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第45話 オレの全てを明け渡したい
アクセル様は、今までこんなこと思ったこともなかったのに不思議だって言ってたけど、オレだって不思議だ。
こんなに強引なキスをされても嫌じゃない。むしろ、気持ちよくって興奮してるなんて。
「唇がぽってり赤くなった……可愛い」
嬉しそうに言ったアクセル様が、またオレに口づける。
チュ、チュ、と可愛いリップ音を鳴らしていたと思ったら、あっという間にまた貪るようなキスになった。夢中でそれに応えていたら、する、とアクセル様の手がオレの肌の上を滑る。
さっきまで布越しだったのに、突然もたらされた直接的な刺激に、オレの身体は大きく跳ねた。
それをなだめるように、アクセル様の大きくてゴツゴツとした手がオレの肌を撫で、唇はさらに強く吸われて上あごをチロチロと優しくくすぐられる。
思いがけない繊細な動きに身体の芯に痺れるような快感が走って、唇の端から飲み込み切れなかった唾液が零れ落ちた。
「たまらないな……」
フ、と笑ってアクセル様がオレの首筋に顔を埋める。
「ひゃ、あっ」
その熱い舌がオレの首筋を舐め上げる。そのまま耳朶をはむはむと食まれて、オレの身体はふるふると戦慄いた。
「ふぁ……や、だ。あぁっ」
耳元でアクセル様がフフッと笑うとその吐息がかかって、それすらも気持ちいい。
「耳も弱いのか。またひとつイールのことが分かった」
嬉しそうな声でそんな事を言われると、恥ずかしいのに拒めない。第一、キスもこうして触られたり舐められたりするのも気持ちよくて。
他人からこんなことされるのが、こんなにも気持ちよくて幸せだなんて知らなかった。
耳の中まで舐められて、少しも触られていないオレの中心がしっかり立ち上がって震えてるのが感じられて、恥ずかしくて身を捩った。こんなのが知られたら、期待してるって思われ……
「ああっ!!!」
急に乳首をくにゅ、とつぶされて、ひきつったような声が出た。
「気持ちいいのか?」
驚いただけ!
驚いただけだって言いたいのに、くにゅくにゅと弄られるとなんだかジンジンともどかしいような快感が襲ってきて、ますますオレの中心が昂ってくる。
「すごい……こんなに勃って、気持ちよくなってくれたのか」
「っっっ!!!」
ツウッと大事なところを指先で撫でられて、オレは息を呑んだ。
恥ずかしくってアクセル様の体の下でなんとか身を捩って体を丸める。横向きになって胸とアソコを守るように縮こまったら、アクセル様がオロオロとオレの顔を覗き込んできた。
「すまん、嫌だったか? つい、イールが可愛すぎて調子に乗ってしまった」
「い、嫌ってわけじゃ」
しかも、調子に乗るって。アクセル様が調子に乗ることなんてあるのか。
「嫌じゃないのか?」
「は、恥ずかしいっていうか。変な声出ちゃうし、こんなの、初めてでどんな顔していいか」
「そうか、それは俺も同じだ」
オレの頬をそっと撫でながら、あやすようにアクセル様が声をかけてくる。
「参ったな。イールを前にするといつもの冷静な自分でいられないんだ。イールが嫌じゃないなら、もうちょっとだけ触れていたい。嫌ならはっきり言ってくれ、善処する」
「善処するって」
やめるって明言しないのがなんかアクセル様っぽい。
自分がやりたいと思ったことには一直線。ちょっとやそっとじゃ諦めない、そんなアクセル様らしさがこんな場面でまで発揮されるなんて。
それが面白くもあり、その情熱を向けられている事がたまらなく嬉しくもある。
ああオレ、本当にアクセル様に惚れちゃったんだな……そう気がついてしまうと、恥ずかしくて混乱してドキドキして慌てるだけだった気持ちが、多幸感に置き換わった。
アクセル様がオレを求めてくれるというんなら、オレの全てを明け渡したい。
そんな気持ちでアクセル様をみつめたら、なぜかちょっと心配そうな顔が近づいてくる。
「イール、涙が……すまん、泣かせてしまった」
いつの間にかじわりと出ていた涙をそっと指先で払って、アクセル様がそっとオレの目尻にキスを落としてくれた。
うわぁ、こんなことするんだ……初めて会ったときの仏頂面からはとても想像できなかった優しくて甘い表情に、また恥ずかしくなって、顔に熱が集まってしまう。
「そうやって頬を染められるとやっぱり嬉しいものだな」
嬉しそうにそう呟いたアクセル様は、オレが恥ずかしさに両手で顔を覆った隙にオレの大切なところに手を伸ばした。
「うあっ……」
すっかり勃ってしまったアソコをゆるく擦られて、直接的な刺激に身を固くする。
「あ、そんな、ダメ……!」
慌ててアクセル様の腕をつかんだけど、オレごときの腕力じゃアクセル様の鍛え抜かれた腕を止める事なんて到底無理だ。
しかもゆるゆると擦られるのがあまりにも気持ちよくて、そもそも力なんて入らないし。
人に擦って貰うのなんて初めてで、こんなにも気持ちいいなんて知らなかった。
「やっと顔を見せてくれた」
アクセル様が嬉しそうに目を細める。
「はぁっん、あ、あっ……んぅ……」
「気持ちいいか?」
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