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2 (ライラside) 「ぅ…体痛ぇ…」 唸りながら目を覚ます。ここは…昨日の宿屋か…。 ベルブが来て… また、あんなことをされて… ボッ、と顔を赤らめながら、利き腕を見た。左手は確かに手当てされた跡が残っていて、バスローブをしっかりと体に羽織ってる。 たぶん俺、最後… "イグッ…ベル、ブぅ…っ、イくぅ…ッ" "一緒に…出しちゃおっか…っ、ライラ…" "あぁ"…っ、んっ…!…ぁ!ああっ!" 「うっわ、恥っず…」 頭を抱えながら、昨日の最後の記憶を思い出して体が熱くなる。顔から火が出そうだ。またあんな醜態さらして… つーか、あの悪魔…! 俺と…セ、セックスするとか言いやがった…! 無理だ…あんな狂暴なものが俺の腹におさまるわけがねぇだろうが…! なのに、期待してしまった…。欲しいって、きっと媚びるような顔して…あの悪魔のこと見ちまった…! 「有り得ねぇ、マジで…。そんな関係までなったら…エクソシストの仕事にも支障が…」 そうだ、先日の悪魔祓いでさえ、あんな状態だったんだ。ターゲットに悪魔との関係を見抜かれたら…信仰心が揺らぐ…。 最強のエクソシストが名折れするぞ…!? 「うぅ…、でも…考えるだけで…体熱くなる…」 無意識に膝を擦り合わせ、腰が甘く揺れそうになる。その時、ズキッと背中に痛みが走り、眉間に皺を寄せた。 「チッ…体痛すぎてロクに抜くのもできねぇのか…」 額から汗を流し、自嘲しながら腰を押さえた。 あぁもういい、萎えた。寝よ…。 「って、寝てていいわけねぇ…!」 この宿、延泊するつもりじゃなかったのに、大丈夫なのか…!? 時間をチラリと見ればとうに昼を過ぎている。それなのにスタッフも起こしに来ないし…。 痛みが走る体を引き摺りながら這い上がると、古びた受話器を取って、フロントへ連絡する。 『あぁライラ様。大丈夫ですよ。延泊分のお駄賃はいただいております。』 そんな女性スタッフの声が返ってきて、「はぁ?」と、気の抜けた声で返す。 『今朝早くに、ライラ様のお知り合いだという方が払っていかれました。』 ま、まさか… 「どんな奴だ…?」 『えぇっと…背の高くて…イケメンで…白くて長い髪の…』 受話器の向こうの女性の声が艶っぽく熱を帯びながら、"代金を払った"という男の正体を告げる…。 「そ、そうか…。つーか、何かされてないか?大丈夫だったか?」 ふと、アイツは悪魔だったということを思い出し、反射的にエクソシストとしての庇護欲から尋ねる。 『いえ、何も。お駄賃だけ支払って帰られました。言伝も特に聞いておりませんが…』 「あぁ、ならいいんだ…」 『どうぞ、ごゆっくりお過ごしくださいませ。』 電話をガチャンと切った。 「ベルブ…余計な世話を焼きやがって…」 なんだよ… 俺のこと全部分かってるみたいで… それに朝早くに代金を支払って、って言ったな。 朝まで俺のそばに居たとでも…? クソ、意識飛ばしてて、あの後のことが全く分からん。 額に手を当て頭を抱えながら項垂れる。 「…はぁ、好き」 と、消え入りそうな声で呟いた。 正直、特別扱いされてるみたいで嬉しい。 どうせあんな面のいい悪魔には、俺みたいな都合の良い暇つぶし相手が沢山居るんだろうけど…。 しかしあの悪魔にまた借りを作っちまった。最強のエクソシストが情けない…。 それに今日は動けんな… 報告書をまとめて、少し休むか。 明日からはまだ案件があるし、早く終わらせねぇと…。

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