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(ライラside)
ベルブと2人で城の広場に出ると、そこにはルゼブとマーレが立っていた。そしてあちらこちらに召使いたちが広場の隅に控えている。
「数日向こう で過ごすが、暇を見てこちら にも来る。見送りするほどのことじゃない」
ベルブは呆れながら呟く。一方でマーレは静かに微笑みながら立っていて、その隣でルゼブは泣き出しそうな表情をしていた…。大袈裟な…、と思ったが…。まぁ、それほど兄貴のことが好きなんだろうな…
「兄様ぁ…寂しいですっ…。また人間界へ行ってしまわれるなんて!」
「たった数日だ。戴冠までに親父と話さなければならん事もあるし、定期的に帰る。もし親父が地獄から帰ってきたら、俺に知らせを寄越してくれ」
「承知しました…。しかしお父上は、最近ほとんど地獄の方でお忙しくされており…」
「そうだな、前よりも付きっきりだ…。何かあったのか?」
兄弟の話がそのような雲行きになると、俺も心配になってくる。その地獄って場所は…ベルブが王になれば、ベルブが管理するようになる場所なんだよな…。
管理って具体的に何をするんだろうか…。何も分からねぇな。今度ベルブに聞こう…。
「えぇ。"歪 み"ですよ…」
ルゼブはそう言った。
歪み…?
一方で、ベルブは何か考えるように顎に右手を当てた。
「あぁ…昔、勉強したものだな…」と、ベルブは呟き、ちらりとマーレを見た。そうか、マーレはベルブたちの教育係だったと聞いた。そのような教育を受けることも、この王族にとっては必須のことなのかもしれないな…。
「そうですね…。地獄に堕とされる人間の魂や悪魔が増えるほど、歪みは起こりやすくなる。お父上はその都度、地獄の歪みを修復させていらっしゃいますから…。今回も、いつもの容量過多での歪みでしょう…」
「ふん、そうか…。地獄のことも学び直さなければならんな…」
ベルブはそう言って、小さくため息を付く。
あぁ、ベルブ、大変そうだな…
だが、奴の横顔には、毅然としたような決意の色が宿っている。
奴も大分…王になる覚悟と言うか…
なんだか、顔付きが凛々しくなってきた。
俺と2人きりの時はいつものベルブだが、ルゼブやマーレ、召使い、他の悪魔たち…この魔界で他の奴らと接する時、ベルブの表情に威厳と覚悟を感じる。
…いいツラしてやがる。俺も、コイツを支えたい。
「ライラ…そろそろ行こう…」
ベルブは不意にそう言って、俺の腰に腕を回して抱き寄せた。
「っ…お、おい…!皆見てる…!このっ…」
赤くなる顔でベルブを睨みつけるが、奴は優雅に微笑む。
「ふふ、坊っちゃま。ライラ様をあまり困らせぬよう…」
マーレまでそんなことを言い出すから、俺はどうしていいか分からずに顔を両手で覆う。
「は、早く人間界へ飛ばせ…!耐えられん…っ」
「俺の姫がこう言ってるから、もう人間界へ戻らせてもらう。ルゼブ、マーレ、何かあればすぐに知らせろ。では…」
ひ、姫だと…!
クソッ…
弟とマーレの前でなんてことを…!
