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*第77話 もう、我慢できない
「…慧?」
不思議そうに見る高村の顔を、日比野は数秒黙って見つめていた。
自分の身体がおかしいのか、恥ずかしくて言えずにいた言葉。
でも今の日比野はもう限界だった。
目が潤んでいるせいか視界もぼやけているし、途中で止められている感覚の疼きで頭が回らない。
「…さいごまで、して…」
「…」
「もう…がまんできない…」
「…、さと…」
日比野の手が、高村の履くルームウェアの腰の辺りに下りる。
「しょお…、の、欲しい…」
「!!」
ブチッと、何かが切れる音が高村の頭の中で確かに聞こえた。
多分、理性であったんだろうと思う。
そこから先は、断片的にしか覚えていない。
噛み付くようにキスをして、日比野の息が上がってとろりとした目で見つめてくる瞳にまた煽られて。
日比野の膝裏を持って、それでもカケラ残っていた理性でギリギリゆっくりと押し入った。
「……っ、あぁっ、あ…」
「……、く……っ」
気を抜くと持っていかれそうな熱さに一度動きを止めて息をはく。
(…好きすぎておかしくなりそうだ)
愛おしさと幸せを確かに感じながら、日比野の頬を撫でた。
「…痛く、ない…?」
は…、は…、と浅い息を繰り返す日比野が、くしゃりと泣きそうな顔をする。
「おれ…、変だ…っ、どうしよう…」
「え、痛い?」
「ちがう…っ、
…きもちい、もう、やばい…っ」
うるうると今にも溢れそうな涙を溜めて日比野が訴える。
二度目の理性が飛ぶ時は音もしなかった。
伸ばされた手が高村の首に回り、キスを繰り返しながら深く繋がる。
酸素が足りなくなったのか唇が離れた時、内腿を震わせて日比野が果てた。
もう少し紳士的ならここで終われたんだろうけど、高村も、そして日比野も、もうどうしようもなくて、そこから先は、数なんて分からなかった。
「あぁっ、あっ、あんっ、あぁ!」
「…っ、……んっ、!!」
互いに全部を吐き出してようやく眠りについたのは、空が少し明るくなってきてからだった。それでも、互いに離れる気にはなれず抱き合ったまま眠った。
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