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第2章 禁じられた恋3

「……こんなことをして何になるの? きみの家族は怒るし、神父様やシスターたちだって困り果てるだけだよ。神様は僕らをお許しにはならない」 「だったら、今すぐ俺を突き飛ばせばいい。『酒に酔った兄貴分に襲われた』のは、おまえだからな」 「違うよ、ヒロ。僕が拒めばよかったんだ。でも己の欲に負けて、きみを求めた」  背中にカイトの腕が回る。  それだけで俺には充分だった。後ろ指を指されて村から迫害されたり、法に基づいて死ぬことになっても、最期の瞬間まで大好きな人のそばにいられるなら構わないと思ってしまったんだ。 「だったら問題ないだろ。俺も、おまえも同じ気持ちなんだ。たとえ夫婦になれなくても、病めるときも、健やかなるときも喜びや悲しみを分かち合えばいい」  そうして、この日から俺たちは神や大切な人たち、周りの人たちをあざむく生活を始めたのだった。

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