しかしその途端、ベルブの魔力が立てる例の音……
沢山の虫が翅を擦り合わせて飛び回るような音が耳にこびりつき……
真っ暗な霧に視界が包まれていくような感覚になり、こうして瞬間移動させられることにはまだどうも慣れなくて、ギュッと目を瞑る――。
ーーーーーーーーーーー
「ライラ…」
「っ…おい…!もうおっぱじめる気か…!」
人間界……見慣れた俺の家の寝室にこの体が飛ばされた途端、ベルブが俺の体をベッドに押し倒していた。
「当たり前でしょ…?昨日の償いに…」
「償いだと…!?チッ…都合の良いこと言いやがって…♡」
ベルブの絹のような美しい髪が俺の方へ垂れ下がり、真っ赤な瞳が俺を情熱的に覗き込んでいた。そんな目で見られたら、この体はもう、抵抗も何もできなくなる。
昨日、途中でベルブが寝ちまったもんだから…。口先で文句を吐くが、正直言うと、コイツと早くこうしたくて堪らなかった…。
宴の場では、圧倒的な美しさと王の威厳を見せつけていたくせに。今俺の体に覆い被さるこの悪魔は、恋人の……いや、伴侶としての、甘い表情だ。
胸が苦しい…心臓の音がコイツにバレてしまいそうなほど、バクバクと煩い…。コイツと2人きりだ。人目を憚らず、ベルブと触れ合える。待ち遠しかった。
ベルブを受け入れるように、いや、寧ろ、俺の体へ引きつけるように……その首に両腕を回して、引き寄せる。早く…キスされたい。もっと触れてくれ…。
その渇望を込めながら、ベルブのその端正な顔を…うっとりと見つめてしまう。
すると突然、ベルブは少し悪戯な表情を浮かべて微笑んだ。
「な、なんだよ…その笑みは…。…録でもねぇこと考えてんな…?」
額に汗を滲ませながら尋ねた。ベルブの整った唇がさらに弧を描き、妖艶な笑みを投げかけてくる。俺の狙うかのような鋭い目つきを向けられて、ゾクリと背筋が震え、呼吸が浅くなっていく。
この悪魔、何を考えてやがる…。
そんな顔して…俺をどうする気だ…?
そんな目で見られたら……もっと体が熱くなる…
あぁ、もう…どうにでもしてくれ…♡
俺の体は……もう、コイツ無しじゃ居られないほど、おかしくなってんだ…。
「…ライラ。お願いがある…」
「っ……内容による…。言えよ…」
「ふふ。聞いたら、叶えて貰わないと…」
ベルブはそう言って、意地悪な笑みを浮かべて俺の頬を撫でてくる。
とんでもねぇ願いだったら…?
いや、もう何もかもコイツに捧げてるんだ、今更何を言われても…。
「いいから、さっさと……言えって…」
「じゃあ、待ってて。モノを取ってくる」
はぁ?何を言ってるんだコイツは…。
戸惑っている間に、ベルブはいつもの音を立て、一瞬で姿を消し去っていた。
「…お、おい!ベルブ!?」
寝室に1人残され、アイツがどこに消えたのかも分からず…。呆然としながら数秒経つと、また例の音を立てながら黒い靄が目の前に出現し、中からベルブの姿が出てくる。最早、この瞬間移動には驚かなくなっていた。
「…コレ、着て?」
そう言ってベルブが取り出したのは…
「…阿呆か、お前は…!なんでこんなもの…!」
俺のスータンだ。エクソシストだった頃に使ってた服…。
こんなものをこの家のクローゼットから取ってきたんだんだな。
つーか、これを着て欲しいだと…!?
コイツ、昨日の夜のでコスチュームプレイみたいなもんに目覚めたのか…!?
「昨日の続き。コレ着てシよう?」
「馬鹿野郎か!お前は…!俺はもう聖職者でもエクソシストでもないんだぞ!」
「いいじゃない?神父様と悪魔ごっこ、しよう?」
「なっ…!?変態趣味に付き合わせるな…!」
「……無理矢理着せようか?」
む、無理矢理とか…!
そんなにこの変態プレイをしたいのか…?
こんの悪魔っ…!
