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(ライラside)
"あぁ…また飛んじゃった…"
ベルブの…声……?
"起きて…ライラ……"
そんなベルブの声と共に…
バチュンッ――…!!
「ン"ッ…ほぉぉ"…っ♡」
あ…♡
イってるっ…
奥までベルブのペニスが貫いてきて、白目を剥きそうなほどの激しい絶頂が脳天を突き抜けた。
「ぉ"……♡…ぁ"っ……♡♡」
イッてるのに…一番奥にゴリゴリと先っぽを押し当てられて…
「んぅ"……♡…ぁ"……ぎ…もち…ィッ…♡」
虚ろな目を開けて、涙で潤んだこの瞳は何を見ているのか…。後ろからベルブに腰を抱かれたまま、背中や首筋に吸い付かれるのを遠くに感じる。
卑猥な水尾と共に腹の中で暴れるベルブのペニスが引き抜かれ、もう一度腹の奥へ突き立てられた。
「お"ぉっ♡…あ"あ"ッ…イグゥウウッ…♡」
自分の汗や体液でぐっしょりと濡れそぼったシーツを掴み、反り返ったつま先がマットレスへ食い込む。ガクンガクンと激しく体が痙攣して跳ね上がり、次の瞬間には腹の中でベルブのペニスがビュクビュクと脈打つ。
「…ん"っ……♡…はぁ……熱ぃ…っ…」
そのまま抱き締められて、耳にまでキスを落とされる。繋がった場所から甘く蕩けあって1つになってしまいそうなほど、至福の一体感だ。
「…少し…休憩する…?」
ベルブは優しい声で囁き、ハァハァと乱れた呼吸を直ぐに整えていく。奴は、俺の額に汗で張り付いた前髪をその指でそっと撫で付けてきた。
「…ん……まだ…こうしてたい……」
繋がったまま抱き締められて、離れたくなくなる。ベルブが少し動くだけで、熱を持った結合部から奴の精液が溢れ出す。何度も中に出されて……溢れてくる…。
「…大丈夫?直ぐに戻るよ、水を持ってくる」
「…いい…。まだ……離れたくねぇ…」
「声枯れてる。ごめんね、無理させたね…?」
「違う、無理してねぇ。俺が…もう1回欲しいって言ったんだ…。喉なんてすぐ戻る…」
何度も体を重ねて交わって、それでもまだ欲しいと言ったのは俺の方だった。ベルブが嬉しそうに応えてくれるから、いっぱい強請ってしまった…。
キスしたくて首を捻ろうとすると、ベルブが俺の体を優しく支える。動いたせいでペニスが抜けて、体がまだ敏感に震えた。中にあったものが卑猥な水音を立てて溢れて羞恥心に襲われるが、唇を重ねるため顔を上げる。
ベルブは全てを察したかのように、チュ…と、優しく俺にキスをした。柔らかな手付きで俺の頭を撫でるその手のひらの感触を感じながら、ベルブの厚い胸板に顔を埋める。
「…一緒に...キッチン行く……。やっぱ、水…」
「一緒に?休んでていいよ。歩けるの…?」
「……無理かも、だけど…」
顔を真っ赤にさせながら呟くと、ベルブはクスリと笑った。
「お姫様抱っこのご所望かな?」
「〜っ…」
恥ずかしいが、それでもいい…。また魔界に戻ったらコイツと離れる時間も増えるかもしれない。今はなるべくそばに居たい。
ーーーーーー
ベルブに抱えられリビングに入ると、奴は俺をソファーへと丁寧に降ろした。裸体に寝巻きのガウンを肩から掛けた体をそれに預けて、すぐ側にあるキッチンからベルブが水を取ってくる。「どうぞ」と差し出されたグラスを受け取って、枯れた喉を潤す。
ベルブも、俺のガウンを纏っており、腰の紐を結び直すように触りながら隣に腰掛けてくる。穏やかな時間が流れる...
俺は無意識に片脚を小刻みに揺さぶり、貧乏揺すりをしていた。
セックスした後、煙草吸いてぇ...。
「...そうだ、ライラ。煙草は?」
ギクッ...として、貧乏揺すりをしていた膝を止める。
「ぁ......いや、…その......煙草は要らん...」
「どうして?吸いたいんでしょ?」
揺らしてしまっていた方の脚を撫でられて、ベルブの観察眼と勘の良さに動揺した。
「...辞めたんだよ」
ポツリと呟くと、ベルブは頭の上に疑問符を幾つも浮かべたような表情で俺を凝視する。
「たしかに少し前から煙草の匂いしなかった。辞めた?なんで...?」
尋ねられると、顔が一気に赤くなるのを感じた。それを隠すように顔を伏せ、そっぽを向く。
「お、お前の子供......産むから...禁煙しなきゃ...悪影響が...」
「...へぇ。俺たちのために...?禁煙したの?」
「そうだよ...!」
顔から火が出そうなほどになりながら、ベルブの方を睨むように見つめたら......ベルブはその整った顔をフワリと優しく緩ませていた...。
なんて顔しやがる......
すっげぇ...キュンとする......♡
「...あんなにヘビースモーカーだったライラが禁煙までするなんて。嬉しいよ。俺たちの今後のために...そうやって考えてくれるところ、好きだよ」
柔らかな低い声でベルブがそんな風に言うから、俺の胸の奥はキュッと締め付けられて、甘い幸福感に包まれる。
「俺も......好きだ...ベルブ...」
恥ずかしいが、素直に伝えられずには居られない。
この悪魔と...共にこれからを歩んでいけることが嬉しい。
優しく抱き締められて、ベルブの鼓動の音を聴きながら......その温もりに酔いしれるように深呼吸する。
幸せだ...。
俺たちの間に甘い雰囲気が流れていた。
その時――。
"ドンドンドン...!"
