カンガルーは好き!?」 「えっ、カンガルー!?」  突然、何を言い出すのだろうと春陽は困惑する。 「カンガルー! 可愛いよね!」  「か、可愛い……かな?」 「カンガルー嫌いー!?」 「えっと……嫌いじゃないよー!」  飛び去って行く翔に叫んだけれど、聞こえただろうか……。 「……カンガルー……可愛いかな……?」  好きでもないけれど、嫌いでもない。そもそも、あまり興味を持った事がなかった。本物は動物園で見たくらいで、好きかどうかなんて、真面目に考えたこともない。 「……あははっ、よく分からないや」  春陽は小さくなっていくヘリコプターを見つめながら、笑みをこぼす。  何だか、あっという間だったけれど、とても大切な時間だった気がする。 「さて……俺も帰らなきゃ」  くる、と海に背を向けて、春陽は動きを止めた。自分の現状を思い出し、さあっ、と顔から血の気が引いていく。  ……帰るも何も、どうやって……?  携帯は部屋だ。公衆電話を使おうにも財布を持っていない。そもそも、ここは何処なのだろう。正確な位置すら春陽には分からなかった。  ど、どうしよう! 帰れなくなっちゃった!!  オロオロ、と挙動不審に頭を抱える。翔といる間に、陽太と陽月に連絡を取って貰えば良かった。なぜ今までそうしなかったのだろう……。 「俺のばかぁ〜……どうするんだよぉ……」  じわり、と情けなくも泣きそうになる。と、遠くから春陽を呼ぶ声が聞こえた気がした。  慌てて顔を上げると、階段の向こうに陽月がいた。 「っ、はる!!」 「ひいー!」  同時に駆け出して、抱きしめ合う。 「はあ、はぁ、良かった……。やっと見つけた……」  陽月は息を整えるのも忘れ、ただ腕の中のぬくもりに安堵する。 「うわ~ん! 帰れないかと思った〜!」  春陽が安心して叫ぶと、次いで陽太も駆け寄ってくる。 「はる! ……ああ良かった。心配したんだよ」 「ひな兄!」 「全く、勝手に父さんについて行くからだろ」  珍しく眉を吊り上げて、陽太が怒る。「ごめんなさい」と春陽は謝った。 「知らない人……ではないか。とにかく、父さんについて行ったら駄目だって」 「だって、お父さんだったから……」 「父さんなんて一番駄目だろ。どこ連れて行かれるか分かんないんだぞ!?」 「いや、お父さんどんだけ信用ないんだよ……」 「「ないよ! 信用なんて!」」  陽月と陽太が同時に叫ぶ。ええ……と春陽は困惑した。 「まあまあ、無事に見つかったんだから、良かったじゃないですか」  加谷が二人をなだめに入り、 「お怪我はございませんか?」  雅明は春陽にそう尋ねる。 「はい。大丈夫です……」 「なら良いのです」  にこり、と雅明は笑った。  せっかくだからうどん食べて帰るか。と、全員で近くの店に入った。入り口に書いてあった通りの手順でうどんを頼み、席につく。 「ねえ、どうしてここが分かったの?」  気になって聞くと、颯真に聞いた、と陽太が答えた。 「父さんが本場のうどん食べたいって言ってたらしいから……なら、ここかなって。とりあえず飛んで来たんだよ」 「そうなんだ」 「その後は勘」 「空港からここまで、よく迷わずに来ましたよね」 「さすがは陽月様。お見事でしたね」 「本当にね。ひいのその勘を、少しだけ分けてもらいたいよ」  称賛を受けて、陽月はうどんを啜る手を止めた。 「わかるよ、なんとなく。双子なんだし」  当然のように陽月は言うけれど、それにしては精度が良すぎる、と誰もが思った。

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