「それはこういう場で使う服じゃない…!」
ベルブの手からスータンを奪おうと左手を伸ばす。しかしベルブは身を引くようにしてそれをかわした。
「神聖なもの…?」
「そうだよ!分かってるなら返せ…!」
エクソシストも聖職も辞めた俺が、今更そんなものに身を包むなんて。俺はコイツに何もかも捧げたのに、わざわざそんなことをさせなくてもいいだろ…。
「…でももう、ライラには必要のないものでしょ?ライラがそんなに反応するなんて…。これはただの服だよ。神聖だなんて言葉を言うなら、俺はその服ごとライラを穢したい」
「はぁ…!?何を言って……」
「早く着て。その服を着たライラを犯すから」
「っ…」
なんで怒ってるんだよ…。そんな怖い顔して…。いや、よく分からんが、妬いてんのか…?信仰心に妬いてる…?
いや、俺には信仰心なんてもう残ってない。
そんなつもりじゃなかった…。長年の習慣みたいなもので、反射的にこんな反応をしてしまった。そうだ、別に…今の俺にとっては、あの服も悪魔と戦うための神聖な物でもなんでもない。
証明してやる…。
「分かったよ…!着ればいいんだろ…!」
スータンを取り上げ、纏っていたワイシャツの上から袖を通す。
チッ…ボタンが多いんだよ…めんどくせぇ…。
そう思いながらテキパキと身に纏うと、ベルブはどこから引っ張り出してきたのかストラまで差し出してくる。邪魔だからあまり使ったことはないが、そのストラも適当に両肩に掛けた。
全てを身に着け終わると、「満足かよ…」と、不貞腐れたような声で呟く。するとその途端、着替えるために立っていた俺を寝室の壁に突然押し付けてきた。
「ぐっ……♡…なん、だよ…っ」
急に距離が近くなって、ベルブに背後から密着され、目の前は壁だ。逃げられない状況になってしまうと、なぜか興奮して……体が熱くなる。
体を捩りながら首を回し、背後をできる限りで見つめた。ベルブの顔がすぐ側にあって…俺の耳に吐息を吹きかけてくるからゾクゾクする。
ベルブは低い声で囁いた。
「すごく似合うよ。清楚で、禁欲的で……」
「っ…」
清楚…?禁欲的…?
たしかに見た目はそうかもしれないが、俺はもう…ベルブの体がこうして近付くだけで……ケツの中、疼いてっ……♡
勝手に、この体がコイツに犯される準備をするみてぇに…熱くなっちまう。
「抵抗してよ…これから悪魔に犯される神父様として…」
何を言ってやがる…
…抵抗するなんてできるわけが無い。つーか、神父役なんてできるか…!小っ恥ずかしい…!
…それに俺は、もう何もかもお前に捧げた。
なのにまだ、欲しがって、そうやって妬くのか…?
コイツの、理解しがたいまでの嫉妬や執着の底深さを知るほど、何故かゾクリと体が粟立つ。甘美に感じられて、倒錯していく…。
それがお前の愛でもあるんだろ…。
どんなお前も愛したいし、愛されたい。
「無理だ……もうっ、…お前のこと早く欲しくて……♡」
「…凄く可愛いね。…こうしたら、もっと雰囲気出る…?」
ベルブが言った次の瞬間、冷たい風がブワリと吹き抜ける…
背後でベルブが、本来の悪魔の姿になっていた。黒く大きな翼があって、角や尻尾まで見える…。綺麗だ…。見とれちまう…呼吸が止まるくらい、美しい…。
ますます抵抗なんてできなくなる。よく分からん"ごっこ"とか、もうどうでもいいだろ…。
この悪魔を独り占めできるんだ…
あぁ、服も邪魔だ…その手で直接、この熱い体に触れてくれ…
「…" 悪魔に抵抗する高貴な神父様役 "、なんて……もうできないかな…?早く欲しくて堪らないって顔してるね、ライラ…」
「…っ、できるわけ…ねぇだろうが……。昨日もお預けされたんだ…。だからっ……早く…」
ベルブの体に自ら臀部を擦り付け、腰が淫らに揺れる。
早く……好きだって言われながらめちゃくちゃにされたい……♡
「お願いだ……お前のデケェチンポ……ケツの奥に欲しい……っ♡」
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