「ッ!!」
心臓が飛び出るかと思った。リビングの先にある玄関を激しくノックする音だ。
「な、なんだ...」と、驚く声を出す。ベルブはすぐさま俺を腕の中へ押し込めるように抱擁の力を強め、その身で包んで守るような体勢だ。
魔界との決着は済んだ。ベルブの父が差し金を送り込んでくることはなくなり、俺を狙う悪魔はもう来なくなったはずだ...。
ただの訪問者か...?
「ベルブ、悪魔じゃねぇだろ...?」
ベルブならその気配を察せるのでは無いかと尋ねてみる。ベルブは小さく頷いた。
「あぁ。悪魔じゃないね」
「じゃあ、なにか配達か...?」
業者が手紙か小包かなにかを届けに来ただけかもしれない。「見てくるよ」と、ベルブに声をかけて体を起こす。ベルブはまだ心配なのか、玄関に向かう俺の背後を付いてくる。はだけていたガウンをしっかりと肩に通して腰紐を結び......
俺はその覗き穴に左目を当てた。
「...ん?」
そこに居たのは...アダム...
何故ここに...?
しかも......面倒な奴も連れてやがる、教皇庁のあの司祭だ...!
「ライラ、誰だった?」
「...アダム神父と教皇庁の司祭だ。なんで俺の所に...」
躊躇いながらドアの向こうの正体を告げると、ベルブの片方の眉が神経質にピクリと跳ねる。
「...ライラを連れ戻しに来た?」
「まさか...。離婚した俺を教皇庁に連れ戻すなんてできねぇよ」
そう呟きながらも、司祭との最後のやり取りを思い出す。司祭は俺を、教皇庁の非公認のエクソシストとしてまだ利用しようとしていた。どうしても対処しきれない悪魔祓いがあれば、俺を頼りたいと言っていた。
...つまり、危険な悪魔祓いの案件でここへ...?
しかしなぜアダムも彼と同行を...?
司祭やら教皇庁やらはどうでもいいが、アダムが居ることが気になる。
「...ベルブ。彼らと少し話してもいいか?なんの用件なのか確認したい」
「......嫌だな」
即答だ...。
あぁ、そりゃそうだろうな。ベルブは嫌がるだろうと思った。だが、アダムがここに来ていることが気がかりだ。
ドアを叩くような激しい音が更に大きくなる。なんだ、異様な程に叩きつけてる。とても必死だ。
「ライラさん!!!ライラさん!!!」
切迫したアダムの声が聞こえた。
「ベルブ、彼らから用件を聞くだけだ、すぐ終わる。少しだけだから...」
「...ライラを連れ戻す話だったら?そんなことさせないよ...」
「分かってるよ。そもそも戻るつもりなんて鼻からねぇ...。でも...」
その時...
「ダメだ。やはり無理矢理入って、中の状況を確認するしかないようだ...!」
外からそんな司祭の声がする。
は...?
不法侵入...?
「えぇ、そうですね...。警察には許可を得てますし...。警察も恐れてついて来なかった、私たちだけで対応するしかありません...」
おい、アダムまで...!
しかも警察?
なんの事だ...
「ライラ...彼ら、強引に入ろうとしてる...?」
ベルブも動揺した表情で、俺を見つめる。
「あぁ...なんでそんなこと...。つーか、警察って...」
「よく分からないけど、魔術で...」
すぐさまベルブが右手をドアに翳し、何やらドアが簡単に開かない細工をしているようだ。
「ベ、ベルブ...やっぱ気になる、話を聞かねぇと...!」
「ただならぬ状況らしいね。危険な匂いがするから...ライラを近づけたくない」
その時、ドンッッ!!!と、激しい音が響く。恐らく、このドアを外から蹴破ろうとでもしているかのような音だ。
「ベルブ、もういい...話を聞こう、話を聞くだけだ...!」
「駄目...一旦、魔界へ逃げよう」
「お、おい...逃げる必要なんて...」
ベルブと押し問答をしている間にも、何度もドアを蹴りつけるような激しい音がする。木製のドアは軋み、崩れてもおかしくない状況だ。しかしベルブの魔力のせいか、ドアはビクともしていない。
「このドア...おかしいな...」
「えぇ...。もしかしたら...やはり本当に...」
「アダム神父、頼んだぞ...」
「分かりました...!」
司祭とアダムの会話が薄らと聞こえた。
な、なんだ...?
何をする気だ...?
ドアを睨みつけ、額に汗が滲む。
「ライラ、行こう。魔界に行くよ...」
「ま、待て...」
魔界へ一緒に行こうとするベルブを引き留めたその時。
「っ......」
ベルブの表情が歪み、苦しそうに息を吐く。
「おい...、ベルブ......」
呟いた後、外から聞こえてきた声に、俺は青ざめる。
アダムの声......
これは、ラテン語......
悪魔祓いの祝詞...
「ベルブ...!ドアから離れろ...!」
そう叫んだ声と同時に、バキッ!!!とドアが軋み...
「...ライラさん!!」
無理矢理開かれたドアの向こうで、十字架を構えたアダムと司祭が立っていた。
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